第557回 『医師は生涯書生である』〜『丁寧な観察力の修練の場』〜
2026年6月24日 東久留米市立第二小学校第6年生の授業『がん教育』に赴いた。 真摯な生徒の多数の質問には、大いに感動した。 大変有意義な充実した貴重な時間となった。 その後、順天堂大学に寄ってから、『新渡戸稲造記念センター in 新渡戸記念中野総合病院』に赴いた。 2019年3月 順天堂大学病理・腫瘍学教授を定年退職して名誉教授を拝命した翌月、『新渡戸稲造記念センター』が設立され、センター長に就任し『がん哲学外来』が定期的に開催されている新渡戸記念中野総合病院での第556回内科CPC(Clinico-Pathological Conference)に出席した。日々勉強である。 【『新渡戸稲造記念センター』は、東京医療利用組合(現・東京医療生活協同組合)の初代組合長(理事長)である新渡戸稲造(1862-1933)博士の志(こころざし)を 日本の国内外へ広め、実践する拠点となります。 そして『がん哲学外来 in 新渡戸稲造記念センター』が開設される運びとなった。】と謳われている。 歴史的大事業を実感する。 ただただ感謝である。 CPCとは,【剖検例の肉眼的,顕微鏡的病理所見と臨床所見との関連について双方の立場から意見交換をし,詳細な病態および死因の解明に向けて検討を行うものである】と紹介されている。 病理学者の筆者にとっては、原点でもある臨床医、病理医、臨床研修医との症例の学びの時であった。 臨床研修医の真摯な質問には感激した。 まさに、CPCは、『医師は生涯書生である』の修練の場である。 筆者にとっては、CPCは、癌研時代からの病理医の原点である。 毎日 顕微鏡で細胞を診て、病理組織診断と病理解剖に専念したものである。『丁寧な観察力の修練の場』であった。 病理組織診断業務は、『顕微鏡を見て病気を診断する = 森を診て木の皮まで診る』実践である。 誤診は許されない厳粛な場である。『がん細胞の病理』と『人間社会の病理』の類似性が、2001年の『がん哲学』の提唱の原点となった。 つまり、【『がんは生物学の法則』+『哲学は人間学の法則』=『がん哲学』】である。 病理組織診断業務は、今でも定期的に続けている。 そして、2008年 順天堂大学病院で【『病気』であっても『病人』ではない社会の構築】を目指して『がん哲学外来 = 言葉の処方箋』が開設された。『...