第192回 「新しい船出」 〜 嵐も来れば、凪も来る 〜

 今日(2021年4月1日)は、新年度の始まりである。  「学校、卒業、入学、社会人として入社、部署の異動、定年退職」の挨拶の連絡を頂いた。  まさに「新しい船出」であろう。  人生、嵐も来れば、凪も来る。  小さな村で育った筆者は、一人で、故郷(島根県出雲大社鵜峠)の海岸で、沈むことのない舟を見つめていたものである。  『「黙れ、静まれ。」と言われた。すると風はやみ、大なぎになった。』(マルコ4章39節)の学びであった。 

 思えば筆者の人生は、小さな村での少年時代の原風景である。  小学校の卒業式の来賓の挨拶「少年よ、大志を抱け」(1887年札幌農学校のクラーク博士の言葉)を強烈に覚えている。  私の人生の起点であると言っても過言でなかろう。  その後、人生の機軸でなる「新渡戸稲造(1862-1933) & 内村鑑三(1861-1930)」へと導かれ、英文で書かれた『武士道』(新渡戸稲造)と『代表的日本人』(内村鑑三)は、若き日からの座右の書である。  悩める時に、いかに勇気づけ、励まされたことか。

 新渡戸稲造が、愛読したカーライルの『サーター・リサータス:衣装哲学』の『“Do thy Duty, which lies nearest thee, which thou knowest to be a Duty”(汝の義務を尽くせ。汝の最も近くにある義務を尽くせ、汝が義務と知られるものを尽くせ)』と『真に偉大なる人とは、青年と心を結べる人なり』(新渡戸稲造) の言葉の復学である。  今日、ヨハネス・クヌドセン(Johannes Knudsenr、1917-1957)のことが、鮮明に想い出された。「1957年2月10日、神戸港へ向かう貨物船エレン・マースク号(Ellen Maersk)は、航行中、機帆船「高砂丸」が炎上しているのと遭遇。  風速20mを越える強風の中、エレン・マースク号は「高砂丸」乗組員の救助作業に当たる。  機関長として乗り組んでいたクヌドセンは、高砂丸船員を救うべく海中に飛び込み、そのまま波間に没した。」とのことである。  クヌドセンの「勇敢な行動と無私の人間愛」の根拠に感動したものある。

 「今、ふたたび 新渡戸稲造!」講演・田島玲子の「音楽は心の処方箋」(筆者の作詞の『ほっとけ ほっとけ 気にするな』は16曲目に、掲載) リサイタル〜 めざせ 新渡戸セミナーハウス建立、めざせ カーネギー 〜(2021年5月22日)が、企画されるようである。  「冗談を 本気でする 胆力」& 「速効性と英断」には、ただただ感服である。

このブログの人気の投稿

第2回 『何があっても、いつ、どこにあっても なくてはならない人に おなりなさい』

第108回 矢形 寛 先生の生涯 〜「火焔のうちにある 燃料の如く 自ら燃えよ!」〜

第256回 「何かを為そう」vs「何かを為す」 〜 本当に成長する人 〜