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第248回 『人生 ゴミの山』 〜 感覚の目覚め 〜

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  2022年4月24日午後、定例の『東久留米がん哲学外来 in メディカルカフェ』と『読書会』に参加した(東久留米市 市民プラザ スペース105に於いて)。 『読書会』は、新渡戸稲造『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)と内村鑑三『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めている。 今回は、新渡戸稲造『武士道』「第8章 名誉」であった。 「名誉の感覚は人格の尊厳ならびに価値の明白なる自覚を含む」、「アダムとイブの語りも『羞恥の感覚の目覚めであった』」とある。 「苦痛と試練に耐える為」の学びの時となった。 次回は、内村鑑三『代表的日本人』の「上杉鷹山の2章:人と事業」である。 想えば、2007年から「読書会」を始め15年目となる。 既に、箇所は5巡目であろうか !  今回、読書会の参加者からユーモア溢れる写真が送られてきた。    大いに感動した。 【遠藤周作の「深い河」執筆部屋と筆者「綽綽たる余裕」教授室】とのことである。 2017年8月31日の教授室の写真のようである。 まさに、『人生 ゴミの山』である!  2022年4月26日は、『柏がん哲学外来』(柏地域医療連携センター)に赴いた。 個人面談、スタッフとの対談は、大変貴重な充実した時であった。 そのあと、お茶の水で出版編集者との会談に向かった。 『言葉の処方箋』の話で大いに盛り上がった。 それから、筆者が代表を務める南原繁研究会のZoom会議に出席した。 今回の読書会は『南原繁対話 ⺠族と教育』 であった。日々勉強である。

第247回 使命感が持てる 〜 本当の友達とは〜

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  2022年4月18日は、筆者が理事長を務める恵泉女学園(経堂)& 恵泉女学園大学(多摩)に赴いた。 2022年4月19日は、順天堂大学 → 新渡戸稲造記念センター→ 『メディカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会)に出向いた。  今回『デイカル・カフェ@よどばし』は、第90回であった。 2022年7月には、8周年記念講演会が企画されるようである。 多数の質問が寄せられた。 1) 腫瘍が悪性か良性かというのは、主にどのような事で判断され、どちらとも言えない場合もあるのでしょうか 2) 癌の転移というものは、どのように起こるのでしょうか。どこにでも転移し得るのでしょうか。 3) 宇宙ステーションの中など、宇宙の中で癌の進行が変わる事などがあるでしょうか。 4) 癌細胞の診断に、AI(人工知能)が使われるような技術も進んでいるのでしょうか。 5) がん研究者は日本でどれくらいいるのか 6) がんの標準療法というのを聞きますが、どういうことでしょうか。 7) 治療方法や薬の説明などを聞いても、素人にはよくわからないことがあります。何を基準に決めたらよいでしょうか。 8) オミクロン株がまた変異してきているようですが、変異はずっと続くのでょうか。ワクチンも打ち続けないといけないのでしょうか。 9) 自分で作ったような使命感は、本物でない、というような事を先生は以前語られていましたが、しかし使命感が持てるように ただ待つだけではいけないと思います。どのように求めていけばよいのでしょう。 10) 教室でひとりぼっちになりたくないと、女友達にふりまわされたりして、結果的に登校拒否になった中学生の女の子に「友達ってなに?」と聞かれ、即答できませんでした。本当の友達とは何でしょうか? などなど30を超える多彩な質問であった。 大変有意義な、充実した貴重な時であった。

第246回 視野狭窄にならず 〜 時代を読む〜

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 2022年4月11日、京王多摩センターを散策した。  『「多摩センター」駅に降り立てば、緩やかに傾斜する赤レンガ通り、並木の中に点在するビタミンカラーの商業施設群、そして正面には「パルテノン多摩」がそびえ、まるでテーマパークのようだ。楠の並木のその先に望む「パルテノン多摩」は1987年に開館。80段の大階段、8本柱のパーゴラなど個性的なデザインを誇るこの施設は「多摩センター」の街の象徴。――ハロウィンやクラフトフェアなどのイベントも催され、冬のイルミネーションも楽しみのひとつ。多くの来街者が訪れ、街はいつも活気にあふれている。』と謳われている。 京王プラザホテル多摩のロビーでお茶を飲み、その後、スクールバスで多摩キャンパスの恵泉女学園大学に向い、学園学校会議に出席した。 充実した『多摩の旅』であった。  2022年4月12日、南原繁研究会の代表を務める筆者は、Zoom方式の幹事会に出席した。 毎年開催されている文化の日(11月3日)の『南原繁シンポジウム』が楽しみである。   筆者は、19歳の時、京都の浪人時代に、予備校の先生【東京大学法学部の学生で、南原繁(1889-1974)が当時の東京大学総長】から、南原繁は【「高度な専門知識と幅広い教養」を兼ね備えている人物であり、『視野狭窄にならず、複眼の思考を持ち、教養を深め、時代を読む『「具眼の士」』】であったと、また、【自分の住処だけで論ずるのではなく、空に上から、自分の住処を視る「向上心のある虫」になれ】と 学んだものである。 まさに、「俯瞰的な大局観のある人物」の育成訓練である。 南原繁の恩師の新渡戸稲造(1862-1933)の「目的は 高い理想に置き、それに到達する道は 臨機応変に取るべし」との教訓が今に生きる日々である。

第245回 教育の道しるべ 〜 心優しく、俯瞰的な人物の育成 〜

 2022年4月5日 恵泉女学園大学(多摩)に赴いた。 教職員と対談の時を持った。 大変貴重な日であった。  翌4月6日、恵泉女学園中学校・高等学校(世田谷)の入学式に理事長として出席した。 午前中は、恵泉女学園中学校第 78回入学式であった。 中学1年生入学者は、201名であった。 「あなたが わたしを選んだのではない。 わたしが あなたがたを選んだ。 あなたがたが 出かけて行って 実を結び、その実が残るようにと、――、互いに愛しなさい。 これがわたしの命令である。」(ヨハネ15章16節、17節)。 校長、学園長、生徒会長の『お祝いのことば』には、大いに、感激した。 まさに、「人にしてもらいと思うことを、人にもしなさい」(ルカ6章31節)である。「悩める人々の慰め」となろう。 「ユーモア(you more)に溢れ、心優しく、俯瞰的な大局観のある人物」の育成訓練でもある。 まさに、「本質的な人間教育」の時代的要請である。  午後は、高等学校の第77回入学式に出席した。 入学者は215名であった。 午前とは違う 校長の『お祝いのことば』にも、大いに、感動した。「喜びなさい。 あなたがたの寛容の心を、すべての人に知らせなさい。――、何も思い煩わないで、―ー」(ピリビ4章4〜6節)。 これは、新入生への「恵泉の教育を知る道しるべの一つとなるようにと願っています。」のメッセージである。  現在、南原繁研究会の代表を務める筆者にとって、これまで学んできた南原繁の言葉【「高度な専門知識と幅広い教養」を兼ね備えている人物であり、『視野狭窄にならず、複眼の思考を持ち、教養を深め、時代を読む「具眼の士」』】は、まさに「言葉の処方箋」である。 人間は、自分では「希望のない状況」であると思ったとしても、「人生の方からは 期待されている存在」であると実感する深い学びの時が与えられている。「目的は 高い理想に置き、それに到達する道は 臨機応変に取るべし」(新渡戸稲造)の教訓が今に生きる。「すべてのことを働かせて 益としてくださることを、私たちは知っています」(ローマ8章28節)は、入学式の教育の原点であろう。