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第270回 寄り添い・つながり・ともに歩む 〜 空の上から自分を見る視点 〜

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  9月23日(秋分の日)、zoom同時開催の『2022年度 第5回 21世紀のエステル会シンポジウム「教会でもがん哲学外来カフェを始めてみたら・・・」~ 寄り添い・つながり・ともに歩むために ~』(白鷺教会に於いて)で、筆者は総括の機会が与えられた。 【特に印象に残ったパネリストのお話 『・カフェの時間だけでなく、出張カフェもあり、高齢者や病院もお訪ねするカフェがありました。   ・映画「がんと生きる言葉の処方箋」に出演された ながれやまカフェの春日井いつ子さんのカフェでは、いつも来られていた参加者が天に召され、悲しいお別れも経験されているとのこと。   ・メールで、開催日程を発信したり、相談等があったりと、メールも利用されているカフェもありました。  ZOOM参加者のお話も、どれも貴重で良き学びの時となり、カフェの広がりを感じました。』】 などなどの感想が寄せられた。   また、筆者は、『エステル会のモットー、基本理念』をさりげなく語った。 モットー 1)「暇げな風貌」の中に、「偉大なるお節介」を有する「胆力と気概」の習得 2)体験を踏まえつつ、空の上から自分を見る視点を持った「当事者研究」の推進 3)言葉の大切さ、重み、対話のあり方を学ぶ「次世代のがん相談者」の育成 基本理念 「救済の客体から解放の主体へ」であり、「隣人(病者)を客体化」するのではなく、「暇げな風貌」と「偉大なるお節介」で、自ら「主体的に隣人となる」支え合いの精神に基づいた活動を深める。  早速、「エステル会のモットー、基本理念をありがとうございました。こちらを肝に銘じて、チャウチャウ犬のように散歩しつつ宇宙人のように、空の上から自分を見る視点を大切にしていきたいと思います。」とのユーモア溢れる心温まるメールを頂いた。 大変有意義な貴重な『21世紀のエステル会 5周年記念シンポジウム』であった。

第269回 『誠実な奉仕』 〜 『喜んで無邪気に 小さなことに 大きな愛を込める』 〜

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 2022 年9月17日(土)、名古屋での『ふらカムオープニング記念講演』(南医療生協よってって横丁2 階横丁広場に於いて;担当者「よってって在宅診療所、南生協病院 緩和ケア病棟の看護師 星原美保子 氏」)に赴いた。     大変有意義な充実した時であった。 早速、【「樋野先生のお話を通じて、自分の中にある人間関係のいやな部分は、言い訳せずにYESかNOでいいや! これからは 底の頑丈な器づくりが目標かな?「誰が言ったのか」に重きをおけるような 自分になろう! 等と、あれこれ思いを巡らしております。」、「樋野先生に会いたい方たちが半数、南生協病院の緩和ケア病棟で時間を共にした職員やボランティアさん、よってって横丁のサ高住(トイレとお風呂とキッチンにベッドとテレビ等が備え付け)の方や職員、―― 地域の方で、ご自分の思いを抱えて参加してくださった方もおられ、嬉しく思います。 今後は、集まっていただいた方が、帰りには笑顔で帰っていただけるようなカフェを心がけます。 私自身も、同じ空間を共有し、笑顔になって終えたいと思っています。」、「早速、新渡戸稲造 著書の読書会をやりたいと、リクエストが届きました。 樋野先生、著書の推薦をお願いします。 本の選択ができませんのでよろしくお願いします。」、「先生のおっしゃるハイジ像に合点がいきます。 彦田さんに あやかりながら、足元を固めていきますね。 これからもサポートをよろしくお願いします。」、「感動の時間を皆さんとご一緒できて、感謝感激です。」】などなど、多数の心温まる励ましのメールを頂いた。 大いに感動した。  この度、【名古屋の「3美女姉妹」: かぐや姫 星原美保子 & アルプスの少女ハイジ 彦田かな子 & 10歳のマリア 瀬戸真知子】が設立された。 驚きである。 人生邂逅の3大法則 1)良き師:樋野興夫 先生 2)良き友:「星原美保子、彦田かな子、瀬戸真知子」 3)良き読書:新渡戸稲造著:武士道、こころにみことばの言葉の処方箋、他多数の樋野先生の本 とのことである。 【名古屋の「3美女姉妹」】の「冗談を本気で実現する胆力」には大いに感服した。 まさに、『誠実な奉仕は 喜びをもたらす』 & 『喜んで無邪気に 小さなことに 大きな愛を込める』の実践であろう! 本当に、「人生の良き想い出の名古屋の旅」となった

