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4月, 2021の投稿を表示しています

第196回 正論より配慮 〜 心が通じ合う人と出会う 〜

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 2021年4月10日、Zoom『がん哲学外来スヴェンソン メディカルカフェ』は、対面でなくZoomで、会場のPCの不調もあったが、なんとか、無事終えて、今週、アンケート集計結果が送られてきた。  「貴重な お話を聞けてよかった。」、「響いた」、「音声が聞き取りにくく、内容が伝わらなかった。 もったいなくて残念です。」、「基本的なところ、がんの仕組みなども 分かりやすく 話の内容も聞きやすかった。」、「哲学は難しかったが、わからないなりに 前向きになれました。」、「先人のお言葉を通して、何を大事にして生きていくのか ということを学べたように思います。 じんわり、そしてなるほどと 思う事を 教えていただきました。」、「先生のご活動の内容を もっと知りたくなる内容でした。」、「わかりやすかったです。日々の生活の中で 活かしていければと思います。」、「実際にお声を聞けて感激でした。 正論より配慮、風貌の訓練、取り組んでいきたいです。」、「久しぶりに お声を聞けて嬉しかったです。 出来れば、お顔を見ながら ご講演を聞きたかったです。」、「今のコロナ禍に於いて、益々 樋野先生の発するお言葉が心に沁みると、改めて感じました。 癒しと勇気をいただき、有り難うございました。」、「一度お話を聞いてみたかったので、拝見できて よかったです。 予想通りの素敵な先生でした。」、「樋野先生のご講演は 何度も参加させて頂いておりますが、その度に チャウチャウ犬の風貌、ブスの25箇条等を再確認して 心が穏やかになれるし、どの言葉も 心にスゥーと入ってきて いつも心が軽くなります。 又ご講演を聴く機会を いつも頂けることに感謝しています。」、「深刻に物事を考えないようにすることは難しいですが、簡単なことですが お話を聞くと 実践できそうなきがします。」、「ダイアローグを 大切にしようと思いました。」などなど、心温まる、励ましの多数の言葉を頂いた。  2021年1月27日、『柏がん哲学外来』(柏地域医療連携センターに於いて)に赴いた。 3組の個人面談は、大変貴重な時であった。 そのあと、スタッフと昼食の時を持った。 5月8日の映画上映会の話で、大いに盛り上がった。 まさに、『生活環境や 言葉が違っても 心が通えば友達であり、心が通じ合う人と 出会うことが 人間の一番の楽しみである。』(新渡戸稲造)を

第195回 教養を深める 〜 コミュニケーションの質 〜

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 2021年4月19日 明寿大学(群馬県前橋市中央公民館)での 生涯学習(趣旨:変容する社会に適応できる知識を習得し、自己実現や社会貢献に向け、教養を深める。)での講演『個性と多様性 ~ 人生の目的は、品性の完成 〜』に赴いた。 多数の真摯な質問があり、感動した。  大変充実した時であった。 まさに、群馬県が生んだ内村鑑三 (1861-1930)の、「人生の目的は 品性の完成」の実感であった。  2021年4月20日は、定例の第79回『がん哲学外来メデイカル・カフェ@よどばし』(淀橋教会に於いて)に出席した。 多数の質問が寄せられた。 ① 癌のなり易さというものは、年齢が上がると共に上がるのですか。 それとも年齢とは直接関係ないのですか。 ② 癌の発生要因には、喫煙や飲酒や食物やウィルスなど、様々あるようですが、共通した癌の原因というのが、あるのでしょうか。 ③ 快食快眠と言われるように、食物と共に健康に影響を与えるのが睡眠でもあるように思いますが、睡眠の場合は時間より、その質だと聞きます。 年齢によっても変わるようにも思いますが、睡眠の質を上げるのに 先生のお勧めは何でしょうか。 ④ コロナ時代を迎え、入院患者は益々孤独にならざるを得ない状況だと思います。 そういう中で、看護師の役割は益々重要になって来ているのではないでしょうか。 看護師さんは 看護学校において、がん哲学外来のような、メンタルケアの技術も 今日学んでおられるのでしょうか。 ⑤ 癌の告知について。 20年以上前、突然癌を宣告され 非常にショックを受けた方のお話を聞いたことがあります。 その頃から、受け止める側の状況(癌は治る病気だという認識が ある程度浸透している)も 変わっていると思いますが、最近の医師の方々は、どのような認識をもって 告知をしておられますか。 ⑥ コロナの時代を迎え、交わりが制限される中で、コミュニケーションの質を 上げる必要がある事を覚えますが、先生はそのために 何が重要だと思われますか。 ⑦ 著書が翻訳されているのは、何がきっかけになっているのか。 翻訳された本を読んだ現地の人の感想があったら聞いてみたい。 ⑧ 樋野先生が 今新しく注目している人物は? ⑨ 以前のお話の中で、「自分のためにする努力は 大した ことはない。人のためにするのがい

