投稿

9月, 2020の投稿を表示しています

第166回 人生の不思議な繋がり 〜「陣営の外=がん哲学・外来」へと展開 〜

イメージ
『 新渡戸稲造記念センター  ニュースレター 』 が送られてきた。      筆者 にとって、 掲載されている 長野県は 筆者の『 がん哲学外来 』 の原点 ではなかろうか!    筆者は、 癌研時代の恩師( 今は亡き  当時の所長:菅野晴夫先生 :1 925-2016)から「若月俊一 先生 ( 1910  – 2006 ) 」の話を聞き、また、 病理部研究員時代 の病理部長 であった 北川知行先生の紹介で、浅間病院 に 、定期的に病理診断の業務 に赴いた 。   さらに、当時の 信州大学教授の武富保先生から信州大学客員教授を拝命し 毎年授業に参上 したものである 。    コロナが収まったら、 いつか、 軽井沢で  長野県 記念シンポジウム が  企画 されれば最高である。  東京都中野区でのクリニックでの講演を依頼された。     『 「がんの悩みを   病院の外で 心おきなく話したい」がん哲学外来は、がん患者、経験者、ご家族のための対話の場です。 樋野興夫先生と ゆっくり語り合ってみませんか。』と謳われている。    その後、第7 9 回日本癌学会学術総会『がんの実像を見つめて共に歩む』(安井弥   会長、広島に於いて)に向かう。    筆者は、『 日本癌学会   奨励賞受賞講演 』の座長を依頼された。     思えば、筆者は、癌研時代1 986 年『日本癌学会   奨励賞』を頂いたことが、鮮明に蘇って来た。    これも、 菅野晴夫先生 、 北川知行先生 の指導のお陰である。    そして、アメリカの Knudson ( 1922 - 2016) の下での学びが与えられた。   必然的に「がん哲学」の提唱へと導かれた。    さらに、「陣営の外=がん哲学外来」へと展開した。     人生の不思議な繋がりである。

第165回 『 文化の中の健康 〜 がん哲学 〜』 〜 執り成す人の姿 〜

イメージ
順天堂大学医学部1年生の選択講義『   文化 の中の健康  〜 がん哲学 〜 』 ( 公衆衛生学講座  主催 ) に赴いた。    コロナ対策で「3密」を避け、大講堂で、約1 20 人の医学部1年生が聴講した。「どの本の読書をすれば良いのでしょうか?」、「先生は、風貌を診て心まで診ると言われますが、私は、いかがでしょうか?」、「対話の訓練は、どうすれば良いのでしょうか?」の真摯な質問があり、大いに感激した。    また、「先生は、クリスチャンでしょうか?」との質問があり、「クラーク、新島襄、内村鑑三、新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄」を語り、 2020 年 11 月 20 〜 23 日は、「樋野先生と行く 北海道  函館・札幌・小樽の 旅 」(下記;   Go To  トラベル事業支援対象)が、企画され、『 新渡戸 稲造『武士道』発行 120 周年記念 /  新渡戸稲造 国際連盟事務次長 100 周年記念 /  新島襄 没  130 周年記念 /  内村鑑三 没  90 周年記念』と 謳われ、私は、講演『クラーク、新島襄、内村鑑三、新渡戸稲造を学ぶ 旅 』の機会が与えられている』 と さりげなく 語った。   公衆衛生学講座 の 佐藤先生 と 事務担当の宮崎 様の、熱意、情熱には   感服した。「医師の使命」の復習の授業ともなった。  『 「執り成し」について、 「 がん哲学カフェ 」 で   お世話になっている樋野興夫先生のことを 思いました。  樋野先生は   子供の頃よく熱を出し、住んでいた漁村は   無医村だったので、お母様が   そのたびに樋野先生をおんぶして、医者のいる隣村まで   連れて行ったそうです。    だから樋野先生は「村に医者がいれば、母が   こんな大変な思いをしないですむのに」と、幼いときに   医師になろうと   決めたそうです。    お母様が   我が子の命を救うために、骨身を惜しまず、犠牲を払って、医者の所に連れて行ったこと。ここに   執り成す人の姿を見ます。 』と 大いに励まされるメールも頂いた。「医業の原点」である。  

第164回  2020年9月6日 〜 杉村 隆 先生 と アルフォンス・デーケン 先生 〜

イメージ
  国立がん研究センター 名誉総長ならびに 日本学士院元院長(文化勲章受賞) の 杉村 隆 先生(1926−2020)が、9月6日にご逝去された。 筆者の『がん研究』の人生に於いて、杉村 隆 先生には、大変お世話になった。お見舞いに伺ったのが 最後の面談となった。「純度の高い、俯瞰的な大局観 〜 森を診て 木の皮まで診る 〜」の心得を若き日から学んだ。 講演も一緒にさせて頂いた。ここに謹んで 杉村 隆 先生のご冥福を お祈り申し上げます。 アルフォンス・デーケン 先生 (1932-2020)(Alfons Deeken, 上智大学 名誉教授)も、9月6日に ご逝去された。 デーケン 先生と ご講演を させて頂いたことが 鮮明に蘇って来た。 島薗進先生(上智大グリーフケア研究所長)より デーケン 先生の 追悼文が送られて来た。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S14620876.html 『デーケン先生は 臨床現場からではなく、「死の哲学」という教育の場から「死生学」に入っていかれました。 その後、「死の準備教育」という方向を示していかれましたが、日本では このような市民の自己啓発の助けという方向性と臨床現場との双方から死生学が発展していったということを 合わせて考えてみました。 樋野先生のご貢献も同様と感じています。 デーケン先生とは プールでのおつきあい、樋野先生とは カラオケでのおつきあいが 心に残っていますが、ユーモアという点でも あい通じるものがあると 感じております。』との 心に染み入る お言葉を頂いた。涙無くして語れない!  2020年9月6日は、筆者にとっては、忘れ得ぬ日となろう!

