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第205回 『からし種 ~ 21世紀の医療の扉を開く〜』

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 2021年6月27日 聖蹟桜ヶ丘の教会 (東京都多摩市) での講演のYou Tube が送られて来た( https://youtu.be/x2iVvyrCkl4 )。  多数の方が、閲覧されたようである。 コロナ時代、会場での入場は制限されているが、ハイブリッドは、遠くでも自宅で、聴講出来るメリットがあるようである。 アメリカ在住の娘も孫も見たとの連絡があった。 『週刊現代』(2021年7月3日号;6月28日発売)の「立花隆 氏 追悼」の記事に、筆者の文章が記載されていたとの連絡を頂いた。 『がん哲学 〜 立花隆 氏との対話 〜』(2009年;to be出版)が 懐かしい想い出である。 不思議な貴重な出会いであった。  2021年6月29日午前中 柏がん哲学外来(柏地域医療連携センターに於いて)に赴いた。 大変、有意義な時であった。保育園でも「がん哲学外来・カフェ」が開催される予感がする。 スタッフとの会談も、充実したひと時であった。 その後、順天堂大学 保健医療学部 理学療法学科の講義『病理学概論』(14:50〜16:20)向かった。  順天堂大学 保健医療学部 事務室の小熊さや 氏が『偉大なるお節介症候群』認定証に続いて『チャウチャウ症候群』認定証を授与された。  [『チャウチャウ症候群』にも ご認定いただき大変光栄です! 「チャウチャウ」のように見るだけで 心が癒される存在を 目指したいものです!]。また、上司と『「尺取虫運動」とオリジナリティについて理解を深めたいと思います。』との真摯な誠実なメールを頂いた。 『チャウチャウの風貌』に、学生は、どれほど、心が癒されることであろうか!    以前、勝海舟(1823-1899)の屋敷があった赤坂で、講演『勝海舟の胆力 〜 がん哲学外来の心得 〜』の機会が与えられた。 母を亡くして 悩んでいるクララに対して、勝海舟の奥さん(たみ)の言葉『悲しい時には 私達の所へいらっしゃい、一緒に泣きましょう、そしてあなたが 仕合せな時には 一緒に笑いましょう。 さあ勇気を お出しなさい、—— これから先の長い年月のことは考えず、今日という日以外には 日がないと思って ただ毎日をお過ごしなさい』は、「訪れる人を 温かく迎え入れる」原点でもあろう。 筆者は、何時も、講演会では、『からし種』の話をする。『「どんな種よりも小さいのです

第204回 佇まい 〜 その場にいると心が癒される 〜

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 2021年6月22日(14:50〜16:20)は、順天堂大学 保健医療学部 理学療法学科での『病理学概論』を行なった。  順天堂大学保健医療学部事務室の小熊さや 氏が「『偉大なるお節介症候群』認定証、『気がかり症候群』認定証、『爆笑症候群』認定証、『爆睡症候群』認定証」を学生に紹介された。   「つたない発表でしたが、順天堂大学の学生から一人でも多くの各種症候群の認定者が輩出されることを期待しております!」 との真摯な誠実なメールを頂いた。  「冗談を本気で胆力」を持って語る人物に接すると、学生は、どれほど、心が癒されることであろうか!  「人生の忘れ得ぬ想い出」となろう!  大変、充実した時であった。  その後 オンライン開催yururi(ゆるり)第9回「固有の役割」~ 純度の高い専門性と社会的包容力 ~(19:00~21:00)の【ゲストスピーカー】として、配信会場に「東京柔道整復専門学校」(練馬区氷川台)に向かった。  大屋亜希子 氏、中尾根靖司 氏の配慮、心温まるおもてなしには、大いに感動した。   『医療や社会の高度化・複雑化にともなって、より高い専門性が求められるようになってきている医療・福祉従事者。  一方で、患者さんの生活に即した治療・ケアを提供するためには、職種間での連携や患者さんに寄り添うなど、専門性を超えた人間力も必要とされています。  今回は、がんの一種である中皮腫診断の専門家として長年研究に携わりながら、がん患者や家族の思い・悩みを受け止める「がん哲学外来」の活動を続けてこられた樋野興夫さんにゲストスピーカーとしてお話しいただきます。  国際平和と人間教育に尽力した新渡戸稲造や内村鑑三などの生き様もヒントに、今、医療や福祉に関わる者として、また一人の生活者として何ができるのか、一緒に考えてみませんか。  自分の役割や専門性について、あらためて見つめ直す機会として、ぜひ様々な職種の皆さまにご参加いただければと思います。」 と紹介されていた。  講演後、多数の貴重な質問を頂いた。 早速、「昨日は 心に残るお話をありがとうございました。  同席して先生の佇まいもセットで味わわせていただけたので、風貌のお話やその場にいるということの大切さをさらに実感できたように思います。  お送りいただいたご著書一覧も、昨日の資料と合わせて参加者に共有したいと思

