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第507回 『愛情の原点』 〜 自分の発見と理解が深まる 〜

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 2025年10月27日 岩間孝吉先生(元 山梨英和中学・高等学校校長)から『初冠雪した甲府盆地からの富士山をお届けします。』と写真が送られて来た。【壮大な品格のある雪の『富士山(3776m)』】の姿には、大いに心が慰められた。【筆者の誕生の年(1954年)の母の元旦の夢が『富士山』であり、幼児の時から『富士山子』と励まされたものである。】 これが、『愛情の原点』である!  2023年11月12日 第6回『日本メディカルヴィレッジ学会 in 山梨 〜 山梨の文化で支えあうがんの療養 〜』(大会長:山梨ホスピス協会 理事長 阿部文明先生(山梨県立中央病院緩和ケア科医師)会場: WEB・山梨県立大学池田キャンパス、共催:山梨ホスピス協会 日本メディカルヴィレッジ学会/後援:山梨県 山梨県教育委員会 山梨県医師会 山梨県看護協会 山梨県介護支援専門員協会 山梨日日新聞社 山梨放送 テレビ山梨 日本ネットワークサービス/助成:在宅医療助成 勇美記念財団)に赴いた。 筆者は、『日本メディカルヴィレッジ学会 理事長』として、岩間孝吉先生の座長で、講演『胆力の修養の場 ~ 新しい自分の発見 & 他人の理解が深まる 〜』の機会が与えられた。  小学校の卒業式で、強い印象を与えた来賓の言葉は『ボーイズ・ビー・アンビシャス (boys be ambitious)』 である。 札幌農学校を率いたウィリアム・クラーク(1826-1886)が、その地を去るに臨んで、馬上から学生に向かって叫んだと伝えられている言葉である。 クラーク精神が 内村鑑三(1861-1930)、新渡戸稲造(1862-1933)、南原繁(1889-1974)、矢内原忠雄(1893-1961)を生んだ。 そして、2003年に初版『われ21世紀の新渡戸とならん』(イーグレープ)、2018年に新訂版、2019年4月には英語版『I Want to Be the 21 st Century Inazo Nitobe』 (日本橋出版)が発行されることになった。『不思議な時の流れ』である。  10月26日 東久留米駅前の『イースト サイド カフェ』で、2007年からスタートした定例の『読書会』を行なった。 今回は、新渡戸稲造著『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)の第11章『克己』で、三国浩晃氏の音読で進められた。『人知を超えて、時は...

第506回 病理医の原点 〜 丁寧な観察力の修練 〜

 2025年10月22日 順天堂大学に寄り、新渡戸稲造記念センター長を務める新渡戸記念中野総合病院での第549回内科CPC (Clinico-Pathological Conference)に赴いた。 誠実なスタッフの準備の姿には、大いに感動した。 今回の司会は『新渡戸記念中野総合病院 臨床研修医』、 臨床報告は『融衆太医師(新渡戸記念中野総合病院副院長兼内科兼脳神経内科部長)』、 病理報告は『東京科学大学大学院生 人体病理学分野の大学院生』、終わりの挨拶は『北川昌伸医師(新渡戸記念中野総合病院病理診断科部長)』であった。  大変勉強になった。  【CPCとは,剖検例の肉眼的,顕微鏡的病理所見と臨床所見との関連について双方の立場から意見交換をし,詳細な病態および死因の解明に向けて検討を行うものである】と紹介されている。 まさに、CPCは『医師は生涯書生である』の修練の場である。 筆者にとっては、CPCは癌研時代から病理医の原点である。 毎日 顕微鏡で細胞を診て、病理組織診断と病理解剖に専念したものである。 『顕微鏡を見て病気を診断する = 森を診て木の皮まで診る = 丁寧な観察力の修練の場』でもある。  『がん細胞の病理』と『人間社会の病理』の類似性が、2001年の『がん哲学』の提唱の原点である。 つまり、【『がんは生物学の法則』+『哲学は人間学の法則』=『がん哲学』】である。『哲学が心の支え』となろう。 そして、2008年 順天堂大学病院で【『病気』であっても『病人』ではない社会の構築】を目指して『がん哲学外来』が開設された。『不思議な出会いの流れ』である。  2019年3月 順天堂大学病理・腫瘍学教授を定年退職して名誉教授を拝命した翌月、『新渡戸稲造記念センター』が設立された。 【『新渡戸稲造記念センター』は、東京医療利用組合(現・東京医療生活協同組合)の初代組合長(理事長)である新渡戸稲造(1862-1933)博士の志(こころざし)を 日本の国内外へ広め、実践する拠点となります。 そして『がん哲学外来 in 新渡戸稲造記念センター』が開設される運びとなった。】と謳われている。 歴史的大事業を実感する日々である。

