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第152回 「コロナ時代の教養」〜 「質の高い決断」 〜

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 山梨大学医学部の DVD 講義「 特別講義」が行われた。 「学生 109 名の感想文を読み、先生の動画が 山梨大学の学生に通常の講義とは全く違った次元の非常に強い影響を 与えたことがよくわかりました。」 、「樋野先生の特別講義( DVD 配信)が無事おわりました。学生さん 109 名から感想が 寄せられましたので添付いたします。来年はまた是非山梨にお越しいただき特別講義をお願いしたいと考えております。」との大変心温まるメールを頂いた。 全員の感想文を拝読した。学生の熱意には、大いに感動した。東京医科歯科大学大学院保健衛生学研究科 がんエンドオブライフケア看護学「緩和ケア看護学Ⅱ」を山梨大学に送って頂いたようである。  翌日は、島根大学医学部の Web 授業であった。 143 人の学生の出席で、多数の質問があり大いに感動した。 「 今日は御世話になりました。動画教材もうまく録画できました。― 学生に手伝ってもらって きちんとした字幕にしたいと思います。何人か聴覚障害などの障害を持つ学生がおり、―」とのメールを頂いた。  2 ヶ月ぶりに 「がん哲学メディカル・カフェ@よどばし」 が、 広々とした会場で、感染症対策のルールに従い 再開された。 『星の王子さま』の現代的意義=「共感と共鳴」、「コロナ時代の教養」について語った。 「目白がん哲学外来カフェ」の代表:森 尚子氏から写真が 届いた(下)。  早速、「 この状況下 講話の時を頂き感謝致します。見えないものの中には 大切なものがあるのですね、王子様から学びました。― 質問も多く大変有意義な時間でした。 コロナ禍の今日の一日が 一生の思い出にもなります。」とのコメントを頂いた。

第151回 「平原 vs 山嶽」 〜 「いろいろの意見を 努めて聴く」 〜

 柏地域医療連携センターでの『がん哲学外来』の後、筆者は、順天堂大学 保健医療学部 診療放射線学科 での Zoom 授業 3時限目『病理学概論』、4時限目『がん医療科学』に向かった。 学生から「学生時代にどの本を読めば良いですか?」とのユーモア (you more) 溢れる質問を頂いた。   真摯な学生の態度には、大いに感動した。 筆者は、内村鑑三 著『代表的日本人』 (1908 年 )( 鈴木範久 訳) & 新渡戸稲造 著『武士道』 (1899 年 )( 矢内原忠雄 訳) の2冊   を さりげなく紹介した。 思えば 筆者にとっては、 2007 年 12 月 9 日 インターナショナル スクール (CAJ) のキャンパスでの 読書会が 原点である。 今も、毎月 交互に、この2冊の 読書会を 継続している。今月は、内村鑑三 著『代表的日本人』である。 80 歳代の元看護師が、担当とのことである。  内村鑑三 (1861-1930) も、新渡戸稲造 (1862-1933) も 英語で、それぞれ『代表的日本人』 & 『武士道』を 書いている。 驚きである。 英語で、日本(人)を 深く、広く、丁寧に 海外に紹介出来た人物は、『茶の本』を 英語で書いた岡倉天心 の 3人 ではなかろうか!   この3人は、 「英語力 と 教養」を備えた 明治以降の 日本が誇れる 人物である。 学生時代に 英語版を読む習慣を身に付けることは、大変重要であろう! 「理念を持って 現実に向かい、現実の中に 理念を問う 国際人の育成」の実践の場 ともなろう!  今年から、新渡戸記念 中野総合病院でも 新渡戸稲造 著『武士道』(矢内原忠雄訳)の読書会が 開催される こととなった。 理事長 & 病院長の胆力には、ただただ感服である。 今日の箇所は、第2章『武士道の淵源』である。 担当は、 事務局長 と 看護部長である。 「いろいろの意見を 努めて聴く」(新渡戸稲造)ことは、医療従事者にとっては、大切なことであろう! まさに、「偉大なる多様性 = 平原 vs 山 嶽 の違い」の学びである。「個性なき vs 個性溢れる」病院の違いは、今後の時代的課題となろう! 『病理学』とは、「風貌を診て、心まで診る」学問分野でもある。まさに「個性 と 多様性」の学