第203回 『病理学に学ぶ 〜 人間社会の縮図 〜』

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 2021年6月14日、山梨大学医学部3年生の特別講義『人間社会の病理学 〜 賢明な寛容さ(the wise patience) 〜』に赴いた。  榎本信幸 先生(病院長)の「スケールの大きい胆力」には、ただただ感動した。  また、秘書の雨宮比呂子 氏(山梨大学医学部消化器内科)の「配慮」には、大いに感謝である。  『賢明な寛容性』は、新渡戸稲造(1862-1933)の精神である。  教育は、学生を『広々と品性』をもって、受け入れるものである。  「大学教育 = 人生邂逅の3大法則 = 良き先生、良き友、良き読書」であろう!  まさに、「教育とは、すべてのものを忘れたあとに残るもの」である。  大学の教育の重要性を実感する日々である。  今回は 別の部屋でも、職員の方も聴講されていたようである。  早速、分子病理学講座教授 範江林 先生から、「樋野先生 昨日はわざわざ山梨へお越しくださいましてありがとうございました。  素晴らしい講演会は大変勉強になりました。」との暖かい、励ましのメールを頂いた。  まさに、「分子病理学」の基軸は、『がん細胞は人間社会の縮図』である。  沼口香織 氏(山梨大学医学部附属病院看護部管理室 がん相談支援センターがん放射線看護認定看護師)と、松土裕子 氏(山梨大学医学部附属病院 がん相談支援センター)は、筆者と同じ教室で、聴講されていた。  質問も頂いた。  真摯な姿には、大いに感激した。  早速、2人に『偉大なるお節介症候群』認定証を授与した。  山梨大学医学部附属病院でも『がん哲学外来・カフェ』が、開設される予感がする!    筆者は、『発がんの連盟的首位性 〜 Genotype, Phenotype, Dramatype 「適時診断と的確治療」〜』として、「初期条件がある範囲にあると、初期の変異が経時的変化とともに分子の相互作用によって、様々に拡大し、将来予測が不可能になる。  これは初期のわずかの変異で大きな効果が出ることを意味する。  非平衡状態にあり外部と相互作用する開かれた複雑系では、初期状態(Genotype)が同じでも、外部から、意識的に適時に介入すれば、ある特異点(Phenotype)で分岐し 多様性のある制御(Dramatype)が可能になるはずである。  病気は Dramatype なる故に、予防、治療が成立する。