第268回 「心が通じ合う人と出会う」 〜 時空を超え 〜

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 2022年9月11日、早稲田奉仕園スコットホールでの、講演会【教育者・国際平和主義者 新渡戸稲造(1862 - 1933)生誕160周年記念「新渡戸の夢と音楽は時空を超えて」】(新渡戸の夢映画製作委員会・若き音楽家を育てる会 主催)に赴いた。 【第一部】「新渡戸の夢」 司会 杉山芳子 ・「新渡戸の夢」映画製作スタートメッセージ(映画監督 野澤和之) ・新渡戸稲造の教育~心が通じ合う人と出会う~(スピーカー 樋野興夫) ・勝負と信仰 (スピーカー 加藤一二三) ・今、新渡戸稲造が我々に問いかける言葉とは(コメンテーター 大塚清一郎) ステージ上の写真が送られて来た。 大いに感動した。 【第二部】ウクライナ復興支援コンサート 「音楽は、時空を超えたメッセージ」 司会 MIRAI 演奏者 ・吉田 直矢(ヴァイオリニスト) ・田島 玲子(クラシカルクロスオーバー歌手) ・河崎恵(ピアニスト) 外交官でもあられた大塚清一郎 氏から、「吉田茂(1878 - 1967)と南原繁(1889 - 1974)」との関係性について質問された。 筆者は、下記の2010年に書いた文章が、鮮明に蘇ってきた。 【第26回「がん哲学ノート」:南原繁vs吉田茂の「曲学阿世」論争に学ぶ—「がん哲学者」の探求の道— 今週は、月例の「南原繁研究会」(学士会館)の読書会であった。箇所は「南原繁著作集 第7巻」の「Ⅳ平和の宣言」(p.295-433)である。改めて、当時の首相:吉田茂の「曲学阿世発言」(1950年5月3日)を静思した(毎日新聞 1950年5月4日付け、朝日新聞 1950年5月5日付け)。 ことの起こりは、1949年12月9日の南原繁の『「ワシントンにおける国務省協力・米国教育協議会主催:第一回占領地域に関する全国会議」において行われた演説:日本における教育改革の理想』である。渡米には「新渡戸稲造のコートを身につけて」飛行機のタラップを降りる南原繁の姿の写真がある。当時の南原繁の決意の程が知れよう。さらに1950年3月28日の東大卒業式の総長の演述「世界の破局的危機と日本の使命」がある。 吉田茂の「曲学阿世発言」への反論(朝日新聞1950年5月6日付け)の南原繁の記者会見がある。さらに、1950年5月10日東大の五月祭での「学問と政治」の講演、故郷の高松での講演「民族の危機と将来」(1950年

