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第356回 『個性である社会構築』 〜 『語らいの場』 〜

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 2023年10月28日 筆者が代表を務める『リンチ症候群研究会』のZoom『第9回リンチ症候群研究会シンポジウム市民公開フォーラム』(当番世話人:国立病院機構岩国医療センター 外科 田中屋宏爾先生)で『挨拶』の機会が与えられた。 【『家族性(遺伝性)腫瘍』は、『純度の高い専門性と社会的包容力の実践の場』であり、『遺伝病も単なる個性である社会構築』の時代的要請であろう】と語った。 その後、四国中央市川之江町に向かった。  10月29日午前中 川之江教会(広瀬満和牧師)で礼拝メッセージ『思いやり』の機会が与えられた。 ヨハネの手紙第一 4章7〜11節を引用した。 また、『初めに、ことばがあった。』(ヨハネの福音書1章1節)と『艱難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出す』(ローマ人への手紙5章3節、4節)も語った。 これは、筆者の『がん哲学外来』の原点である。  午後は、安野とも子氏(神戸女学院大学)の司会で、『川之江ふれあい交流センター』で講演【がんと生きる講演会:『賢明な寛容』 〜 『不思議な出会い』 〜】の機会が与えられた。 多数の出席者であった。 岡山からも参加されていた。 質問もあり、大変貴重な時となった。 講演の後は、『カフェ』が開催された。 大変有意義な『語らいの場』となった。  安野とも子氏のお父様:越智義人氏と広瀬満和先生と3人で夕食の時をもった。川之江教会で『がん哲学外来・カフェ』の開設が決定された。  10月30日、帰京の新幹線から『壮大な雪の富士山』を眺めた。 大いに心が慰められた。『川之江→岡山→東京』の有意義な旅となった。  順天堂大学(御茶ノ水)に寄り、その後、恵泉女学園(経堂)に赴いた。 大変充実した『連ちゃん症候群』となった。  10月31日は、羽田空港から韓国のキンポ空港に向かう。 韓国のミョンジ大学で、同時通訳で『病気であっても病人ではない 〜 解決はできなくても解消はできる 〜』の講演とカフェの機会が与えられた。

第355回 『ホラ吹き』と『嘘つき』の違い 〜 どう寄り添ったらよいですか 〜

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 2023年10月24日 第107回『がん哲学外来メディカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会に於いて)に赴いた。 【がん哲学外来とは、がんと告知されてから、あなたが考える『悩み・不安・想い・願望』などを直に聴いて『解消できる道』を一緒に探し『医療の隙間』を埋める活動です。 がんを患うご本人だけでなく、支えられている家族の方々の相談も行います。 今や世界的にも注目されている『がん哲学外来メディカル・カフェ』是非どなた様も、お気軽にご参加ください。】と謳われている。 中村和司牧師の司会のもと、多数の質問が寄せられた。   様々な癌の種類でもよく耳にするものもあれば、そうでないものもあるので、人間の体には、癌になりやすい所というものがあるのでしょうか。 その順位はどのようなものでしょう。 またそれは、個人によって全然違うのでしょうか。  自分の「死」を受け入れるのも難しいですが、家族や友人、愛する者の「死」を受け入れるのも別の難しさがあると思います。 医療従事者の方が、このような問題について学ぶ機会はありますか。 また医療側の具体的な対応などあるでしょうか。  今、25歳というとまだ若手という印象です。 歴史を見ると、時代によって同じ年齢でも人生の完成に向けての進み具合が違うように感じます。 平均寿命や、社会の仕組みもあるかと思いますが、なぜでしょうか。  集団の中で、いわゆる問題を起こす人がいます。 なかなか自分の意見や行動を変えようとしません。 このような場合、どうしたらよいでしょうか。 問題の人本人に対してと、周りの人たちへのフォローと、両方教えてください。  相手が固く心を閉ざしているとき、どう寄り添ったらよいですか。  『ホラ吹き』と『嘘つき』の違いは何でしょうか。『ほら吹き』の方は、昔話などにもよく出て来たりして、罪のないイメージがあります。 いつものことながら、様々な質問に即答することは自分にとっても鍛錬である。

