第398回 『病気・遺伝病は単なる個性である』 〜 『医療の共同体』を目指す 〜

 2024年4月15日、恵泉女学園のZoom学園学校会議に出席した。 2024年4月16日は、順天堂大学保健医療学部理学療法学科の授業『病理学概論』に赴く。 

 市民公開フォーラム『リンチ症候群当事者の方と一緒につくる医療体制』(国立がん研究センターに於いて)のチラシが送られて来た。 筆者は『リンチ症候群研究会』代表として開会挨拶を依頼された。 今年(2024年)は、『リンチ症候群研究会』設立10周年記念でもある。 

【リンチ症候群研究会設立の趣旨〜今後の展望と期待〜  近年、遺伝性腫瘍に関する注目度が高まり、一般市民にも知られるようになってきており、様々な分野の医療従事者も、その対応を求められつつある。―― 『リンチ症候群』は、『ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする常染色体優性遺伝性疾患である』と定義され、この診断には、免疫組織化学的検査が重要な役割を果たしている。 『リンチ症候群』における免疫組織学的検査は、遺伝子そのものの変異をみる検査ではないが、タンパクの発現により遺伝子変異の予測が可能な検査であり、遺伝に関する指針やガイドラインに沿った検査の実施が必要であると考えられる。 すなわち、安易に免疫組織学的検査を施行し、その結果を患者に伝えることがあってはならない。 各科臨床医・臨床遺伝専門医・病理医が連携を取り、院内体制の構築を検討する必要がある。 これまで本邦では、―― 診療ガイドラインの作成が遅れていたという現状があった。『リンチ症候群研究会』では、リンチ症候群の概要とその診療に関連する情報を提供したいと考えている。】と筆者は、『リンチ症候群研究会設立の趣旨』に述べたものである。

 また、筆者は、『日本結節性硬化症学会』の初代理事長として【『日本結節性硬化症学会』が設立されたのは2012年で、2013年に第1回日本結節性硬化症学会学術総会が開催された。】&【『日本結節性硬化症学会』は、医師をはじめとする医療従事者や研究者と患者および家族の交流を通して、病態学・診断学や治療学の益々の発展をはかり、『病気・遺伝病は単なる個性である』という社会の構築と『医療の共同体』を目指すものである。】と記載した。



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