投稿

9月, 2023の投稿を表示しています

第350回 寄りそう方法 〜 対話を通して 〜

イメージ
  2023年9月30日10:40〜12:10 早稲田大学エクステンションセンター中野校での講座【ジャンル 人間の探求:がんと生きる哲学 医師との対話を通して『がん』と生きる方法を考える】(09/30,10/07,10/14,10/28,11/18,12/09)に赴く。 6回の連続講座である。 【目標:がんとともに暮らすことを知り、がん患者と対話し、がん患者に寄りそう方法を受講者自らがみつけ、笑顔になることをめざします。 講義概要:『がん哲学』とは、生きることの根源的な意味を考えようとする患者と、がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする医師との対話から生まれました。 日本人の半分ががんになる時代、好むと好まざるとにかかわらず、多くの人ががんと一緒に生きる方法を見つけなければなりません。 授業では教科書の読みあわせと解説をしつつ、受講者とのディスカッションを中心に講義をすすめます。 がんとともに生きている患者さん、がん患者の家族や身近に患者がいる人、医療従事者等のがん患者に寄りそいたいと思うかたすべてが対象です。 テキスト:『もしも突然、がんを告知されたとしたら。』(東洋経済新報社)】と謳われている。  2023年10月13日ICU(国際基督教大学)で、講演【真の国際人】(日英;同時通訳つき)を依頼された。 通訳担当される学生さんの為に、今朝(9月29日)、下記をさりげなく参考までに送った。

第349回 寛大で人を愛する 〜 gentlemanジェントルマンの養成 〜

イメージ
 2023年9月24日『東久留米がん哲学外来』(CAJに於いて)に、wifeと赴いた。   Wifeが、ケーキを作って、参加者にプレセントしてくれた。 筆者は、個人面談の機会が与えられた。 その後、皆様と語り合いの場を持った。 愛情豊かなスタッフの皆様には、ただただ感謝である。 10月22日の『東久留米がん哲学外来15周年記念会』とニュースレター『東久留米がん哲学外来15周年記念によせて』の制作で、大いに話が大いに盛り上がった。 『東久留米がん哲学外来理念』の5ヶ条 ① 自分の力が人の役に立つと思う時は進んでやれ ② 人の欠点を指摘する要はない、 人のあやまちは語るには足らぬ ③ 理由があっても腹を立てぬこそ非凡の人 ④ 感謝は優しき声に表れる ⑤ 心がけにより逆境も順境とされる 『東久留米がん哲学外来の絶対性大原理』 愛がなければ全ては無意味 『東久留米がん哲学外来の真髄』 (1)愛に溢れた雰囲気 (2)静かな口調 (3)にもかかわらず 『東久留米がん哲学外来』の後は、2007年から始めている読書会であった(East Side カフェに於いて)。   今回は、内村鑑三著『代表的日本人』の『中江藤樹 〜 村の先生』の第1章『昔の日本の教育』の箇所を音読しながら進めた。【『真の人間=寛大で人を愛するgentlemanジェントルマンの養成』、『教授vsセンセイ』、『先に生まれたことを意味する=センセイ』、『センセイとデシの関係』、『古いものには、まだ再活用される要素があるのである』】の復学の時となった。 本当に、有意義な充実した時であった。

第348回 『人生から期待される生き方』 〜 『もしかすると このときのために』 〜

イメージ
 2023年9月19日、第106回『がん哲学外来メディカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会に於いて)に赴いた。 佐賀県からも面談に来られた。【『マイナス×マイナス=プラス』&『自分より困っている人を探しに行くんだよ』&『病気であっても病人でない』&『もしかすると このときのために』の樋野先生からいただいた『言葉の処方箋』をかみしめて、背筋を伸ばし晴れ晴れした顔で佐賀に帰っていきました。樋野先生ありがとうございました。】との心温まるメールを頂いた。 メディカル・カフェでは、多数の質問を頂いた。 1)先生は、『人生は最後の5年で決まる』とおっしゃいましたが、それは、常に『今は最後の5年を生きているのだ』と思って生活しなさいということですか。 2)『人生から期待される生き方』をするには、何から始めればよいでしょうか。 3)『コロナのため、外出する機会が減り、運動量も少なくなりました。 自然と身体が衰え、心まで衰えました。 体調が悪く、恐れも加わり、外出もできなくなりました。』こういう人が、元通り外に出て行くために、先生なら、どう言葉を掛けられますか。 4)子どものためのホスピス開設の経緯を書いた本を読んでいます(まだ全部読んでいません)。今、日本に、そのような施設はどのくらいあるのでしょうか。 また海外で、子どもの医療が進んでいる国はどこですか。 5)合わない相手を受け入れるために『我慢』していると、いつか限界が来ます。『我慢』ではなく、本当に心を開いて受け入れるために、何が必要ですか。どうすれば、それができるようになりますか。 6)自分の『死』を受け入れるのも難しいですが、家族や友人、愛する者の『死』を受け入れるのも別の難しさがあると思います。 医療従事者の方が、このような問題について学ぶ機会はあるのでしょうか。 7)相手が固く心を閉ざしているとき、どう寄り添ったらよいですか。 などなど、20を超える真摯な質問を頂いた。 大変、充実した貴重な時が与えられた。

