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第440回 『深い教養』と『高い見識』 〜 『能力を人の為に使う』〜

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 2024年11月29日『新渡戸稲造記念センター』に赴いた。 新渡戸記念中野総合病院理事長 入江徹也先生にお会いした。 新渡戸記念中野総合病院での新渡戸稲造(1862-1933)著『武士道』(矢内原忠雄訳)の読書会が楽しみである。 【新渡戸記念中野総合病院は、故新渡戸稲造博士・故賀川豊彦氏(1888-1960)らにより1932年に創立された。 当院設立の原点は、新渡戸稲造博士の精神を基にした医療を実践し、疾病を抱えた人を真心で支援することを目標とする』& 『新渡戸稲造記念センター』は2019年4月設立された。『新渡戸稲造記念センター』は、新渡戸稲造博士の志しを 日本の国内外へ広め、実践する拠点となります。 センター長には、新渡戸稲造博士の専門家として本邦の第一人者で、新渡戸博士の志を継承して活躍されている樋野興夫先生が就任されました。】と 謳われている。 心温まる紹介には、大いに感動した。  読書会と言えば、2007年12月9日 CAJでの読書会が原点である。 内村鑑三(1861-1930)著『代表的日本人』(鈴木範久訳)と新渡戸稲造著『武士道』(矢内原忠雄訳)の読書会を、毎月交互に開催している。 4巡目である。【発心を忘れずに継続 & 読書は人間をつくるもの & 永遠の生命をもつ本を読め】(新渡戸稲造)の心得である!  内村鑑三の『代表的日本人』、新渡戸稲造の『武士道』、岡倉天心(1863-1913)の『茶の本』(村岡博訳)は、ともに英語で書かれ、日本の文化・思想を西欧社会に紹介したものである。 英語で日本(人)を深く、広く【丁寧に海外に紹介出来た人物】は、この3人ではなかろうか!【『格調高い英語力』と『深い教養』と『高い見識』を備えた】日本が誇れる人物である。   100年後の現代に生きる我々は、『真の国際人の定義』を再考すべき時である。【『真の国際人』とは、『賢明な寛容』を持ち、『能力を人の為に使う』人物】であり、【『内村鑑三・新渡戸稲造・岡倉天心』は、『真の国際人』のモデル】であろう!

第439回 『先人達の知恵の紐解き』 〜 『貴重な生涯の贈り物』〜

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 2024年11月25日は、新渡戸稲造(1862-1933)から学んだ河井道(1877-1953)が、初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長として理事会に出席した。  11月26日は、【福島県立医科大学附属病院 臨床腫瘍センター がん相談支援センター】での、『吉田富三(1903–1973)記念 福島がん哲学外来』に赴く。 順天堂大学病院の外来で『がん哲学外来』が開設(2008年)された翌年(2009年)に福島県立医科大学で『吉田富三記念 福島がん哲学外来』がスタートされた。  【福島県出身の世界的病理学者 吉田富三博士を記念して、博士の孫弟子である樋野興夫先生が『福島がん哲学外来』を開設しました。 がんと共に生きる患者/ご家族の思いや悩みをともに考える“心の診察室”です。『がんと共に生きる意味やコツを 樋野先生が先人達の知恵を紐解き 一緒に考えます。』】とチラシには紹介されている。 ただただ感謝である。   筆者の癌研時代の恩師 菅野晴夫先生(1925-2016) は、吉田富三の愛弟子である。 菅野晴夫先生の下で、2003年『吉田富三生誕100周年記念事業』を行う機会が与えられた。 また菅野晴夫先生は、南原繁(1889-1974)が東大総長時代の医学部の学生であったので、『南原繁の風貌、人となり』を病理組織標本を顕微鏡で診断しながら教わった。 それが、【『吉田富三の生物学』と『南原繁の人間学』を合体】して 『がん哲学=生物学の法則+人間学の法則』に繋がった。 筆者にとって 癌研時代の菅野晴夫先生との邂逅は『貴重な生涯の贈り物』となった。  今年(2024年)は、『吉田富三記念 福島がん哲学外来』15周年である。 来年(2025年2月5日)、【『第10回臨床腫瘍セミナー』:『丁寧な大局観 〜 風貌を見て、心まで診る 〜』】が予定されている。 吉田富三は【『病理学という専門分野を極め、さらにまた、医療制度や国語政策にも取り組み、重要な提言を行っている。 また、『人体の中で起こっていることは、社会と連動している』といい『がん細胞に起こることは必ず人間社会にも起こる』】といっている。 ここに、【『がん哲学』と『がん哲学外来』の源流】がある。