第354回 『教会でも、お寺でも、どこでも』 〜 安心して心豊かに暮らす 〜

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 2023年10月19日Wifeは、10月22日の『東久留米がん哲学外来15周年記念会』の為に自宅でケーキ作りをした。  そのお手伝いに『東久留米がん哲学外来』の斎藤裕子氏、西東京市の『がんを経験した女性のコミュニティColorful Ribbons(カラフルリボン)』の主催者:髙倉理恵氏、青梅市の『がん哲学外来あんしんカフェてんねん』(添付)の代表:沖悦子氏(住職の奥様)と医師の望月友美子先生が来訪された。 Wifeの『おもてなし』には大いに感動した。 『教会でも がん哲学外来カフェを始めよう』(2019年発行 日本キリスト教団出版局)(添付)に継いで『お寺でも がん哲学外来カフェを始めよう』を沖悦子氏と望月友美子先生が、製本される予感がする。 そして、髙倉理恵氏が新刊『どこでも がん哲学外来カフェを始めよう』を発行されたら歴史的大事業となろう! 10月20日は、髙倉理恵氏が『東京市NPO 等企画提案事業でSOMPOケア在宅老人ホーム西東京多目的室』に於いて講演会を企画される (添付)。 《【『がんと生きる、暮らす 〜 仕事、子育てを頑張る世代に伝えたい。 がんになっても安心して地域で暮らすための ことばの処方箋 〜』。 2人に1人ががんになる時代。 がんになっても地域で心豊かに暮らすためのヒントを みんなで考える2時間です。】と謳われている。 第一部【講演】: 地域の誰もが相談できる『First Contact Team』という居場所 第二部【トークセッション】: 樋野先生との対話の時間。 事前にいただいたご質問を中心にお話いただきます。》とのことである。 筆者は『われOrigin of fireたらん』(2005年発行 to be出版)、『がん哲学外来 〜 メデイカルタウンを追い求めて 〜』(2008年発行 to be出版)と新刊『教養を深め、時代を読む 〜 楕円形の心 〜』の3冊(添付)を皆様にプレゼントした。 途中退席して、新渡戸稲造記念センター、そして東京女子大学の理事会に向かった。

第353回 世界を結ぶ架け橋 〜 国際理解と文化交流 〜

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 2023年10月12日、ルーテル学院大学での講義『現代生命科学II』に赴いた。 教科書『カラーで学べる病理学』を用いて、第2章『細胞・組織とその障害』、3章『再生と修復』、4章『循環障害』を音読しながら進めた。 真摯な学生の姿勢には大いに感激した。 その後、筆者が代表を務める南原繁(1889-1974)研究会の企画委員会zoom会議に出席した。 日々勉強である。  10月13日ICU(International Christian University国際基督教大学)のシンポジウムで講演の機会が与えられた。 今年(2023年)は、ICU創立(1953年)70周年とのことである。 初代学長の湯浅八郎 (1890-1981年)は『幻(ヴィジョン)なければ、民はほしいままにふるまう』(箴言29章18節)を口にしていたとのことである。 【建学の精神: 国際的社会人としての教養をもった人材を養成。 ICU校章・マークは『地球を表わす楕円の中に英語での校名『INTERNATIONAL CHRISTIAN UNIVERSITY』の頭文字『ICU』を配置したものです。』  学問への使命:ICUは、真理を探究し、学問的自由を守り、その内実を豊かにすることを使命として創立されました。 真理を求め、伝達する上で最大の成果を得るためには、最高の学問的水準と学問の自由を維持することが必要です。 知の共同体であるICUには、それを守る責任と期待と励ましが与えられています。知識の交流は、あらゆる高等教育研究機関が特別な関心をもって取り組むべき重要な課題です。 ICUの使命は、断片的なままでは 役に立たない知識を互いに関連づけ、統合し、そのなかで、自らの専門分野を超えて広く知識の交流をなし得る大学人を養成することにあります。―― さまざまな国籍や文化的背景をもつ人々がともに学び、働く、共同生活の場であるICUでは、教職員、学生のすべてが、可能な限り国際性を実現しようとしています。―― 国際的相互理解や交流を実現する為に欠くことのできないものは 語学力であり、ICUでは日英両語により教育を行なっています。―― ICUは、日本にあって、世界と日本を結ぶ架け橋としての使命を自覚し、国際理解と文化交流の進展に貢献することをめざします。】と謳われている。 多数の参加者もあり大変有意義な時であった

