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第79回   賢明な胆力 〜 不思議な出会いの連続 〜

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  この度 、東京土建 国民健康保健組合から、 講演『「アスベスト・中皮腫外来」から「がん哲学外来」へ 展開 〜 時代の後押し 〜』を依頼された(下記 )。   思えば、筆者は、2005年、クボタショックの年、順天堂医院で、「アスベスト・中皮腫 外来」開設する機会が与えられた。   毎日新聞、読売新聞、朝日新聞  etc  にも大きく記事が報道されたことを記憶している。   「 アスベスト・中皮腫外来 推進委員会 」も立ち上がり、筆者は委員長を仰せつかっている。 「アスベスト・中皮腫外来」 は、  2005年8月〜2018年12月 の時点で、 初診数 1339人、再診 数  5319人、 合計  6655人 の受診である。順天堂大学の「賢明な胆力」によろう。  先日の市民公開シンポジウム『 アスベスト・中皮腫外来の歩み since 2005 』の冊子 『日本発のアスベスト・中皮腫外来の15年の歩み & 環境がん・公害病 難治性中皮腫の 新規治療法開発を目指して!(仮)』 が出版されることが、昨日決定された。  歴史的記念誌 になろう ! 先日の日米がん会議での、 筆者 の発表は、「Environmental pollution related disease and biomarker development for screening and early diagnosis of asbestos-related mesothelioma」 で あった 。  新渡戸稲造は、国際連盟事務次長時代に、「知的協力委員会」を構成し、知的対話を行った。後のユネスコである。そのメンバー中には、当時の最高の頭脳を代表するアインシュタイン、キュリー夫人もいたことは   特記すべきことである。今こそ   国際貢献として、「21世紀の知的協力委員会」の再興の時ではなかろうか。 地球規模での「アスベスト・中皮腫」の予防・早期発見・治療法の開発は、「21世紀の知的協力委員会」の   大きな務めの1つ ではなかろうか!  筆者は、 10 年以上前の ある新聞記事で、 『「変わり者」でなく「変わり種」』と、紹介されたことがある。「変わり種」は 「からし種」の如く   とのことである。   今年の 3月7日の誕生日に、『種を蒔く人になりなさい』 ( いのちの

第78回 走馬燈のように甦る 〜 種を蒔く〜

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  第11回日米癌合同会議(2019年2月8日~2月12日;ウェスティン・マウイ、ハワイ) に出席した。 今回の世話人は 、 中釜 斉  先生 (国立がん研究センター)と José Baselga 博士(Memorial Sloan Kettering Cancer Center, USA) であった。 本会議は 、 3年に一度、日本癌学会とアメリカ癌学会の共催により開催されるもので ある 。今回 のテーマ は 、 “Breakthroughs in   Cancer Research: Biology to Precision Medicine”  であった。 筆者は、「 Environmental pollution related disease and biomarker development for screening and early diagnosis of asbestos-related mesothelioma 」を、発表する機会が与えられた。「 Since the 1880s, approximately 60 environmental pollution incidents have occurred across Japan.   ——— Among such diseases, the recent and still progressing disease is mesothelioma, which is mainly caused by exposure to asbestos.  ——— 」と紹介した。日本国は、 1880 年代から、公害病が、約 60 種類あることを、記憶に   とどめることは、科学者としての責務であろう。 まさに「 最先端のがん研究の成果発表 と 情報交換 」の時となった。 思えば、第1回は、 1989 年( ホノルルに於いて) であり、アメリカのフィラデルフィアに留学中に、  wife と参加した記憶がある。   30年前の   人生の良き想い出が、走馬燈のように甦った。3月15日、都内では、市民公開「医療講座  :  種を蒔く人   〜   がん哲学エッセンス   〜」が企画されている( 下記)。乞うご期待である。

