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第288回 『未来を生きる君たちへ』 ~ 人格をつなぐ 眼差し ~

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 2022年12月30日は、東京都内でお住まいのお子様家族に逢いに、アメリカから来日されたご夫婦、wifeと4人で、東久留米駅前にあるインドの友人の「East Side Café(イーストサイドカフェ)」で昼食の時を持った。 長野県の野尻湖に別荘を持たれており、以前に訪問したものである。 大変有意義な貴重な時であった。 筆者は毎月「East Side Café」では、新渡戸稲造『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)と内村鑑三『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読む読書会を行なっている。 その後、wifeと「イオンモール東久留米」に行った。 そして、東久留米市の落合川を散策した。  帰宅したら、青木湖のある長野県在住の娘様から「今朝母が大町病院で亡くなりました。最期は間に合いませんでしたが穏やかだったそうです。 未だに実感が湧きません。」との連絡が届いた。 涙無くして語れない。「南原実(1930 - 2013)は、ドイツ文学者。東京大学名誉教授。 父は東京大学総長を務めた法学者の南原繁」とHPでは紹介されている。 想えば、筆者とwifeは、毎年、南原実先生宅でクリスマス会に伺ったものである。  奥様が作って頂いた美味しい夕食を食べながら学びの時であった。『未来を生きる君たちへ』(2005年発行)も頂いた。 熟読したものである。 【「ふたりの人格をつなぐのは、コトバなのだ。―― コトバは、ついには、マナザシのなかへと昇華する。」&「おろかな考えは偶然が運んでくるが、かしこいことばは 叡智からくる。」】が、鮮明に思い出される。  来年(2023年)は『われ21世紀の新渡戸とならん』(2003年 発行イーグレープ/ 発売いのちのことば社)出版20周年である。【この本は、樋野興夫先生が日本学会事務センターの広報誌『Scientia』に連載した文章をまとめたもの。 序文の中で、樋野興夫先生は「所詮われわれには、死ぬときは『畳1枚ほどの墓場』しか残らない。『勇ましく高尚なる生涯』の生き様を見せるしかない。―― 樋野先生は、すでに2001年から「がん哲学」を提唱されていたのである。】と紹介されている。 2023年、出版20周年記念として、本プログ『楕円形の心』を抜粋して新刊が発行される予感がする。 2023年のプレゼントとなればと願う。

第287回 『野の咲く花』 ~ 手をさしのべる ~

 今年(2022年)も終わりである。 『2022年の忘れ得ぬ想い出』の一つは、2022年11月11日、ワイルドスポーツクラブの髙橋謙三氏の企画による『樋野先生と行く日光東照宮 紅葉🍁の旅』であろうか! 記念誌も製作(編集長:森尚子氏、 雑用係、写真撮影担当:三国浩晃氏)された。 また、参加された看護師の戸田裕子氏から、私の講演は『スルメ』のようであると指摘され、『スルメ症候群』認定証が創設された。 そして、『スルメ症候群数え唄』が作詞/作曲/ピアノ教師の中野綾子氏によって完成された。『冗談を本気で実現する』記念の年となった 『スルメ症候群数え唄』 一度 聞いてもわからない 二度も 聞いてもわからない 三度 聞いて首傾げ 四度 聞いてうなずける あ〜あ〜 スルメ症候群 あ〜あ〜 スルメ症候群 訳がわからんのがいいね  まさに、『「人間的な責任」で、手をさしのべる→温かい人間としての関係』の構築である。 「解決 vs 解消」&「支える vs 寄り添う」の違いの「貴重な学びの場」でもある。【「人生に逆境も順境もない」(新渡戸稲造;1862-1933)&「人生の目的は金銭を得るにあらず、品性を完成するにあり」(内村鑑三;1861-1930)& 行動への意識の根源と原動力をもち、「走るべき行程」&「見据える勇気」&『生活環境や 言葉が違っても 心が通えば友達であり、心が通じ合う人と 出会うことが 人間の一番の楽しみである。』(新渡戸稲造)】の復習の2022年でもあった。   たまたま、偶然に、今朝(2022年12月28日)、ダ・カーポの曲『野の咲く花のように』を拝聴した。 日々、不思議な出会いである。