第163回 「寄り添いの姿」〜「真摯な姿勢」〜

 『新渡戸稲造記念センター』での『がん哲学外来』に赴いた。 面談は、大変充実した、有意義な 出会いの場であった。 翌日、『パルシステム共済連 たすけあい活動委員会』主催 [拡大学習会『患者と家族3000人との対話から生まれた【ことばの処方箋】~ がん哲学外来へようこそ ~』]で、講演する機会が与えられた(東京都東新宿の パルシステム連合会本部 於いて)。  『パルシステム共済連 たすけあい活動委員会では、今や 国民病とも言える「がん」について、2012年度より 特に乳がんの早期発見・早期治療を目的とするピンクリボン運動を 積極的に取り組んできました。 同時に、「がん」という病気そのものや 罹患者に対する「支え」についての学習も すすめてきました。 今回は、順天堂大学 樋野興夫 名誉教授をお招きし、樋野先生が 提唱する「がん哲学外来」を学ぶ企画としました。「がん哲学外来」とは、特別な資格もいらず、医療の専門的知識もいらず、誰でもができる「罹患者を支える活動」として、今や全国に広がっています。 今後、ますます地域で必要とされる 罹患者に対する「支える活動」について、私たち生協としての取組み、また がん哲学外来を すでに実施している活動団体と連携した取組みへと 発展することも期待でき、とても 参考になると考えています。』 と 紹介されていた。 2008年開設の『がん哲学外来』の時代の流れを 痛感する日々である。  『人生の目的は 品性を完成するにあり』、『人生いばらの道、されど宴会』、『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在』、『人生から期待される生き方』の『言葉の処方箋』を さりげなく語った。 聴講者の「真摯な姿勢」には、大いに感動した。 まさに、「寄り添いの姿」であろう!  早速、「参加された方より 大変有意義な時間だったとの感想や 言葉の処方箋について更に興味を持たれた方も いらっしゃいました。」、「びぃあらいぶ(広報誌)やKOKOCARA(WEB広報)において メディカルカフェをパルシステムの組合員にも広く伝え、今後のパルシステムの活動にも繋げていきたいと 考えておりますーー。」との 心温まる激励のコメントを頂いた。 がん患者の就労時代、職場での「がん哲学外来・カフェ」開設は、時代的要請ではなかろうか!

第162回 『南原繁 研究会』から『南原実 先生の回想録』へ

 先週(2020 年8月29 日)「南 原繁   研究会 第9回   夏期研究発表会 」( 学士会館 に於いて)に赴いた(下記)。筆者は、 開会挨拶 の機会が与えられた。 第1部 司会: 宮崎文彦 高橋勇一:「南原繁の教育観」と「田中耕太郎の教育論」 伊藤貴雄 :  近代日本における新カント派哲学の受容の系譜   ― 価値並行論とその周辺   ― 大庭治夫 : 「南原繁・相沢久先生と大塚久雄・松田智雄先生の精神史的考察」 第2部 司会: 栩木憲一郎 川口雄一 :  射水郡長時代の南原繁 再考   ―  思想史的=評伝的研究のための予備的整理 山口周三: 南原繁と昭和天皇退位問題  南原繁 (1889 〜 1974) 没3 0 周年記念事業で 2004年にスタートした南原繁研究会 【初代代表 :  鴨下重彦 先生(1934 ~2011; 東京大学名誉教授、国立国際医療センター名誉総長)、第2代代表 :  加藤節 先生(成蹊大学名誉教授)】の 3 代目代表を、 昨年  (2019 年) 、 「 南原繁   生誕130周年 」 を祝し仰せ つかった。   筆者 の恩師は、南原繁が、戦後最初の東大総長のときの医学部の学生で 、 「スケールの大きい、愛情豊かな人物だった」と、南原繁の話を   よく聞 いたものである。  11 月 3 日は、 『 第 17 回   南原 繁  シンポジウム 』 が開催される。  「環境問題のバイブル」と言われる、アメリカの海洋生物学者:レイチェル・カーソン( Rachel Carson 1907-1964 )の『沈黙の春( Silent Spring ) 』 ( 1962 年)の日本語訳は、南原繁のご長男:南原実 先生  (1930-2013 ) によって出版されている(ペンネームの為に知る人ぞ知る)。  2004 年以来、今は亡き   南原実 先生のご自宅に 年末、 wife と一緒に伺い、夕食をしながら、親しい深い学びの時が   与えられたものである。 まさに、筆者にとっては『未来に生きる君たちに 』 (南原実   著)の貴重な得難い「人生の特別ゼミナール」の時間であった。   この度、『 南原実   先生の 回想録』 が、発行されるとのことである。   筆者も、「 南原実   先生   と