第77回 「多様な新ニーズに対応する がん専門医療人材「がんプロフェショナル」養成

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 文部科学省『多様な新ニーズに対応する がん専門医療人材「がんプロフェショナル」養成プラン』平成 30 年度全国がんプロ協議会教育合同フォーラム』(東京大学医科学研究所に於いて)に出席した。櫻井晃洋先生(札幌医大教授)・石岡千加史先生(東北大学教授)の総合司会の下、文部科学省高等教育局医学教育課、厚生労働省健康局・疾病対策課からも挨拶をされた。主催された、全国がんプロ協議会会長:松浦成昭先生、大阪大学医学系研究科保健学専攻の「がんプロフェッショナル事務局」の熱意と真摯な もてなしには、大いに感動した。  基調講演「日本におけるがんゲノム医療体制の構築」(国立がん研究センター長:間野博行先生)、「がんゲノム医療のための人材育成」(近畿大学医学部教授:西尾和人先生)、午後からの『がんゲノム医療トピックス:がんゲノム医療におけるデータベースの活用・がんゲノム医療における病理学・がんゲノム医療と生殖細胞系列バリアント』、『がんプロ拠点からの報告:東北がんプロ「とうほく次世代がんプロ養成プラン」・筑波がんプロ「関東がん専門医療人養成拠点」・東京医科歯科大がんプロ「未来がん医療プロフェショナル養成プラン」・北信がんプロ「超少子高齢化地域での先進的がん医療人養成」・京大がんプロ「高度がん医療を先導するがん医療人養成」』は大変勉強になった。  筆者は、アドバイザーとして、講評の機会が与えられた。会場には、長與又郎の銅像があるので、  『日本の病理の特徴「総合的共同研究:一つの問題を 多くの研究者が 多方面を分担して 総合的共同研究に 努めつつある。 重大な問題に関して一教室、一研究所のみならず 全国の教室、研究所が 互いに連絡をとり 相寄り相助けて 問題の解決に努めつつあることは、我が病理学会の美風であります。 此の点は 誇りに足るところであります。」』(長與 又郎 1921 年:日本病理学会総会会長の挨拶)  を紹介した。また、『医療者の2つの使命:学者的な面・患者と温かい人間としての関係』、さらに、『病気(がん)も 単なる個性である』&『病気であっても 病人ではない』も語った。これこそ、『多様な新ニーズに対応する がん専門医療人材「がんプロフェショナル」養成プラン』の基本的理念ではなかろうか! まさに『 すべての始まりは「人材」である』。

第76回 市民公開シンポジウム「アスベスト・中皮腫外来の歩み since 2005」の胆力

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 市民公開シンポジウム「アスベスト・中皮腫外来の歩み  since 2005 」が開催された  ( 主催:アスベスト・中皮腫外来推進員会 /  共催:順天堂大学 /  後援:文京区、毎日新聞、朝日新聞 /  助成:文部科学省学術研究助成金 挑戦的萌芽研究 /  協賛:国立研究開発法人 日本医療研究開発機構、免疫生物研究所( IBL ) 、 順天堂大学に於いて)。総合司会:増田美加 氏(医療ジャーナリスト)、座長:伝田香里先生(順天堂大学 /  医学教育研究室)のもと、塩見   和 先生(北里大学病院 /  呼吸器外科)の講演「アスベスト・中皮腫の歴史」、朝尾哲彦 先生(順天堂大学 /  呼吸器内科)の講演「胸膜中皮腫の内科治療」、飯田智子 氏(看護師)の講演「中皮腫外来の現状、リサーチナースの役割について」、葛西好美 氏(東京情報大学 /  看護学部)が、発表された。「アスベスト・中皮腫外来推進員会」委員長でもある筆者は、入村達郎 先生(順天堂大学 /  難病の診断と治療研究センター)の座長のもと、講演「中皮腫外来の使命とがん教育」の機会が与えられた。会場は、多数の参加者で 大いに感激した。人生の良き想い出となった。  思えば、筆者は、 2005 年、クボタショックの年、順天堂医院で、『アスベスト・中皮腫 外来』を開設する機会が与えられた。開設の機会を 与えてくださった小川秀興 理事長の「先見性 と 賢明な寛容」には、感謝である。 21 世紀は「環境発がん 〜 アスベスト・中皮腫 〜」で、日本国は世界に貢献する時であろう。「新しいことにも 自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって 努力している」イメージである。まさに、「未来への懸け橋」である   。病気の根幹を追求しようとする「 the study of the diseased tissues 」を機軸とし、『原因論』を明確にし、『制御』の根拠を示し、『進展阻止』の実際を示す ことであると考える。『アスベスト・中皮腫 外来』の使命は、「研究」・「治療」・「がん教育」の推進でもある。( 1 )診断(発症前診断、早期発見)、( 2 )予防(発症を遅らせるなど)、( 3 )治療(分子標的治療、抗体治療など)のモデルにもなろう。  「がん学者」の2つの使命は、『最先端の診断・治療』を身に付けた「学