第438回 『語り合う』 〜 『何故に』&『何の為に』〜

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 2024年11月23日『東中野キングス・ガーデン』での【『第3回中野区がん哲学連絡会シンポジウム:デスカフェ 〜 死と生を語り合う場 〜 その可能性を考える』】に赴いた。【〜 豊かな生、良き死はどこに 〜 『死について語る場があったら良いと思いますか? どんな場で、どんなことができたら良いでしょうか? 今回は茶菓をいただきながら、皆さんで そんなことを考えてみたいと思っています。』】と紹介されていた。 会場は満席であった。  想えば、2014年3月26日 wifeとロンドン大学で、Death Caféの提唱者:Mr.Jon Underwoodのお話を聴き、その後、筆者は講演【がん哲学 〜 われ21世紀の新渡戸稲造とならん 〜(Cancer Philosophy 〜 I want to become the Nitobe Inazo(1862〜1933) of the 21 century 〜)】の機会が与えられた。 会場は一杯であった。 Mr.Jon Underwoodより【Dear Dr. Hino  It was wonderful to meet you. I really enjoyed your lecture and the event as a whole. I hope you enjoyed your visit to the UK. I hope we will stay in contact. It will be interesting to see if/ when Death Cafe makes it to Japan.】との心温まるメールが届いた。 Mr.Jon Underwoodは、2017年6月27日ご逝去された。  筆者にとって『クオリティー・オブ・デス(死の質)』は、【死んだら『勝海舟〈1823 - 1899)・新島襄(1843 – 1890)・内村鑑三(1861 - 1930)・新渡戸稲造(1862 - 1933)・南原繁(1889 - 1974)・矢内原忠雄(1893 - 1961)・吉田富三(1903 - 1973)・菅野晴夫(1925 - 2016)・Alfred Knudson(1922 - 2016)』と10人で、天国でカフェを開催する夢である。】  筆者は、幼年時代から 今は亡き母に【誕生の年の初夢に富...

第437回 『連続の大切さ』 〜 『どんな境遇、状況でも 前進できる』 〜

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  2024年11月20日、【新渡戸記念中野総合病院 新渡戸稲造記念センター長】を務める筆者は、『がん哲学外来 in 新渡戸稲造記念センター』での個人面談に赴いた。 大変貴重な時となった。 筆者は、クボタショックの2005年、順天堂大学で『アスベスト・中皮腫外来』を開設する機会が与えられた。 そして、2008年、順天堂大学で『がん哲学外来=患者さんや そのご家族と面談し、苦しみを和らげる』が開設された。   2019年3月、順天堂大学病理・腫瘍学教授を定年退職して名誉教授を拝命した翌月『新渡戸稲造記念センター』が設立された。【『新渡戸稲造記念センター』は、東京医療利用組合(現・東京医療生活協同組合)の初代組合長(理事長)である新渡戸稲造(1862-1933)博士の志こころざしを 日本の国内外へ広め、実践する拠点となります。『新渡戸稲造記念センター』のセンター長には、新渡戸稲造博士の専門家として本邦の第一人者で、新渡戸博士の志を継承して活躍されている樋野興夫先生が就任されました。】と紹介されている。 今年(2024年)は『がん哲学外来 in 新渡戸稲造記念センター』創立5周年記念でもある!  筆者に、強い印象を与えた言葉は『ボーイズ・ビー・アンビシャス』(boys be ambitious)である。 札幌農学校を率いたウィリアム・クラーク(1826-1886)が、その地を去るに臨んで、馬上から学生に向かって叫んだと伝えられている言葉である。 クラーク精神が生んだ内村鑑三(1861-1930)、新渡戸稲造、南原繁(1889-1974)、矢内原忠雄(1893-1961)を若き日から学んできたものである。  『病理医の道 〜 尺取虫運動:自分のoriginal pointを固めてから、後ろの吸盤を 前に動かし、そこで固定して 前部の足を前に進める。 かくて いつも自分のoriginalityを 失わないですむ。』は、『どんな境遇、状況でも 確実に 前進できる人物になれ』の心得であろう。  【新渡戸稲造記念センター設立の歴史的大事業】を実感する。 『人知を超えて、時が進んでいる = 連続の大切さ』を痛感する日々である。