第150回 『爆睡症候群』 〜 存在自体が周囲を明るくする & 楽観的に物事を考える 〜

 今、コロナ対策で、「専門家会議」の役割も問われているようである。 そんな 時期『 21 世紀の知的協力委員会』が 鮮明に蘇ってきた (  21 世紀の 知的協力委員会 - Google Sites   ) 。 新渡戸稲造生誕 150 周記念事業で『 21 世紀の知的協力委員会』設立された (2012 年 ) 。 筆者は、『 21 世紀の知的協力委員会』議長を仰せつかった。 20 世紀の『知的協力委員会』(のちのユネスコ)は、新渡戸稲造が、国際連盟事務次長の時 創設した (1922 年)。 議長:ベルグソン、 メンバー:アインシュタイン、キューリー夫人 etc. 12 名   である。  2020 年 12 月 26 日、 27 日、『新渡戸稲造 国際連盟事務次長 就任   (1920 年 ) 100 周年記念』シンポジウムが、『新島襄   没 130 周年、内村鑑三 没 90 周記念 』との合同シンポジウムで、「新島襄 & 内村鑑三」を 生んだ群馬県で、企画されるようである!   実現したら、歴史的大事業であろう!  順天堂大学の Zoom 授業で、「学生時代 どの本を 読めば良いのですか?」 と 真摯に 質問された。 大いに感動した。 コロナ自粛で、自宅で、「読書の時間」が増えている のであろう! 筆者は、新渡戸稲造 著『武士道』、内村鑑三 著『代表的日本人』を 紹介した。 それにしても、通常 筆者の対面授業は、学生の半分以上は 爆睡であるが、 Zoom 授業(約 120 名)では、質問も多数あり、一人も寝ない! 本当に不思議である!   筆者は、『偉大なるお節介症候群』& 『爆笑症候群』&『爆睡症候群』&『気がかり症候群』の認定証を 授与している。『病理学』とは、「風貌を診て、心まで診る」学問分野でもある。まさに「個性と多様性」の学びである。 今回、学生からの 希望があり、 『爆睡症候群』認定証を授与した。 貴殿は以下の診断基準を満たしたため、ここに認定いたします。 1.      存在自体が周囲を明るくする 2.      楽観的に物事を考える 3.      ユーモアと客体化 2020 年 6 月 10 日 樋野KANZO倶楽部 / 新渡戸稲造学校

第149回 リーダーのあるべき姿 〜 「性質の異なった者を 容れるだけの雅量」〜

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コロナ時代、筆者は、順天堂大学 保健医療学部でのZoom授業に参上した。 6月2日「病理学概論:病因と病気〜先天異常・感染症・環境による疾患」(理学療法学科) 6月3日「病理学概論:病因と病気〜先天異常・感染症・環境による疾患」(診療放射線学科) 「がん医療科学:がん細胞の世界から人間社会を語る」(診療放射線学科) 「ありがとうございました。授業は 先生のおかげで 1)Zoom授業 受講 約120名、2)爆睡者 ゼロ、3)質問あり で実施することができました。」と 事務局から 勇気付けられるメールを頂いた。 学生からのユーモア溢れる 大胆な質問には、大爆笑しながら感服した。 まさに、「気が弱ければ 事は成らぬ」(新渡戸稲造)の実習であろう! 授業のモットーは、 1)寛容な心を 知らせる 2)自分の居場所を 見出す 3)優しく 受け入れてくれる 人材育成 「寛容な心を、すべての人に 知らせなさい。」(ピリピ人への手紙 4章5節)であろう!  山本祐司 先生(東京農業大学 副学長/総合研究所所長)から「HPに先生のメッセージ『学生の特権 〜 真の学問の「器量」〜』を掲載いたしました。」との連絡を頂いた ( https://www.nodai.ac.jp/24528/24721/ )。 『コロナショックの蔓延化の日々である。「良書を読み、有益な話を聞き、心の蔵を豊かにする」(新渡戸稲造)。これは、学生の特権であろう! また、これが、真の学問の「器量」ではなかろうか! 「器量」といえば、「挑太郎」を思い出す。 鬼ケ島遠征の物語は、子供時代、村のお寺の紙芝居でよく聞かされたものである。 桃太郎が犬・雉・猿という性質の違った(世にいう犬猿の仲)伴をまとめあげたことを挙げ、世に処する人は「性質の異なった者を 容れるだけの雅量」を もたなければならないと 新渡戸稲造は『世渡りの道』(1912年)で述べている。 これは、「競争の名の下に、実は 個人感情で 排斥をする自称リーダーヘの 警鐘」でもある。――― すべての始まりは「人材」である。 行動への意識の根源と原動力をもち、「はしるべき行程」と「見据える勇気」。 ― 』と記述されている。 早速、「桃太郎に学ぶ リーダーのあるべき姿。 ―