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第227回「新・代表的日本人」の資格〜 「Vision, Passion, Mission」を語る 〜

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  2021年12月1日「東中野キングス・ガーデン」を訪問した。 「東中野キングス・ガーデン」で「がん哲学外来 東中野メディカルカフェ」が開設されて、今年(2021年)は5周年とのことである。 代表の奥山寧 氏が、この度「中野がんカフェ連絡会」を設立された。 来年(2022年)は、新渡戸稲造(1862−1933)生誕160周年記念に合わせて、合同(「がん哲学外来白鷺メディカル・カフェ」、「東京医療生活協同組合 新渡戸記念中野総合病院 がん哲学外来」、「がん哲学堂カフェ」、「がん哲学外来 東中野メディカルカフェ」)の『「中野がんカフェ連絡会」設立記念 〜 新渡戸稲造生誕160周年記念 〜』シンポジウムが開催される予感がする。  1932年、東京医療生活協同組合が設立され 初代の理事長は新渡戸稲造である。 新渡戸稲造は1933年、理事長在職中に、カナダのバンクーバーで逝去した。 筆者は、新渡戸稲造生誕150周年記念(2012年)で、息子が、バンクーバーのUBC大学(The University of British Columbia)に入学した当時 バンクーバーを訪問した。 思えば、筆者は2005年に,国際癌学会議(オスロ)の招待講演(ウィルス肝炎性肝癌),フィラデルフィアでの講演(遺伝性腎癌)さらにバンクーバーのBritish Columbia大学にある新渡戸記念庭園を訪問する機会が与えられた。 まさに「過渡期の指導原理と新時代の形成力」の探究の旅であった。 飛行機の中では,英文で書かれ,現在でも世界に誇る名著とうたわれる 新渡戸稲造 著『武士道』(1899年)& 内村鑑三(1861−1930) 著『代表的日本人』を熟読玩味する時でもあった。  あらゆる分野におけるトップの品性,人格が近頃盛んに問題にされている社会状況にあって,「現代教養としての専門性とその裾野としての教養」を考えるタイムリーな時ではなかろうか! 何かと気ぜわしい現代,あらゆる分野で閉塞感が漂う時代において,じっくりと深く「静思」することは,学問,人生の胆力と「Vision, Passion, Mission」を語るためにも大切であると考える。 筆者は『新・代表的日本人』なる本をいつか書いてみたいと密かに夢見るものである。『新・代表的日本人』の資格として,次の4条件を挙げたい。 1.幅の広い

第226回 『人間社会の病理』 〜 「世界観、人生観、決断・行動力」 〜

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 2021年11月22日 千葉市にある東京情報大学看護学部1年のZoom授業『病理学』に赴いた。 筆者は、今年度は、計11コマの授業を担当する機会が与えられた。  10コマ目の1限目:9:15〜10:45 amの授業を終えてから、11コマ目の2限目:10:55〜12:25 amは、試験を行った。 試験問題は、「教科書」から10コマの学習内容の10課題(下記)を出し、「4つ選んで A4 1枚に記述せよ!」との記述試験を行った。 1) 代謝性アスドーシスの原因を4つ挙げ説明せよ! 2) 血栓症と塞栓症の違いを述べ、代表的疾患を挙げよ! 3) 炎症と修復の過程を病理学的に説明せよ! 4) 免疫疾患を分類し、代表的疾患を挙げよ! 5) ウイルス、細菌について説明し、代表的疾患を挙げよ! 6) アポトーシスとは何かを説明せよ! 7) 良性腫瘍、悪性腫瘍、癌腫、肉腫とは何かを説明せよ! 8) 染色体疾患と遺伝性疾患を区別し、代表的疾患を挙げよ! 9) 健常人の血糖調節機序を説明せよ! 10) 咳嗽、喀痰、喀血、吐血の違いを説明せよ!  コロナ時代、今回の全授業はZoomであり、学生との直接対面は出来なかったが、約100人の学生の提出回答を拝読するのが楽しみである。 『病理学』は、「森(マクロ)を診て 木の皮(ミクロ)まで診る」学問であり、『病気』の『形態』、『起源』、『進展』などを追求する分野である。 『病気』をどの様に考えるかは、とても大切なことである。 なぜなら『病気』に対する概念が世界観、人生観、ひいては日常の決断や行動をも時には決定するからである。 『病気』の『起源』と『進展』を学ぶことは、ある意味では人生の意義と目的の『静思』 へとも導くものと考える。「純度の高い専門性と幅の広い社会性の獲得」の修練であり、 まさに、『人間社会の病理』の具象的な認識の場である。 これこそ、『病理学者の社会貢献』 であろう。  2021年11月23日祝日(勤労感謝の日)の夕方、wifeと落合川を散策し 鳥、魚を見ながら、wifeのアメリカの友人宅の庭での、バーベキューに参加した。 久しぶりのバーベキューで、アメリカ時代が鮮明に蘇ってきた。 『心のspring water(湧き水)』の体験の日々である。