第505回 『寄り添う晴れやかな心』 〜 『生き抜くためのヒント』 〜

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 2025年10月18日(土)午前中 東久留米市立第2小学校での『がん教育』の授業を依頼された。 2人に1人が がんになる時代を迎え、文部科学省は 新学習指導要領に『がん教育』を明記し、2021年度から中学校、高校での授業を本格化させている。  東久留米市立第2小学校での『がん教育推進』授業は、 2020年2月20日 出版された『がん哲学のレッスン 〜 教室で<いのち>と向き合う 〜』(かもがわ出版)にも掲載されている。【『中学 高校で始まる『がん教育』を深める必読書。』と紹介されている。『第1章 がん教育はなぜ必要か。 第2章 がん細胞の不思議。 第3章 大切な人に寄り添う。 第4章 自分らしく生きる。 第5章 生と死を見つめる。 第6章 教室で語りあう。 がんと向きあう3人に聞く: 齋藤智恵美さん & 彦田かな子さん & 彦田栄和さん』】の目次である。  6年生 約100人 に対して、東久留米市立第2小学校の広い体育館での講義で、生徒達の真摯な眼差しには、大いに感動した。 担任の青木真美先生から、【『本日は、生きるヒントと勇気を 本当にありがとうございました。 子供たちのみならず、私たち教員も勇気と学校での指導のヒント、さらに生き抜くための人生のヒントをいただきました。 コロナ禍であっても、逆境を順境に変える。 逆境を楽しみながら、追い風にし、楽しみながら生きていく。 いつまでもそばにそっと寄り添える、寄り添ってもらえる人になれるよう頑張ります。 先生のお話で 台風まで青空に変わっていました。 まるで、お話をお聞きした後の 晴れやかな心のようでした。』】との心温まるメセージを頂いたものである。 これこそ、【『がん哲学』と『がん教育』の懸け橋】であると実感した。  10月18日の午後は【がん哲学外来『市ヶ谷だいじょうぶ!カフェ』(代表者:田口謙治氏 担当者:田口桂子氏)(東京ゴスペルハウス内に於いて)】での講演に赴く。 連チャン症候群の日である。【お互いに語り合い、聞きあい、お帰りの頃には、みんなが笑顔になっている…そんなカフェになることを願っています。】と紹介されている。

第504回 『そこにいるだけで 価値ある存在』 〜 『いい覚悟で生きる』 〜

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 2025年10月11日、2014年にスタートされた横浜市港北区での『メディカル・カフェin 菊名』の講演【賢明な寛容『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在』】に赴いた。【がんと向き合う中でのとまどいや悩み。 闘病中の家族をどう支えたらーー? 樋野興夫先生(順天堂大学名誉教授)を迎えて、お話をうかがいます。】と紹介されていた。 大変有意義な貴重な時となった。 【『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在』(2016年4月15日出版社KADOKAWA)】には、下記を記述している。 第1章 『品性 ◇ 一番より一週遅れの先頭を走る』 【『人生の目的は品性の完成にある。』: 人もし全世界を得るとも其霊魂を失はば何の益あらんや。 人生の目的は金銭を得るに非ず、品性を完成するにあり。(内村鑑三(1861-1930)『成功の秘訣』)】 第2章 『つながり ◇ 人生は最後の5年間で決まる』 【『人生に期待しない。人生から期待されていると考える。』: ここで必要なのは、生きる意味についての問いを180度方向転換することだ。――、絶望している人間に伝えなければならない。(ヴィクトール・E・フランクル(1905-1997)『夜と霧』)】 第3章 『言葉の支え ◇ 今日は「今日の苦労」で十分』 【『あなたには 死ぬという大切な仕事が残っている。』: 一つひとつの命には、使命があります。 使命とは『命を使う』と書きますね。 死とは、『命を使いきること』ではないでしょうか。】 第4章 『人生の役割 ◇ もしかすると、このときのため』 【『ぶれない基軸と大局観を持つ。』: 成功者になろうとするよりは、むしろその人がいないと困るような貴重な存在でありなさい。(アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)(1921年ノーベル物理学賞 受賞))】 『がん教育』のあり方について質問された。【『がん教育』は予防知識より心構えが大事】と答えた。  既刊『いい覚悟で生きる』(2014年11月3日出版社小学館)の読書会もされているとのことである。 大いに感動した。