第436回 『不思議な出会い』 〜 『教育の心得と実践』 〜

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 2024年11月13日 順天堂大学で大学院修士課程(英語)講義『Overview of Human Pathology and Oncology 病理腫瘍病態学概論:Environmental cancer 環境因子とがん』を行った。   授業中、中国の留学生から『パンダは、日本にいますか?』との ユーモア溢れる質問をされた。 授業後、早速 順天堂大学事務局の方から【上野公園のパンダですが、9月末にリーリーとシンシンが中国に返還となりましたが、シャオシャオとレイレイの2頭がいるそうです。】との心温まる回答を頂いた。   その後 新幹線で東京駅→新大阪駅 そして宝塚駅に向かった。 宝塚のホテルで宿泊し、11月14日早朝、宝塚を散策した。 午前中は、神戸女学院(西宮市)の中高部(約830名の出席)と 大学生、午後は同窓生 向けの講話『初めに、ことばがあった。』(ヨハネの福音書1章1節)の機会が与えられた。 大変充実した『3連ちゃん症候群』となった。   授業で、【筆者は、2007年から読書会を始めた。 新渡戸稲造(1862~1933)『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)と内村鑑三(1861-1930)『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めている。 新渡戸稲造の『読書は人間をつくるもの(『読書と人生』) & 永遠の生命をもつ本を読め(『人生読本』)】をさりげなく語った。 授業後に面談に来られた学生に【『偉大なるお節介症候群認定証』 & 『チャウチャウ症候群認定証』】を授与した。 有意義な旅となった。  今回の企画をされた西岡麻祐子先生 & 安野とも子先生には、ただただ感謝である。 想えば2023年、安野とも子先生の司会で『川之江ふれあい交流センター』で講演【がんと生きる講演会:『賢明な寛容』 〜 『不思議な出会い』 〜】の機会が与えられ 多数の出席者であった。 大いに感動したものである。  まさに、『自分の力が人に役に立つと思うときは進んでやれ』(新渡戸稲造)は、『教育の心得と実践』であろう。

第435回 『創る & 育てる』 〜 『空の上飛ぶホトトギス』 〜

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 2024年11月6日 筆者は、新座市立新堀小学校校長 若林寿先生の企画で、新座市立新堀小学校6年生の授業に赴いた。 授業の前に、図書室で【『沈黙の春』レイチェル・カーソン/著・青樹簗一/訳】の本を見た。 『環境問題のバイブル』と言われる、アメリカの海洋生物学者:レイチェル・カーソ(Rachel Carson 1907-1964)の『沈黙の春(Silent Spring)』(1962年)が出版され、日本語訳は、『戦後初代東大総長であった南原繁(1889-1974)のご長男:南原実 氏(1930-2013))よって出版されている(ペンネーム 青樹簗一)。【殺虫剤と農薬などの化学物質の危険性を訴えた作品。『沈黙の春』とは、鳥達が鳴かなくなって生き物の出す物音の無い春』。 自然破壊に警告を発した先駆書】と謳われている。  校長室には 『未来を創る、こどもたち』 『未来を育てる、わたしたち』 〜 未来への責任 〜 と掲示してあった。 大いに感動した。  授業の後、校長室で面談の時を持った。『樋野動物園』の話で盛り上がった。若林先生は、早速、『空の上飛ぶホトトギス』と『速効性と英断』で決定された。『胆力』には、ただただ感服である。 まさに、『自分の力が人に役に立つと思うときは進んでやれ』(新渡戸稲造:1862~1933)の実践であろう。  筆者は、2007年から読書会を始めた。 新渡戸稲造『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄訳)と内村鑑三(1861-1930)『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めている。 若林先生も参加されている。 まさに、【『良書を読み、有益な話を聞き、心の蔵を豊かにする』(新渡戸稲造)で、 『行動への意識の根源と原動力』をもち、『はしるべき行程』と『見据える勇気』】である。

第434回 『愛と信頼の道』〜『教育の原点』〜

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 2024年11月1日 筆者は、午前中 病理医としての定例の病理組織診断業務を担当した。 順天堂大学に寄って、池袋駅→清瀬駅から新堀小学校の若林寿校長との面談に向かった。 11月6日の新堀小学校6年生の授業『がん教育』の打ち合わせを行った。【2人に1人が がんになる時代を迎え、文部科学省は新学習指導要領に『がん教育』を明記し、2021年度から中学校、高校、さらに小学校でも授業を本格化されている。】  昨年、2023年11月7日 新座市立新堀小学校の校長 若林先生の企画の『開校50周年記念音楽 & 映画鑑賞教室』(体育館に於いて)に赴いた。 6年生と生徒の保護者、映画『がんと生きる言葉の処方箋』製作者、本の編集者、地域の教員も参加されていた。   筆者は、生徒に【『涙とともに パンを食べた者でなければ人生の味は分からない』(ゲーテ:1749-1832)、ゲーテを こよなく敬愛したスイスの作家 ヨハンナ・シュピリ(1827-1901)の『アルプスの少女ハイジ』(『ハイジ、クララ』の『自己形成小説』)の現代的意義は、『喜んで無邪気に 小さなことに大きな愛を込める』、また『愛がなければ全ては無意味である』】と さりげなく語ったものである。  若林寿先生は、東久留米での定例の読書会【新渡戸稲造(1862-1933)著『武士道』(1899年;矢内原忠雄訳) & 内村鑑三(1861-1930)著『代表的日本人』(1908年;鈴木範久訳)】にも参加されている。  『新時代の形成力』&『指導的原動力』の学びの時でもある。『愛と信頼』を置き、『真の人の道』を導くのが、 まさに、『教育の原点』であろう! 今回も、大変有意義な貴重な『新堀小学校の訪問』となった。  11月2日は、日本薬史学会主催の公開講演『がん患者を支えるために ~ がん哲学外来から ~』(帝京大学板橋キャンパス)に赴く。