第267回 体内細胞 〜 人間社会の縮図 〜

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  今週、2011年5月19日の東大YMCAで『がん哲学』セミナーを行ったことが鮮明に蘇ってきた(写真)。 『がん哲学』とは、若き日から学び続けている南原繁(戦後初代の東大総長)(1889〜1974)の『政治哲学』と吉田富三(元癌研所長・東大教授・佐々木研究所長)(1903〜1973)の『がん学』をドッキングさせたもので、『がん哲学 = 生物学の法則 + 人間学の法則』である。  物理的環境要因よりも、人間関係における環境要因が、人間形成に大きく影響を与えている。 自分が一番大事であるという考えを修正し、自分よりもさらに大切なものがあると考える必要がある。 自分の命よりも大切なものは『愛』でしかないであろう。 その『愛』を大切にしていく考え方に転換していく必要があるのではなかろうか!   また『がん哲学』を国際社会に当てはめると、世界の国々が、それぞれひとつの体の中のそれぞれの器官の役割をなすように関係し合えば、平和な社会が出来上がっていくはずである。 その中での日本の立場は『肝臓』であるべきであると考える(『日本肝臓論』)。『肝臓』という器官は、切られてもすぐに再生し、また異物に寛容な性質がある。 さらに、解毒・代謝作用がある。 日本という国自体も同様に、一部が機能しなくなったとしてもすぐに再生し、また異なる文化や社会を寛容に受け入れていく必要がある。 そうなるとき世界に重用されるようになっていくであろう。   現在の日本社会は、『正常細胞』が減少(『劣化』)し、細胞間のコミュニケーションの不足により『異常細胞』が増殖(『がん化』)する微少環境があり、このままでは『がん化』が選択的に進行してしまうという懸念があるのでは! 体内にしても 人間社会にしても、『正常細胞(使命を自覚して任務を確実に果たす)』の『社会学(自己制御と犠牲の上に成り立つ)』に学び生きることが大切である。 『社会集団』と『がん細胞』を対比すると、『真の目標を見失った細胞集団 = がん細胞』でありエゴイストの集団ということができる。 そのような『社会のがん化』を防ぐ唯一の活路として、共同体の理想像 = 『使命に燃える細胞集団』となっていくことの必要性を痛感する日々である。 

第266回 寄り添う 〜 心の宴会 〜

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 筆者は、2022年8月31日 千葉大学もある西千葉駅前の『西千葉教会』で講演『<ほっとけ 気にするな>のがん哲学 〜 がん細胞から生き方を学ぼう!〜』の機会が与えられたに赴いた。  第一部は、『柏がん哲学外来』(柏地域医療連携センターに於いて)を担当されている福原俊二郎 氏の落語、第三部は、『あびこカフェ』代表:中野綾子 氏、『豊四季カフェ「そらとり」』代表:小林由紀恵 氏のトークショーであった。 大いに感動した。 真壁 厳 牧師とスタッフの皆様の心温まるおもてなしには、大いに感服した。 今後、『駅前がんカフェ in 西千葉』が、定期的に、開催されるとのことである。 【樋野興夫 金言集「今日の言葉」より: ◆寄り添う心は言葉を超える: 基本に愛があれば、多くの言葉を必要としません。 言葉を交わす会話ではなく、心を交わす対話を大切にしましょう。 ◆病気であっても病人ではない: 自分の境遇を固定して、限られた視界から物事を見るよりも、俯瞰的な視点から気が付くことは多いはずです。 ◆人生の目的は品性を完成するにあり: 困難、苦難はだれにでも襲いかかるものです。 その他き、賓債は、耐えることで生まれ、行いによって磨かれます。 ◆どうせ人は死ぬのだから: 死なない人はいません。いつかは死ぬ。この当たり前のことを謙虚に胸に刻めば、むしろ平静になれます。 ◆人生いばらの道、されど宴会: 心の宴会をたくさん持てば、苦しみを忘れられないまでも、ちょっと離れていることができます。 ◆マイナスXマイナス=プラス: 自分よりも「困っている人」を探して出会うことにより、プラスの笑顔が生まれます。 ◆余計なお節介よりも偉大なるお節介を: 一生懸命、尽くして慰めているつもりが、自分の気持ちを押し付けているのは余計なお節介にすぎません。 ◆あなたのことを想ってくれる人が世の中に一人はいる: 30m後ろから見守ってくれる人がいれば、人は強く生きられます。 ◆自分の人生のより所を知る: 辛いときこそ、自分と向き合うチャンスです。「自分は何のために生まれてきたのか」をじっくり考えてみましょう。 ◆人と比べるから悩みが生まれる: 他人と自分を比べない。昔の自分と今の自分を比べない。 悩みの多くは、比較から生まれます。 ◆明日この世を去るとしても、今日の花に水をあげなさい: 自分以外のものに関心を持つと、