第347回 『遣島使』 〜 『異分野の交流』 〜

イメージ
 この度、最新の【島根と全国の掛け橋『遣島使』】の名刺が島根県 政策企画局 広聴広報課より送られて来た。   思えば、島根県の出雲大社町鵜峠生まれの筆者を『遣島使』に推薦して下さったのは、今は亡き国立がんセンター総長の杉村 隆(1926-2020)先生であった。 また、『異分野の交流をやれ!』と言われたのは、筆者の癌研時代の恩師で、今は亡き癌研の所長の菅野晴夫(1925-2016)先生であった。 御2人は、山形県の出身で、東大の医学部学生時代の総長は南原繁(1889-1974)であった。 南原繁が尊敬した人物は、新渡戸稲造(1862-1933) 内村鑑三(1861-1930)である。  杉村隆先生&菅野晴夫先生との出会いから、筆者の人生において『がん学』&『病理学』&『山極勝三郎(1863-1930)・吉田富三(1903-1973)』に繋がった。 また、菅野晴夫先生に、アメリカの『遺伝性がんの父:Knudson(1922-2016)』のもとへの留学を勧められた。 筆者にとって『不思議な人生の邂逅の流れ』である。  筆者は、今は 廃校となった島根県出雲大社の鵜鷺小学校の卒業式の来賓の挨拶『少年よ、大志を抱け』【1887年札幌農学校のウイリアム・スミス・クラーク(William Smith Clark、1826-1886)博士の言葉】を 強烈に覚えている。 新島襄(1843-1890)は、アメリカのアーモスト大学を卒業し、日本人初の学位を取得している。 アーモスト大学では、後に札幌農学校教頭となるウイリアム・スミス・クラークから授業を受けた。 ウイリアム・スミス・クラークにとっては最初の日本人学生であり、この縁でクラークは来日することとなった。 1872年、新島襄は、アメリカ訪問中の岩倉使節団と会う。 新島襄の語学力に目をつけた木戸孝允(1833-1877)は、通訳者として使節団に参加させた。 密航者として渡米した新島襄であったが、初代の駐米公使となった森有礼(1847 -1889)によって正式な留学生として認可された。 勝海舟(1823-1899)とも出会っている。 『歴史に学ばなければ、歴史が教えにやって来る』を実感する日々である。

第346回 『誠意と思いやりの心』〜『賢明な胆力と心温まる支援』〜

イメージ
 2023年9月13日 新渡戸記念中野総合病院での定例の読書会【新渡戸稲造著『武士道』】に赴く。 今回は、15章『武士道の感化』で、 担当は副院長・内科兼消化器内科部長:山根道雄先生である。  1932年、新渡戸稲造(1862〜1933)、賀川豊彦(1888〜1960)らによって設立された新渡戸記念中野総合病院の理念は、【新渡戸稲造 博士の精神(誠意と思いやりの心)を基にした医療を誠実に実践し、疾病を抱えた人を真心で支援する。】と謳われている。   理事長・病院長:入江徹也先生から『武士道』読書会開催のご連絡を頂いた。【明日9月13日(水)17:00から『武士道』読書会(再開)です。 3年ぶり?になるかもしれません。 今回は第15章『武士道の感化』です。 担当は山根先生にお願いしました。―― 今回は3年ぶり?で、―― 編集会議の皆様、西岡秘書室長、泉医事課長にもご案内しています。 周りの方々にもお声を掛け下さると嬉しいです。―― 気軽に会の様子を見に来て、会の雰囲気を楽しんでください。――高村入退院管理・患者支援センター事務課長にお願いです。 明日の読書会のポスターを作っていただき、今日と明日の2日間ですが、食堂と休憩室に掲示していただければ助かります。 ポスターは樋野先生にも差し上げてください。 宜しくお願いいたします。】との『賢明な胆力のある心温まる』連絡を頂いた。 大いに感銘した。 【「樋野興夫新渡戸稲造記念センター長を囲んで、新渡戸稲造先生をより深く理解するために『武士道』」の読書会(輪読会)を開催いたします。 今回は第5章 武士道の感化を予定しております。】とチラシに記載されている。 「『東洋と西洋をつなぐ懸け橋』(新渡戸稲造) vs 『医療と患者をつなぐ懸け橋』(新渡戸記念中野総合病院) 『右にも寄らず、左にも寄らず、真ん中の細い道を歩く』= 『懸け橋』の実践である!【新渡戸記念中野総合病院】の時代的出番を痛感する日々である。