第286回 壮大な富士山 ~ 幼年時代のインプリンティング ~

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 2022年12月24日、クリスマスイブの日に『舞子の丘教会(宮澤清志牧師)創立50周年記念』での講演『あなたは そこにいるだけで 価値のある存在』に赴いた。 東京駅8:03am発の「新幹線:ひかり号」で西明石駅に向かい、西明石駅でJR神戸線に乗り換えて朝霧駅に到着した。 名古屋駅〜京都駅間が大雪の為、新幹線は、約40分の遅れとなった。 宮澤清志牧師、スタッフの皆様の心温まるおもてなしには、大いに感激した。 忘れ得ぬ貴重なクリスマスイブの日となった。  新幹線から『雪の壮大な富士山』を見ながら心癒される時ともなった。 森尚子氏から【CD(ドキュメンタリー映画『がんと生きる 言葉の処方箋』サウンドトラック&コンセプトアルバム)の16曲目の『ほっとけ 気にするな』(歌:田島玲子 作詞:樋野興夫 作曲:鈴木穂波)を作曲された「チェロ奏者の鈴木穂波さんが、静岡県富士山世界遺産センターで演奏され、撮影された富士山の写真です。 静岡県富士山世界遺産センターでは、こんな感じで間近に富士山が見られるそうです。」と新幹線で通過中のタイミングで、素晴らしい綺麗な富士山の写真が送られて来た。 大いに感動した。 筆者にとって『富士山』は特別な想いがある。 幼年時代から母に『誕生の年の初夢に富士山を見た=富士山子』と育てられたものである。 「幼年時代のインプリンティング」は生涯に影響を与える様である。 「幼年期の教育の重要性」を痛感する今日この頃である。  また、今回、ジュネーブ生まれの Paul Tournier (1898-1986:精神科医)が鮮明に思い出された。 筆者が医学部の学生時代、神戸で、Paul Tournierの講演を聞いたのは、人生の大いなる出会いであった。 Paul Tournier の著作『聖書と医学』(赤星進訳 聖文舎発行)を1975年7月購入、通読した。 21歳の医学部生の時代であり、400ページを超える本で、至る所に、赤線が引いてあり、夜を徹して読んだものである。『どの人にとっても、彼に現在起こりつつあることは 〜 病気、不安、悲しみ、困難 〜 が問題なのである。 彼はその出来事から何かを学び、決定を下さなければならぬのである。 彼はどこに助けを見いだすであろうか。」(page 119)に、「がん哲学」&「がん哲学外来」のコンセプトがあり、その復習の貴重

第285回 根底を一貫して流れるユーモア ~ 良くやった! ~

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 2022年12月18日午後、2008年開設の『東久留米がん哲学外来 in メデイカルカフェ』(CAJキャンパス)に赴いた。『OKIちゃん言葉に旅』(猪口由紀子 製作、日本語版、英語版)に続いて、2作目の『しずくの冒険』(日本語版、英語版;添付)が紹介された。【天国でOKIちゃんがお茶会を開いています。 新渡戸稲造(1862-1933)先生がOKIちゃんに、「良くやった!」と肩に手を置いています。 それを内村鑑三(1861-1930)先生も祝福しています。 テーブルには勝海舟(1823-1899)、新島襄(1843-1890)、南原繁(1889-1974)、矢内原忠雄(1893-1961)も同席されていて、しずくちゃんの一人がお茶をサーブしています。 周りには他のしずくちゃん達が 先生方の話を聞いています。】とのことである。 『根底を一貫して流れるユーモア』であろう! また、日本対がん協会の助成金を得られた方とも面談した。 【「がんになっても安心して暮らせる地域社会」になるよう、子育て中のがんママたちのためのカフェを作ります。 がん哲学外来カフェのように温かく、居心地の良い場所を目指します。これからも「First Contact Team」の意義についてたくさん発信してくださるのを期待しております。】とのことである。 感服した。 大変有意義な時であった。  その後、東久留米駅前にあるEast Side Café(イーストサイドカフェ)で読書会を行った。 読書会は2007年からスタートして、今年は15周年である。 新渡戸稲造『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)と内村鑑三『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めている。 4巡目である。 良き本は、何回読んでも新鮮味がある。 継続の大切さを実感する日々である。 今回は、南原繁のお孫様の奥様も参加され、新渡戸稲造『武士道』の第12章『自殺および腹仇の制度』の前半を音読して頂いた。 南原繁の息子様【南原実(2013年ご逝去)、南原晃(2016年ご逝去)】とは、親しくさせて頂いたことは、筆者にとって『人生の宝物』である。 後半は、上智大学グリーフケア研究所の研修生:田中敦子氏が音読された。 お2人の音読は「品性と格調」があり大いに感動した。 早速、参加者から「読書会、参加させて頂きますと、みなさまから、そしてもち