第225回 共同体の理想像 〜 使命に燃える集団の構築 〜

  2021年11月15日、筆者が理事長を務める、 新渡戸稲造(1862-1933)の弟子でもある河井 道(1877-1953)が 設立した「恵泉女学園中学・高等学校」(東京都世田谷区)に赴いた。 相談室で、スクールカウンセラー、看護教論と面談した。 皆様の真摯な姿勢には 大いに感動した。 『河井道記念Medical Café in恵泉』が開設されたら「教育の時代的意義」でもあり 歴史的快挙となろう! その後、Zoom学園学校会議に出席した。 教員の熱意には感激した。 充実した時であった。  2021年11月16日、センター長を務めている新渡戸稲造記念センター(新渡戸記念中野総合病院)から、『高松宮妃癌研究基金 杉村 隆先生(1926-2020)追悼記念講演会』(パレスホテル東京)に直行した。 組織委員長 若林敬二 先生(高松宮妃癌研究基金学術委員、静岡県立大学特任教授)、高松宮妃癌研究基金学術委員長 上田龍三 先生の働きには、感服した。 午前中は、中釜 斉 先生(国立がん研究センター 理事長)の進行で、 1. 黙とう 2. 開会挨拶高松宮妃癌研究基金理事長 関谷剛男 先生 3. ビデオメッセージ AACR Chief Executive Officer Dr. Margaret Foti:“Dr. Sugimura, a very special friend to the AACR” 4. 杉村 隆先生の足跡―杉村先生との研究― ・若林敬二 先生:杉村 隆先生の研究歴、概要 ・高山昭三 先生:杉村 隆先生と1957年頃から共に過ごした―大塚癌研― ・西村 暹 先生:65年の公私にわたるお付き合い:先生への感謝 のプログラムであった。 日々勉強である。  昼食会は、参加者との久しぶりの出会いであり 楽しいひと時であった。 午後は、所用が入り、退席した。 思えば、筆者は、1999年 第30回 高松宮妃癌研究基金国際シンポジウム『動物モデルを用いた発がん機構研究の最前線』を企画し、さらに2002年 第32回 高松宮妃癌研究基金学術賞『遺伝性腎がんラットの発がん分子機構』を頂いたのが、鮮明に思い出された。 これも偏に、杉村 隆 先生との出会いであろう! 2008年 筆者が開始した『がん哲学外来』も背中から後押し頂いたことは、忘れ得ぬ生涯の邂逅である。 そ