第503回 俯瞰的に総合的に見る 〜 使命を自覚して任務を確実に果たす 〜

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 2025年10月8日 早朝(5:00am) 満月を眺めた。 大いに心が癒された。 10月8日 順天堂大学大学院修士課程講義【Overview of Human Pathology and Oncology 病理腫瘍病態学概論】の留学生向けの英語による授業『Cancerがんの定義、自然史と介入』に赴く。  基本原則として下記を述べる Guiding principle of carcinogenesis Cell type specific carcinogenesis Stage specific carcinogenesis Strain difference in carcinogenesis Federal headship carcinogenesis Rehabilitation of cancer cell がん(人生)は開いた扇の様である 『禍の起こるのは起こる時に起こるにあらず 由って来るところ遠し』ゆえに予防、治療が出来る。 起始遺伝子は扇の要である。 がん化の起始細胞の進展には境遇が大切である。 癌も身の内=癌の個性 細胞(使命を自覚して任務を確実に果たす)の社会学(『自己制御と犠牲』の上に成り立つ)vs 癌 真の目標を見失った細胞集団=癌細胞=エゴイスト集団 【もう一度、役割使命を与えると おとなしくなる(Intentional Delay)。そして、天寿を全うする (天寿がんの実現)】とさり気なく語る。『がんの根幹』を追求し、『俯瞰的に物事を総合的に見られるようにする』ことを目的とする。

第502回「楕円形の心」 視野狭窄にならず、丁寧な観察 〜 心の持ち方の修練・訓練 〜

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 筆者は、2025年10月3日 病理医としての定例の病理組織診断業務に赴いた。【顕微鏡でマクロからミクロの丁寧な観察 & 俯瞰的に 森を見て 木の皮まで診る】は、 病理医としての『原点』である。 約45年間の病理医としての経験が、『がん哲学 = 生物学の法則+人間学の法則』&『がん哲学外来 = 品性のある強靭で高貴な心の持ち方の厳粛な修練・訓練』ともなっている。『がん細胞の病理』と『人間社会の病理』の類似性が、2001年の【『生物学の法則』+『人間学の法則』=『がん哲学』】の提唱の原点である。 そして、2008年 順天堂大学病院で【『病気』であっても『病人』ではない社会の構築】を目指して『がん哲学外来』が開設された。まさに、『不思議な人生の流れ』である。  筆者は10月4日は、『順天堂大学医学部 病理・腫瘍学教授』時代の 2012年5月26日にスタートした第141回【お茶の水メディカル・カフェ in お茶の水クリスチャン・センター(OCC)】に赴く。  東日本大震災の2011年に創設準備がなされ、2012年に当時OCC副理事長であった今は亡き榊原寛(1941-2020)先生が『お茶の水(OCC)メディカル・カフェ』を始められた。 【『賢明な寛容と配慮 = 多様性のある居場所』が、『お茶の水メディカル・カフェ in お茶の水クリスチャン・センター(OCC)』の心得である。】   昨年(2024年)に『12周年記念誌』が製本された。 来年(2026年)は、第150回【お茶の水メディカル・カフェ in お茶の水クリスチャン・センター(OCC)記念本】の製本される予感がする。『継続の大切さ』を実感する日々である。   順天堂大学医学部 病理・腫瘍学教授であった筆者にとっては、『隣接するOCCとの繋がりは 貴重な人生の出会い』となった。【『高度な専門知識と幅広い教養』を兼ね備え『視野狭窄にならず、複眼の思考を持ち、教養を深め、時代を読む
具眼の士』&『時代を動かすリーダーの 清々しい胆力としての 人間の知恵と洞察とともに、自由にして勇気ある行動』(南原繁:1889-1974)著の『新渡戸稲造(1862-1933)先生』より)】が、『現代社会での 一筋の光となる 言葉の処方箋である』と痛感する。