第284回 人生の鎔炉(ようろ) ~ 鍛えられて実得 ~

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 2022年12月13日 第98回『がん哲学外来メディカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会に於いて)に赴いた。 『ながれやま・がん哲学外来カフェ』代表:春日井いつ子氏、『岡倉天心記念がん哲学外来・巣鴨カフェ「桜」』代表:山本ひろみ氏、千葉県八千代市の山河正信氏も参加されていた。 会場から真摯な質問も多数寄せられ、大変有意義な充実した時間であった。 継続の大切さを痛感する日々である。 来年(2023年7月)は、9周年記念会が企画されるようである。 「自分より困った人に 手を差し伸べようとすれば、自らの役割が生まれ、逆境はむしろ順境になるのです」&「目的は高い理想に置き、それに到達する道は臨機応変に取るべし」(新渡戸稲造;1862-1933)の教訓が鮮明に蘇ってきた。 これこそ、『コロナ時代の心得の実践』ではなかろうか! 日々勉強である。  その後、新大久保駅→池袋駅→東久留米駅に向かった。 東久留米市の喫茶店ジョナサンで、吉川健一氏、相田英子氏と【『旧約聖書のヨブ記』の「ヨブの人生」について、そもそも「ヨブ記はいかなる書であるのか?」】とのニューモア溢れる話で大いに盛り上がった。  【人は何故に艱難に会うのか? これがヨブ記の課題である。 人生最大問題の一である。 実にヨブは生涯の実験 ―― 殊に悲痛なる実験―― を以て問題を提出せられたのである。 ヨブは患難の連続を以て患難の意味という問題を提出せられ、そして事実的の痛苦煩悶苦闘を以てこれに答えざるを得なかったのである。 実にヨブは実験を以て大問題を提出せられ、実験を以てこれに答えしめられたのである。 火と燃ゆる人生の鎔炉(ようろ)に、鉄は鍛えられんとするのである」&「しかし解答は与えられずして 与えられたのである。 そしてすべての懊悩(おうのう)痛恨を脱して大歓喜の状態に入る」】(ヨブ記講演;内村鑑三1861~1930)。まさに、「自由意志を持つ者として造られた人間が、自分の意思で選ぶ」ことであり、『人は何事によらず 円満と称して円形を要求するが、天然は 人の要求に応ぜずして 楕円形を採るはふしぎである。 患難の坩堝(るつぼ)の内に燃え尽くす火に 鍛えられて初めて実得し得るものである。』の学びの時である。 