第345回 『人生の壁を破る言葉』 〜 『生きていく手助け』 〜

イメージ
 この度(2023年9月)、新渡戸稲造(1862-1933)没90年記念として筆者の【新渡戸稲造の「人生の壁を破る言葉」】(三笠書房)が、発売されることになった。  【はじめに】に【私は2008年に順天堂大学医学部附属順天堂医院で『がん哲学外来』を開設し、以来、がんにまつわるさまざまな悩みの解消に つとめてきました。がん患者さんの声に耳を傾け、苦しみを和らげるのが目的です。それ以後、この動きは全国に広がり、私自身は、5000人以上の患者さんやそのご家族と面談してきました。『がん哲学外来』をはじめたのは、私が がんの研究をする病理学者である以上に、『新渡戸稲造の言葉』に深い共感を覚えたからです。私が 面談者に差し上げる『言葉の処方箋』は、新渡戸稲造を筆頭に私が尊敬する人物から学んだ『人生哲学のエッセンス』であり、それが私の生きる基軸にもなっています。だからこそ その処方箋を、病気に悩み、苦しむ人にわけたいと願って、この活動をはじめました。私は以前、『われ21世紀の新渡戸とならん』(2003年、e-grape)という本を書きました。― そして、新渡戸稲造が 『東洋と西洋をつなぐ 架け橋』になることを願ったように、『医療とがん患者をつなぐ 架け橋』を築くことが私の使命だと、思いを新たにしています。本書は、そんな思いのもと、私が感銘を受けた『新渡戸稲造の言葉』をひもといてみたものです。―  がんに限らず、人生には幾多の苦難がつきものです。『新渡戸稲造の言葉』は、困難に直面して立ち止まっている人、逆境にはまって必死にもがいている、そんな人たちに大きな勇気を与えてくれます。そこには人間が自分の人生を、自信を持って力強く生きていくための 知恵がたくさん詰まっています。そんな『新渡戸稲造の言葉』は、どんな人でも直面する悩みや悲しみを癒し、苦難や逆境を乗り越え、〝よき人生〞を過ごす糧を与えてくれるものです。― 】と記載してある。  【参考文献】として、『運命を拓きゆく者へ』(新渡戸稲造/実業之日本社)&『逆境を超えてゆく者へ』(新渡戸稲造/実業之日本社) &『内観外望』(新渡戸稲造/実業之日本社)&『武士道』(新渡戸稲造・矢内原忠雄訳/岩波文庫)などから引用してある。本書が『生きていく手助け』になれば幸いである。

第344回 『真の国際人の育成』 〜 『多様なニーズに対応する』 〜

 2023年9月4日、筆者は、新渡戸稲造記念センターから、【令和5年度理事長会議(日本私立大学連盟)】(アルカディア市ヶ谷に於いて)に向かった。  講演①は、文部科学省高等教育局私学部長 寺門成真氏の『私立学校法改正とこれからの私立大学』(下記)であった。 1.私立学校法改正について 2.教育未来創造会議について 3.中央教育審議会大学分科会について 4.成長分野をけん引する大学・高専の機能強化に向けた基金による継続的支援について 5.せかい×まなびのプランについて 6.令和6年度概算要求について  今回、文部科学省 高等教育局医学教育課時代の寺門成真氏と2015年『全国がんプロ協議会総会』でお逢いしたのが、鮮明に思い出された。【わが国のがん医療を担う人材不足を解決するために,2007〜2011年の5 年間にがんプロフェッショナル養成プラン(第1期がんプロ〜がん医療専門人材の養成事業を行い〜)が,さらなる養成が必要であると2012〜2016年の5年間にがんプロフェッショナル養成基盤推進プラン(第2期がんプロ)が実施された。 2017年から第3期がんプロとして,『多様な新ニーズに対応するがん専門医療人材養成プラン』が始まる予定で,ゲノム医療従事者,希少がん・小児がんに対応する医療人材,ライフステージに応じたがん対策を推進する人材の養成が加わり,さらに多様な人材育成が期待される。】と謳われていた。  筆者は、質疑の時間、【日本国の全国大学で、『9月入学』を公的に認めて頂ければ、International School生徒、海外留学生、『バイリンガル』の生徒にとっても大変良い。『真の国際人の育成』にもなる】と さりげなくお願いした。  講演②は『令和5年私立学校法改正対応の実務ポイント』小國隆輔氏(弁護士)であった。 講演後は、大変有意義な充実した貴重なグループ討議であった。