第224回 心の拠り所 〜 更に広める 〜

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 2021年11月8日(月)東京情報大学看護学部(千葉県千葉市)でのZoom授業『病理学』に赴いた。 今回は、『腫瘍と過形成』、『先天異常』、『代謝異常』について講義した。  約100名の学生が、出席していた。 真摯に教科書を音読する学生の姿勢には、大いに感動した。「がん哲学カフェも、情報大で開催できるように準備を進めています。」 とのメールを小島善和 教授から、メールを頂いた。 感激した。  2021年11月9日、筆者が理事長を務める「恵泉女学園中学・高等学校」(東京都世田谷区)の英語 & 英会話の授業を参観した。 レベルの高い英語力のある生徒の姿には、感銘した。 「本日の授業見学を有難うございました。 急な見学に発表する生徒達はドギマギしておりましたが、もう少し間違いを恐れず発表できるように励ましていきたいです。 英語の先生方は 基礎からしっかり授業で伸ばしてくれていると思います。」 と 本山早苗 校長から 教育者としての力強いメールが届いた。  アメリカのニューヨークから全米の日本人向けのウェビナー講演『がん哲学外来 〜 患者をとりまく心のケア2021 〜』の依頼が届いた。「11月に入り、ニューヨークは冬時間となりました。― 3部構成で、1部に 樋野先生にお話をしていただき、2部と3部は 進行の方に質問を読んでいただき、樋野先生と私で ご質問に対する答えを会話形式でお答えしていけたらと思っております。――」、「私もアメリカで がん治療を受ける日本人の患者さんへの心の拠り所を、更に広めるお手伝いができたら幸いです。」 とのことである。 まさに、日本産である『がん哲学外来・カフェ』の海外輸出の到来であろうか!

第223回 「心に木を植える」 〜 清々しい胆力 〜

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 2021年11月1日(月)、東京情報大学(千葉県千葉市)でZoom授業『病理学』に赴いた。 今回は、『感染』、『変性・壊死・萎縮・老化』、『腫瘍と過形成』について講義した。  真摯に教科書を音読する学生の姿勢には、大いに感動した。  いつか、対面でも風貌を見たいものである。    2021年11月2日午前、理事長を務める「恵泉女学園」(東京都世田谷区)の「創立92周年記念式」に出席した。  筆者は、挨拶、永年勤続者表彰、名誉理事長贈呈を行う機会が与えられた。  宮城県気仙沼の畠山重篤 先生(NPO法人 森は海の恋人 理事長)の記念講演『森は海の恋人 〜 人の心に木を植える 〜』は、大変勉強になった。  2021年11月3日(文化の日)は、恵泉デーに参加した。  「課外オーケストラ」、「中学ダンスクラブ」、「チアリーディング クラブ」を観賞した。  中学生・高校生の熱意溢れる活躍には、心が癒された。  2021年11月2日午後は、第18回南原繁シンポジウム(主催:南原繁研究会、後援:岩波書店、学士会、東京大学出版会、公共哲学ネットワーク)(学士会館に於いて)に赴いた。  今回のテーマは、『南原繁における学問と政治 〜 南原政治哲学を読み直す 〜』であった。   筆者は、南原繁研究会 代表として『開会挨拶』を行った。   ”南原繁が東大総長時代の法学部と医学部の学生であった2人の恩師から、南原繁の風貌、人となりを直接うかがうことが出来た。  南原繁は、「高度な専門知識と幅広い教養」を兼ね備えている人物であり、『視野狭窄にならず、複眼の思考を持ち、教養を深め、時代を読む「具眼の士」』である。  『教養ある人間とは、「自分のあらゆる行動に 普遍性の烙印を押すこと」であり、「自己の特殊性を放棄して 普遍的な原則に従って行為する人間」のことである。  それは 人間の直接的な衝動や熱情によって行動する代りに、つねに 理論的な態度をとるように訓練されることである。』{南原繁著作集第3巻より}。「時代を動かすリーダーの清々しい胆力」としての「人間の知恵と洞察とともに、自由にして勇気ある行動」(南原繁著の「新渡戸稲造先生」より)の文章が思い出される今日この頃である。” と語った。  アナウンサー 滝水瞳 氏(元NHKアナウンサー)の品性ある心温まる司会のもと、発表者の「純度の高い専門