第283回 『医療従事者の心得』 ~ 『サクッ症候群』 ~

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 2022年12月9日 午前中、病理診断業務を終えて、午後、恵泉女学園(経堂)に赴いた。 それから「あざみ野駅」に向かった。 横浜新都市脳神経外科病院での看護師向けのセミナー講演『First Contact Team 〜 医療維新 〜』に赴いた。 企画されたのは、山口聖子看護部長であった。 想えば、山口聖子氏は、以前、順天堂大学での看護師を勤務されており、2005年順天堂大学病院で『アスベスト・中皮腫外来』を開設した時に、大変お世話になった。 そして2008年の『がん哲学外来』に進んだ。 「人生の不思議な出会いの繋がり」を痛感した。 今回、多数の真摯なユーモア溢れる質問が多数寄せられた。 筆者は、『森本レオ』に似ているとのことである。 山口聖子氏は、『偉大なるお節介症候群』認定証を授与されている。 講演の後、師長たち7名と「サクッと食事して帰りましょう!」とのことで、『サクッ症候群』が創立された。『速効性と英断の医療従事者の心得』で、まさに、今回の講演会のタイトルであろう!  2022年12月10日午前中は、早稲田大学エクステンションセンター(中野校)での講座『がんと生きる哲学:医師との対話を通して「がん」と生きる方法を考える』である。 教科書『がん細胞から学んだ生き方』(へるす出版)の読み合わせと解説をしつつ、今回は、第4章を受講者とのディスカッションを中心に講義を進める。    目標:がんとともに暮らすことを知り、がん患者と対話し、がん患者に寄りそう方法を受講者自らがみつけ、笑顔になることをめざします。  講義概要:「がん哲学」とは、生きることの根源的な意味を考えようとする患者と、がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする医師との対話から生まれました。日本人の半分ががんになる時代、好むと好まざるとにかかわらず、多くの人ががんと一緒に生きる方法を見つけなければなりません。授業では教科書の読みあわせと解説をしつつ、受講者とのディスカッションを中心に講義をすすめます。がんとともに生きている患者さん、がん患者の家族や身近に患者がいる人、医療従事者等のがん患者に寄りそいたいと思うかたすべてが対象です。 と謳われている。

第282回 「継続の大切さ」 ~ 「俯瞰的な眼差し」 ~

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  2022年12月2日『ハルメク』文化事業部の長倉志乃氏と12月16日「映画上映会&トークショー」の打ち合わせを行った。来年は『スルメ症候群美女3姉妹』、『グリーフケア美女5人姉妹』の記事が企画される予感がする。  2022年12月3日午前中、早稲田大学エクステンションセンター(中野校)での講座『がんと生きる哲学:医師との対話を通して「がん」と生きる方法を考える』に赴いた。 教科書『がん細胞から学んだ生き方』(へるす出版)の読み合わせと解説をしつつ、受講者とのディスカッションを中心に講義を進めた。 今回は、『リンゴの木を植える』、『「言葉の処方箋」とは』、『「言葉の処方箋」の例』、『「言葉の処方箋」はがん治療に有効か』、『ほっとけ気にするな』の箇所であった。 2022年11月11日、『日光東照宮 紅葉🍁と華厳の滝の旅』の記念誌編集長:森尚子氏、筆者の講演は、『スルメ』のようであると指摘され『スルメ症候群』(下記)を提案された看護師の戸田裕子氏も講座に参加されていた。 『スルメ症候群』認定証の3箇条 1.噛めば噛むほどに旨味を感ずる 2.噛んで得た旨味が自身の血となり肉となる 3.必要なときに噛み旨味を得ることができる  戸田裕子氏に連れられて、午後は『東村山がん哲学外来メディカル・カフェ100回記念・東久留栄読書会15周年記念』(東村山市市民ステーション「サンバルネ」コンベンションホールに於いて)に向かった。  記念誌の写真担当:三国浩晃氏も参加されていた。 読書会は2007年からスタートし、新渡戸稲造『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)と内村鑑三『代表的日本人』 (岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めている。 早速、代表の大弥佳寿子氏から、【お陰様で、先生皆様と大変有意義な時を過ごさせていただきました。継続の大切さを思い、物事を丁寧に観察し俯瞰的な眼差しがもてる(日記をつける)ように学んで参りたいと思います。】との品性ある真摯な心温まるメールを頂いた。その後、第13回『勝海舟記念下町(浅草)がん哲学外来』シンポジウムに向かった。 今回は、「3連ちゃん症候群の日」となった。日々訓練である。