第194回 『がん病理学者の社会貢献』 〜 「がん」から学んだものを生かす 〜

 2021年4月13日、順天堂大学医学部 大学院博士課程 ビデオ収録講義『がん学』(177名対象)に赴いた。  4月14日は、順天堂大学 診療放射線学部(120名:対面60名、Zoom 60名)ハイブリッド講義『病理学概論』(3時限目)、『がん医療科学』(4時限目)、さらに、夜は、順天堂大学医学部 大学院修士課程 講義『がん病理学』(44名対象)の 機会が与えられた。大変充実した、有意義な時であった。  [『がん学』 は「がん」に関しての学問で、『形態』、『起源』、『進展』などを追求する学問分野である。  当然がん研究者だけのものでなく、一般社会の人々の為の学問でもある。  がん研究者が『がん』 をどの様に考えるかは、とても大切なことである。  なぜなら『がん』に対する概念が世界観、人生観、ひいては日常の決断や行動をも 時には決定するからである。  「がん」の『起源』 と『進展』を学ぶことは、ある意味では 人生の意義と目的の『静思』 へとも導くものと考える。]。    また、『「人間は、ロビンソン・クルーソーの様に 孤島にひとり住んでいたのでは、良い人か 悪い人かは 判らない、人間社会の中に住まわせてみて 初めてその性(サガ)が明らかになる。  がん細胞もしかり。」、「がん細胞は 増殖して仲間が増えると、周囲の正常細胞からのコントロールを脱し、悪性細胞としての行動をとるようになる。  君達学生諸君も似たところがある。  一人ひとり話をすると、常識もあり善良な青年にみえるのだが、学生自治会として集団行動をとると、変なことを云ったりしたりする。」、電子計算機時代だ、宇宙時代だといってみても、人間の身体の出来と、その心情の動きとは、昔も今も変ってはいないのである。  超近代的で合理的といはれる人でも、病気になって、自分の死を考へさせられる時になると、太古の人間にかへる。  その医師に訴へ、医師を見つめる目つきは、超近代的でも合理的でもなくなる。  静かで、淋しく、哀れな、昔ながらの一個の人間にかへるのである。  その時の救いは、頼りになる良医が側にいてくれることである。』 との、がん病理学者 吉田富三(1903 – 1973)からの学びを、さりげなく語った。  中には、樋野興夫のブログ「楕円形の心」 を読んでくれていた学生がいた。 大いに感動した。   「医療者の2つの使

第193回 「感謝のメッセージ 3ヶ条」 〜 真の胆力 〜

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 2021年4月5日、3回目のZoomクラブハウス(ゆい訪問看護ステーションに於いて)に赴いた。 今回は、テレビアナウンサー、上野リレーホーライフの担当者も 参加されていた。  「今日も真面目なお話もあり、盛り上がりもあり、楽しく進められて楽しかったです」、「楽しんでいただけたと メッセージ頂いております」、「久々に クラブハウスで 樋野先生のお声を聴くことができ、懐かしく嬉しかったです。 ありがとうございました」。NHK大河ドラマ、1万円札予定の「渋沢栄一」も大いに話題になった。 大変貴重な有意義な時であった。  4月8日は、御茶ノ水で、『勝海舟の会』の方との面談でった。 今秋、シンポジウム 『コロナ時代における 勝海舟(1823−1899)、渋沢栄一(1840−1931)、新渡戸稲造(1862−1933)の現代的意義 〜 真の胆力 〜』が、企画される予感がする。 まさに下記の3ヶ条であろう! 理念: 「先見性と器量」 の育成。 目的:  「正論より配慮」 の訓練。 方法: 「個性と多様性」 の提示。  また、このたび、「感謝のメッセージ 3ヶ条」が、市民、医療者、大学教授、小学校校長に 授与されることになった。「冗談を 本気でする 胆力」& 「速効性と英断」には、ただただ感服である。 

第192回 「新しい船出」 〜 嵐も来れば、凪も来る 〜

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 今日(2021年4月1日)は、新年度の始まりである。  「学校、卒業、入学、社会人として入社、部署の異動、定年退職」の挨拶の連絡を頂いた。  まさに「新しい船出」であろう。  人生、嵐も来れば、凪も来る。  小さな村で育った筆者は、一人で、故郷(島根県出雲大社鵜峠)の海岸で、沈むことのない舟を見つめていたものである。  『「黙れ、静まれ。」と言われた。すると風はやみ、大なぎになった。』(マルコ4章39節)の学びであった。   思えば筆者の人生は、小さな村での少年時代の原風景である。  小学校の卒業式の来賓の挨拶「少年よ、大志を抱け」(1887年札幌農学校のクラーク博士の言葉)を強烈に覚えている。  私の人生の起点であると言っても過言でなかろう。  その後、人生の機軸でなる「新渡戸稲造(1862-1933) & 内村鑑三(1861-1930)」へと導かれ、英文で書かれた『武士道』(新渡戸稲造)と『代表的日本人』(内村鑑三)は、若き日からの座右の書である。  悩める時に、いかに勇気づけ、励まされたことか。  新渡戸稲造が、愛読したカーライルの『サーター・リサータス:衣装哲学』の『“Do thy Duty, which lies nearest thee, which thou knowest to be a Duty”(汝の義務を尽くせ。汝の最も近くにある義務を尽くせ、汝が義務と知られるものを尽くせ)』と『真に偉大なる人とは、青年と心を結べる人なり』(新渡戸稲造) の言葉の復学である。  今日、ヨハネス・クヌドセン(Johannes Knudsenr、1917-1957)のことが、鮮明に想い出された。「1957年2月10日、神戸港へ向かう貨物船エレン・マースク号(Ellen Maersk)は、航行中、機帆船「高砂丸」が炎上しているのと遭遇。  風速20mを越える強風の中、エレン・マースク号は「高砂丸」乗組員の救助作業に当たる。  機関長として乗り組んでいたクヌドセンは、高砂丸船員を救うべく海中に飛び込み、そのまま波間に没した。」とのことである。  クヌドセンの「勇敢な行動と無私の人間愛」の根拠に感動したものある。  「今、ふたたび 新渡戸稲造!」講演・田島玲子の「音楽は心の処方箋」(筆者の作詞の『ほっとけ ほっとけ 気にするな』は16曲目に、掲載) リサイタル〜 めざ