第351回 『種子と畑』 〜 Genotype, Phenotype, Dramatype 〜

 2023年10月2日 順天堂大学大学院博士過程実践教育(unit2)『腫瘍医学』コースの授業に赴いた。 国立がんセンターの医師、薬剤師も出席されていた。

 イントロダクション:Carcinogenesis『オーバービュー・がん研究の歴史(分子生物学、ウイルス発がん、動物モデルなど)』で、山極勝三郎(1863 - 1930)は、 吉田富三(1903 - 1973)、Knudson(Alfred George Knudson、1922 - 2016)の人物を紹介した。 まさに、『人生邂逅の3大法則~良き先生(重心)、良き友(外心)、良き読書(内心)~』を実感する日々である。




癌の理解の道:『最初に、正常細胞の変化したものとして正常との比較においてこれをみる。次には、癌細胞同士を比較する。』 (吉田富三)

癌細胞の形態

(1)構造異型:細胞の配列や極性の消失などの組織構築の異常

(2)細胞異型:細胞や核の大きさ。形、染色性。クロマチン構造などの形態学的異常

血行性転移

(1)『解剖学説』anatomical theory

(2)『種子と畑説』seed and soil theory

発がんの連盟的首位性 — Genotype, Phenotype, Dramatype —

『適時診断と的確治療』

初期条件がある範囲にあると、初期の変異が経時的変化とともに分子の相互作用によって、様々に拡大し、将来予測が不可能になる。これは初期のわずかの変異で大きな効果が出ることを意味する。非平衡状態にあり外部と相互作用する開かれた複雑系では、初期状態(Genotype)が同じでも、外部から、意識的に適時に介入すれば、ある特異点(Phenotype)で分岐し多様性のある制御(Dramatype)が可能になるはずである。 病気はDramatypeなる故に、予防、治療が成立する。



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