第345回 『人生の壁を破る言葉』 〜 『生きていく手助け』 〜

 この度(2023年9月)、新渡戸稲造(1862-1933)没90年記念として筆者の【新渡戸稲造の「人生の壁を破る言葉」】(三笠書房)が、発売されることになった。

 【はじめに】に【私は2008年に順天堂大学医学部附属順天堂医院で『がん哲学外来』を開設し、以来、がんにまつわるさまざまな悩みの解消に つとめてきました。がん患者さんの声に耳を傾け、苦しみを和らげるのが目的です。それ以後、この動きは全国に広がり、私自身は、5000人以上の患者さんやそのご家族と面談してきました。『がん哲学外来』をはじめたのは、私が がんの研究をする病理学者である以上に、『新渡戸稲造の言葉』に深い共感を覚えたからです。私が 面談者に差し上げる『言葉の処方箋』は、新渡戸稲造を筆頭に私が尊敬する人物から学んだ『人生哲学のエッセンス』であり、それが私の生きる基軸にもなっています。だからこそ その処方箋を、病気に悩み、苦しむ人にわけたいと願って、この活動をはじめました。私は以前、『われ21世紀の新渡戸とならん』(2003年、e-grape)という本を書きました。― そして、新渡戸稲造が 『東洋と西洋をつなぐ 架け橋』になることを願ったように、『医療とがん患者をつなぐ 架け橋』を築くことが私の使命だと、思いを新たにしています。本書は、そんな思いのもと、私が感銘を受けた『新渡戸稲造の言葉』をひもといてみたものです。―  がんに限らず、人生には幾多の苦難がつきものです。『新渡戸稲造の言葉』は、困難に直面して立ち止まっている人、逆境にはまって必死にもがいている、そんな人たちに大きな勇気を与えてくれます。そこには人間が自分の人生を、自信を持って力強く生きていくための 知恵がたくさん詰まっています。そんな『新渡戸稲造の言葉』は、どんな人でも直面する悩みや悲しみを癒し、苦難や逆境を乗り越え、〝よき人生〞を過ごす糧を与えてくれるものです。― 】と記載してある。

 【参考文献】として、『運命を拓きゆく者へ』(新渡戸稲造/実業之日本社)&『逆境を超えてゆく者へ』(新渡戸稲造/実業之日本社) &『内観外望』(新渡戸稲造/実業之日本社)&『武士道』(新渡戸稲造・矢内原忠雄訳/岩波文庫)などから引用してある。本書が『生きていく手助け』になれば幸いである。



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