第352回 『なせば成る』 〜 『興譲の精神』〜

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 2023年10月6日 順天堂大学博士課程講義『がん研究の最前線:社会とのつながり(家族性腫瘍に対するコンサルテーションなど) & 総合討論』に赴いた。『がん哲学、遺伝性がん、環境発がん』について語った。 質問もあり、大変有意義な時であった。  10月7日午前中は、早稲田大学エクステンションセンター中野校での講座【ジャンル 人間の探求:がんと生きる哲学 医師との対話を通して『がん』と生きる方法を考える】であった。 テキスト:『もしも突然、がんを告知されたとしたら。』(東洋経済新報社)】を音読しながら進めた。 充実した時であった。  終了後、山形県米沢市にwifeと向かった。 小野川温泉で一泊した。 翌日 米沢興譲教会で、Wifeの礼拝説教『祝福:発見し、発掘し、人に与える』(ルツ記2章1〜12節)(同時通訳)であった。 会堂は、多数の出席者であった。 筆者は、午後、講演会『興譲の精神 〜 賢明な寛容 〜』の機会が与えられた。 滋賀県、東京都、福島県、宮城県、新潟県からも参加されていた。 大いに感動した。 【2023年1月12日夜『今、テレビで上杉鷹山の山形を放送しています。 2013年 駐日米国大使に就任した長女キャロライン・ケネディが、父のジョン・F・ケネディが大統領就任の時、日本の新聞記者が『日本で最も尊敬する政治家はだれですか』と質問したら、ケネディは『上杉鷹山です』と答えたエピソードをしていました。』との連絡を頂いたことが、今回 鮮明に想い出された。  『なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬ成りけり』は上杉鷹山(1751-1822)の有名な名言である。 2007年12月9日CAJで読書会をスタートしたのが筆者の原点でもある。 新渡戸稲造(1862-1933)著『武士道』(1899年)(矢内原忠雄 訳)と 内村鑑三(1861-1930)著『Representative Men of Japan』(『代表的日本人』)(1908年)(鈴木範久 訳)の読書会を、毎月交互に開催している。 帰りに『松が岬公園』に立ち寄った。 来年は、『上杉鷹山記念シンポジウム』が企画される予感がする。 本当に、不思議な出会いの連続である。

第351回 『種子と畑』 〜 Genotype, Phenotype, Dramatype 〜

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 2023年10月2日 順天堂大学大学院博士過程実践教育(unit2)『腫瘍医学』コースの授業に赴いた。 国立がんセンターの医師、薬剤師も出席されていた。  イントロダクション:Carcinogenesis『オーバービュー・がん研究の歴史(分子生物学、ウイルス発がん、動物モデルなど)』で、山極勝三郎(1863 - 1930)は、 吉田富三(1903 - 1973)、Knudson(Alfred George Knudson、1922 - 2016)の人物を紹介した。 まさに、『人生邂逅の3大法則~良き先生(重心)、良き友(外心)、良き読書(内心)~』を実感する日々である。 癌の理解の道:『最初に、正常細胞の変化したものとして正常との比較においてこれをみる。次には、癌細胞同士を比較する。』 (吉田富三) 癌細胞の形態 (1)構造異型:細胞の配列や極性の消失などの組織構築の異常 (2)細胞異型:細胞や核の大きさ。形、染色性。クロマチン構造などの形態学的異常 血行性転移 (1)『解剖学説』anatomical theory (2)『種子と畑説』seed and soil theory 発がんの連盟的首位性 — Genotype, Phenotype, Dramatype — 『適時診断と的確治療』 初期条件がある範囲にあると、初期の変異が経時的変化とともに分子の相互作用によって、様々に拡大し、将来予測が不可能になる。これは初期のわずかの変異で大きな効果が出ることを意味する。非平衡状態にあり外部と相互作用する開かれた複雑系では、初期状態(Genotype)が同じでも、外部から、意識的に適時に介入すれば、ある特異点(Phenotype)で分岐し多様性のある制御(Dramatype)が可能になるはずである。 病気はDramatypeなる故に、予防、治療が成立する。