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8月, 2021の投稿を表示しています

第213回 間断なき努力 〜 進歩の要件 〜

 筆者は、2021年7月1日、新渡戸稲造(1862-1933)から学んだ河井道(1877-1953)が、初代学園長である学校法人恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。2021年8月23日 恵泉女学園の役員懇親会に出席する機会が与えられた。  『大学通信』の安田賢治 氏による講演『中学入試と大学入試の現状と今後の動向』を拝聴した。 大変勉強になった。 筆者は、1)日本国内のInternational Schoolの生徒の9月入学  2)大学の医学部、看護学部との高大連携 の時代的到来について さりげなく質問した。    以前から面識のある昭和女子大学 坂東眞理子 理事長・総長から「女子大学は、冬の時代です。  是非ご一緒に盛り上げていきましょう。」との勇気づけられるメールを頂いた。  想えば、坂東真理子 先生との対談(『週刊ポスト』2008年10月3日号)が鮮明に思い出された。  昭和女子大学では、『夢を実現する7つの力』の指針が示されているようである。  『夢を実現する7つの力』は、「(1)グローバルに生きる力 (2)外国語を使う力 (3)ITを使いこなす力 (4)コミュニケーションをとる力 (5)問題を発見し目標を設定する力 (6)一歩踏み出して行動する力 (7)自分を大切にする力」とのことである。  昭和女子大学は、2019年度の就職率が全国の女子大学で一番高かったとのことある。  大いに感服した。 新渡戸稲造の精神 1)間断なき努力は進歩の要件 2)自分の力が 人に役に立つと思うときは 進んでやれ 3)意志は人なり は、まさに教育者の心得であろう! 

第212回 ひとり、静まる時を持つ 〜 希望を生み出す 〜

 2021年8月11日の目白カフェ5周年記念会(目白がん哲学外来カフェ代表 森尚子氏、目白町教会に於いて)での『樋野興夫先生 特別講演会:「にもかかわらず、笑う 〜 ほっとけ気にするな 〜」』に招かれた。  参加者から、「樋野先生の講演に初めて参加させていただきましたが、とても穏やかな語りが自然に心に沁みてきました。」、「樋野先生の柔らかな語り口、表情に、癒しと浄化で、心身共に爽やかな気持ちになりました。」、「参加して良かったです。  このような場があること、樋野先生とお話をしてくださった3名の方の言葉が胸に響きまくりでした。」などなど、心温まる多数のメールが、寄せられた。  大いに感動した。  2021年8月17日『がん哲学外来 メディカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会に於いて)も赴いた。  会場で、<がん>、<コロナ>、<医学>、<人間関係> に関して、多数の真摯な質問が寄せられた。 『妹の子育てを見ていて、きつく当たっているように見えるので 何か言ってあげたいと思うのですが、余計なおせっかいに 取られそうです。「偉大なおせっかい」にしていくためには、どうしたらいいですか?』 『友人が、病の宣告を受けて抜け殻のようになってしまいました。  早く、先生のおっしゃる「病気であっても病人でない」「人生の目的は品性の完成」という気持ちになってほしいと願いますが、急がずできるだけ寄り添うようにしています。  これでよいでしょうか。  時々、もうずっとこのままなのではないかと 不安になります。』 「実家から離れて暮らしていて、ある時 地元の妹に 親の様子を見に行って来てほしいと頼んだら、カンカンに怒り始めてしまい、会話にならなくなりました。  こんな時どう頼めば、怒らせないことができるでしょうか?」 「コロナの中で、実際には一緒にいる事が出来なくても、一緒にいるような時間を持ち、コミュニケーションを育んでいくのに、何か心掛けたらよい事が あるでしょうか。」 「がん哲学外来メディカル・カフェの働きの中で、読書会をしているところがあると伺いました。  どのように 会を進めていらっしゃるのでしょうか。」 「先生が人生で重要なもの3つあげてください。  それぞれの理由を教えてください。」 『「先生の声は安心するのか、眠くなる声で、絵本を読んでほしいくらいです。」と、勉強中に生徒がウ

第211回 「common sense(社会常識)を備えもった柔軟性 〜 「Personality(人格)& Responsibility(責任)」 〜

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「『がんと生きる 言葉の処方箋の英語版』が オンラインで見られるようになりました。  アメリカやオーストラリアにて 拡散お願いします。」との連絡が、野澤和之 映画監督から頂いた ( https://words.filmmaker-viale.com/ ) 。  大いに感激した。   また、『若き音楽家を育てる会』の上田幸伺 氏からは、ユーモア溢れる絵葉書が送られて来た。  上田幸伺 氏は、「『言葉の処方箋』講演会 & 上映会」を、企画されている。    コロナ時代、「汝のそば近くにある 義務を果たせよ」(新渡戸稲造;1862-1933)の言葉が鮮明に蘇って来た。 「1919年パリ講和会議が開催されている頃、『スペインかぜ』がフランスでも猛威をふるっていて、パンデミック(世界流行)で、感染者6億人、死者4000〜5000万人にも達したと推定されている。」と 以前に聞いたものである。  その時、新渡戸稲造はパリにいて、その後、国際連盟事務次長(1920〜1926)に就任している。  トーマス・カーライル(Thomas Carlyle;1795-1881)の影響を受けた新渡戸稲造は、「卓越した見識をもった素人救育者」であり、「common sense(社会常識)を備えもった柔軟性のある人格者」と謳われている。  まさに、教育者の資質は、「21世紀を背負って立つべき国際人としての日本人の育成」であろう!  新渡戸稲造の教育理念は、「Personality(人格)のないところには、Responsibility(責任)は生じない。」であると 筆者は、若き日、よく聞いたものである。 「コロナ時代の生き方」が問われている現在、「新渡戸稲造なら、何と語るのであろうか?」の静思の日々である。  「われを生み給うは、父母、われを人となし給えるは師なり」&『「何を学ぶか」も大事だが、それ以上に「誰に出会うか」がもっと大切である。』の言葉が「コロナ時代の生き方」の教訓ではなかろうか!?

第210回 扉を開く教育 〜 言葉・姿勢・視点 〜

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 アメリカのカリフォルニアからチラシが送られてきた。   アメリカでも「がん哲学メデイカルカフェ」が、継続的に、順調に開催されているようである。  『オンラインで開催・告知していましたら 次第に広いエリアに広まってきました(カリフォルニア、イリノイ、メリーランド、マサチューセッツ、日本)。  様子を見ながら「イベント」や「スピンオフ企画」という形で 各エリアで対面会に発展していければいいな〜と 夢を描きつつ、今月も オンラインのみの開催で輪を広めて参ります。』、また、『アメリカはワクチン接種率が大半のエリアで50%に近い数字になってきて、マスク不要のエリアが多くなりました。』とのことである。  さらに、「恵泉女学園理事長ご就任、誠におめでとうございます!  心からお祝い申し上げます。  先生のような言葉で、姿勢で、視点で、若い学生さんたちの学びの場を作り上げていく方が、たくさん たくさん必要な時代ですね。  私は、昨年 先生にお会いできたことで扉がまたひとつ開きました。  これからの世代のたくさんの方達の扉を開く教育の場で、先生のますますのご活躍をお祈りいたします!」との心温まる励ましのメールを頂いた。  ただただ感動である。   この度、『人生を変える言葉の処方箋』(いのちのことば社)の英語版が発行されるとのことである。  「人間性を学ぶことにこそ人間がある」(ゲーテ)が鮮明に想い出される日々である。