第222回 『教育の10か条』 〜 思いやり 〜

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 2021年10月25日、筆者は、理事長を仰せつかっている恵泉女学園の理事会、評議員会に赴いた。  新渡戸稲造(1862~1933)から学んだ河井道(1877~1953)が、初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。  『恵泉』誌を頂いた。  「『わたしのランターン』〜『種を蒔く人になりなさい』〜」は、好評にようである。  『恵泉』誌を拝読された方から、「感動しました」との連絡を頂いた。  特に『教育の10か条』に感銘されたとのことである(下記)。  涙無くして語れない!  ただただ感謝である。 「教育」: 10カ条 1) 世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく 2) 俯瞰的に理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材の育成 3) 複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔き 4) 自分の研究に自信があって、世の流行り廃りに一喜一憂せず、あくせくしない態度 5)軽やかに、そしてものを楽しむ。自らの強みを基盤とする。 6) 学には限りないことをよく知っていて、新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する。 7) 段階ごとに辛抱強く、丁寧に仕上げていく。最後に立派に完成する。 8) 事に当たっては、考え抜いて日本の持つパワーを充分に発揮して大きな仕事をする 9) 自分のオリジナルで流行を作れ! 10) 昔の命題は、今日の命題であり、将来のそれでもある。  まさに、「本質的な人間教育の見直し」の時代的様相である。  新渡戸稲造は、「『最も剛毅なる者は最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なるものである』とは普遍的に真理である。」と述べている。  「他人の苦痛に対する思いやり」は、教育の根本であろう。

第221回 人生というステージ 〜 新しい事をする 〜

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 2021年10月16日の秋田大学での第4回「日本メディカルビレッジ学会」にオンライン参加された、千葉県在住の息子さんが医師である お母様から、 『メディカルビレッジの3つの支え「医療介護支援・生活支援・旅立ち支援」というコンセプトが 現実のものとなっていくには、フラットな対話が今後さらに必要だと思わされました。  最後に 樋野先生がおっしゃっていた医療維新という言葉に 共感いたしました。』 との 大いに勇気付けられる 感動的なメールが届いた。  「見よ。わたしは新しい事をする。  今、もうそれが起ころうとしている。」(イザヤ43章19節)の『言葉の処方箋』も頂いた。  この度、『週刊現代』2021年10月23日・30号167頁(発売2021年10月18日)に 筆者の言葉が記載されていたと、森尚子 氏(目白がん哲学外来カフェ 代表)から記事が送られてきた。  また、福原俊二郎 氏 (柏がん哲学外来 スタッフ)からは、[樋野興夫先生の記事:順天堂大学名誉教授で新渡戸稲造記念センター長の樋野興夫氏が語る。  「所詮、私たちには死ぬときに畳一枚ほどの墓場しか残らない。  当たり前の話ですが、医者だってすべてを見通せているはずがありません。  全摘をしたほうがいいか、他の治療法を選んだほうがいいかは、確率論なのです。  100%の確信があって患者に治療方針を提示しているわけではない。  たしかに、がんを見つけるなり切ろうとする医者は大勢います。  それは日本に昔からある、『外科偏重』のあらわれでもある。  いつも医者が正しい道を示してくれるわけではありません。  患者も医者の言葉を鵜呑みにせず、ときには拒否することも必要なのです。  ※この樋野興夫先生の記事は、週刊現代30号の「小倉智昭氏の『決断』について考える…あなたは、医者の言葉をどこまで聞くべきか」の部分に掲載された文章です。]との親切なメールが届いた。  ただただ感謝である。  また、読者からは『「週刊現代」の記事を拝読いたしました。  樋野先生の言葉の処方箋「馬から降りて花を見る」を思い出します。  自分の価値観や考え以外の視点をもつことの大切さを考え、反省しつつ読ませていただきました。』、[『週刊現代』10/18発売号に、樋野先生の談話記事掲載あり、拝見しました。  TVキャスター・小倉智昭氏のがんについての記