第202回 偉大なるお節介〜 現場でのチームワーク 〜

 2021年6月7日「クラブハウス」(ゆい訪問看護ステーションに於いて)に赴いた。参加者と有意義な会話の時であった。  今回は、最新の『週刊 医学界新聞』(第3423号)の特集『医療者が がん教育にかかわる意義とは』で、『地域を健康にする“鍵”は子どもたち』を掲載されていた 川越正平 先生(あおぞら診療所 院長、松戸市医師会 副会長)も、クラブハウスに登場され、久しぶりに お声を拝聴でき、大変嬉しかった。  次回の「クラブハウス」は、7月5日とのことである。  6月8日 順天堂大学 保健医療学部 理学療法学科『病理学概論』(14:50〜16:20; 御茶の水センタービル801教室)、6月9日は、順天堂大学 保健医療学部 診療放射線学科『病理学概論』(13:10〜14:40; 御茶の水センタービル601教室)に赴いた。  教科書『カラーで学べる病理学』の『再生と修復』&『循環障害』の授業を行なった。  その後、順天堂大学 保健医療学部 診療放射線学科『がん医療科学』(14:50〜16:20)では、『がん哲学』(to be出版、EDITEX)から、 「がん哲学」の気概 〜 ミクロの世界でマクロの世界を思う 〜 「天寿がん」の時代に向けて 〜 名詞の世界から形容詞の世界へ 〜 「ミクロの世界の知恵」〜「がん哲学」の提唱 〜 「ゲノム時代の到来」〜 人は宇宙を内包する 〜 「クローン時代を迎えて 〜 遺伝子ですべては決定されない 〜 「倫理と慣れ?」〜 実例先行 〜 「がん化を左右する境遇」〜 環境が大きく作用 〜 を音読しながら、進めた。  毎回、誠実に、授業の準備をしてくださっている 保健医療学部事務室の小熊さや 氏に 今回、『偉大なるお節介症候群』認定証を授与した。  教育は、現場でのチームワークであることを実感する日々である。 貴殿は以下の診断基準を満たしたため、ここに認定いたします。 一、 暇げな風貌 二、 偉大なるお節介 三、 速効性と英断  夜は、順天堂大学 大学院 修士課程講義(19:45〜21:45;センチュリータワー北4階406教室)『環境因子 と がん』を行なった。  真摯な質問が多数あり、大変有意義な時であった。

第201回 『教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔き』 〜 『自らの強みを基盤にする』 〜

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 順天堂大学 保健医療学部 理学療法学科の対面授業「病理学論」に赴いた。  病理学の「理念、使命、社会貢献」を語った(下記)。 理念:「世界の動向を見極めつつ 歴史を通して今を見ていく」 使命:『俯瞰的に「人間」を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材の育成』 社会貢献:『複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔き』  癌の理解の道は、{「最初に、正常細胞の変化したものとして 正常との比較においてこれをみる。  次には、癌細胞同士を比較する。」であり、『がん病理学』は「がん」に関しての学問で、『形態』、『起源』、『進展』などを追求する学問分野である。  当然 がん研究者だけのものでなく、一般社会の人々の為の学問でもある。  がん病理学者が『がん』をどの様に考えるかは、とても大切なことである。  なぜなら『がん』に対する概念が 世界観、人生観、ひいては日常の決断や行動をも 時には決定するからである。  「がん」の『起源』 と『進展』を学ぶことは、ある意味では人生の意義と目的の『静思』 へとも導くものと考える。  これこそ、『がん病理学者の社会貢献』である。  電子計算機時代だ、宇宙時代だといってみても、人間の身体の出来と、その心情の動きとは、昔も今も変ってはいないのである。   超近代的で合理的といはれる人でも、病気になって、自分の死を考へさせられる時になると、太古の人間にかへる。  その医師に訴へ、医師を見つめる目つきは、超近代的でも合理的でもなくなる。  静かで、淋しく、哀れな、昔ながらの一個の人間にかへるのである。  その時の救いは、頼りになる良医が側にいてくれることである。}(吉田富三)であると述べた。  筆者の「癌学事始」は、山極勝三郎(1863-1930):「類稀な忍耐を持って、日本の独自性を強く主張し、日本の存在を大きく世界に示した」、「段階ごとに辛抱強く丁寧に仕上げていく 最後に立派に完成する」。  吉田富三(1903-1973): 「事に当たっては、考え抜いて日本の持つパワーを充分に発揮して大きな仕事をされた。」  Alfred G. Knudson(1922-2016):「(1)『複雑な問題を焦点を絞り単純化する』、(2)『自らの強みを基盤にする』、(3)『無くてならないものは多くない』、(