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第399回  逆境に立ち向かう 〜 人生を拓くカギ 〜

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 2024年4月20日午前中、早稲田大学エクステンションセンター中野校での講座を担当した。 テキストは、『新渡戸稲造 壁を破る言葉: 逆境に立ち向かう者へ40のメッセージ』(三笠書房 出版)を使用した。 今回は、【第1章『逆境にどう立ち向かうか』〜 1節 天をうらむな  2節 自分の使命を見つけた人は強い  3節 苦難こそが人生を拓くカギ  4節 一喜一憂しないのが達人の生き方〜】の箇所を、受講者と音読しながら、質疑応答の時を持ち、進めた。 有意義な充実した時であった。  4月20日午後は、定例の『東久留米がん哲学外来』(CAJのキャンパス)、その後『読書会』(East Sideカフェ)に赴いた。『東久留米がん哲学外来』は、2008年からスタート、読書会は2007年からスタートした。 継続の大切さを実感する日々である。『東久留米がん哲学外来』では、2組(3人)の個人面談の時が与えられた。 初参加者も6名おられ、大変貴重な時となった。  今回の読書会は新渡戸稲造著『武士道』(矢内原忠雄訳)の第2章『武士道の淵源』であった。【『武士道の源にあるもの』として、『仏教の影響』、『神道の影響』、『孔子・孟子の影響』、『陽明学の影響』、ニーチェの『山脈の如きの日本人の本質』】で、大いに話が盛り上がった。  筆者は若き日に、【『仏教の影響』 〜 生に執着しない気概 〜、『神道の影響』 〜忠誠心と愛国心 〜、『孔子・孟子の影響』 〜 人生に応用できてこその学問 〜『陽明学の影響』〜 個性的品格と冷静なる情操 〜、ニーチェの『山脈の如き』の平原のような人 → 個性がない、山脈のような人→ 個性にあふれる】と学んだものである。  本当に日々勉強である。 今回の箇所は、5巡目である! 毎回、新たなる学びが与えられる。 【人生邂逅の3大法則 ~ 良き先生(重心)& 良き友(外心)& 良き読書(内心) ~】を実感する。 新渡戸稲造の思想は、まさに、『人生とは、心の持ち方なのだ』との復学である。

第398回 『病気・遺伝病は単なる個性である』 〜 『医療の共同体』を目指す 〜

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 2024年4月15日、恵泉女学園のZoom学園学校会議に出席した。 2024年4月16日は、順天堂大学保健医療学部理学療法学科の授業『病理学概論』に赴く。   市民公開フォーラム『リンチ症候群当事者の方と一緒につくる医療体制』(国立がん研究センターに於いて)のチラシが送られて来た。 筆者は『リンチ症候群研究会』代表として開会挨拶を依頼された。 今年(2024年)は、『リンチ症候群研究会』設立10周年記念でもある。  【リンチ症候群研究会設立の趣旨〜今後の展望と期待〜   近年、遺伝性腫瘍に関する注目度が高まり、一般市民にも知られるようになってきており、様々な分野の医療従事者も、その対応を求められつつある。―― 『リンチ症候群』は、『ミスマッチ修復遺伝子の生殖細胞系列変異を原因とする常染色体優性遺伝性疾患である』と定義され、この診断には、免疫組織化学的検査が重要な役割を果たしている。 『リンチ症候群』における免疫組織学的検査は、遺伝子そのものの変異をみる検査ではないが、タンパクの発現により遺伝子変異の予測が可能な検査であり、遺伝に関する指針やガイドラインに沿った検査の実施が必要であると考えられる。 すなわち、安易に免疫組織学的検査を施行し、その結果を患者に伝えることがあってはならない。 各科臨床医・臨床遺伝専門医・病理医が連携を取り、院内体制の構築を検討する必要がある。 これまで本邦では、―― 診療ガイドラインの作成が遅れていたという現状があった。『リンチ症候群研究会』では、リンチ症候群の概要とその診療に関連する情報を提供したいと考えている。】と筆者は、『リンチ症候群研究会設立の趣旨』に述べたものである。  また、筆者は、『日本結節性硬化症学会』の初代理事長として【『日本結節性硬化症学会』が設立されたのは2012年で、2013年に第1回日本結節性硬化症学会学術総会が開催された。】&【『日本結節性硬化症学会』は、医師をはじめとする医療従事者や研究者と患者および家族の交流を通して、病態学・診断学や治療学の益々の発展をはかり、『病気・遺伝病は単なる個性である』という社会の構築と『医療の共同体』を目指すものである。】と記載した。

第397回 『胆力の育成』 〜 『練られた品性と綽々たる余裕』 〜

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 2024年4月12日、病理診断業務に赴いた。『風貌を見て、心の状況まで読む』が病理診断の心得であり、顕微鏡観察は『癌細胞の病理と人間社会の病理=生物学と人間社会』の原点である。 臨床医でない病理学者が『がん哲学外来』を創設出来た原点がここにある。『不思議な人生の流れ』である。  【人間の身体の出来と、その心情の動きとは、昔も今も変ってはいないのである。 超近代的で合理的といはれる人でも、病気になって、自分の死を考へさせられる時になると、太古の人間にかへる。 その医師に訴へ、医師を見つめる目つきは、超近代的でも合理的でもなくなる。 静かで、淋しく、哀れな、昔ながらの一個の人間にかへるのである。】の学びを実感する日々でもある。  4月13日は、筆者は、定例の『お茶の水メディカル・カフェ in OCC』に赴く。 7組の個人面談の予約があるとのことである。 スタッフの皆様が、『賢明な寛容と配慮=多様性のある居場所』を常に心に留めて、真摯に対応されている故である! まさに、『練られた品性と綽々たる余裕=お茶の水メディカル・カフェ in OCCの真髄』である。  1. 世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見通せるようになる。 2.俯瞰的に「がん」の理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材となる。 3.複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔く人材となる。 『お茶の水メディカル・カフェ in OCC』は、2012年にスタートした。 今年(2024年)は、12周年記念である。 この度、『OCCカフェ 12周年記念誌』発行される運びとなった。【『冗談を本気で実現する胆力の育成』は、『お茶の水メディカル・カフェ in OCCの心得と原点』】であろう!  これが、『お茶の水メディカル・カフェ in OCC』の人材育成ではなかろうか!

第396回 『人と文化の掛け橋』 〜 『他人の苦痛に対する思いやり』 〜

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 2024年4月8日 筆者は恵泉女学園の理事長として、午前は、第80回中学校入学式、午後は、高等学校入学式に出席した。 中学校入学式には保護者も参加されていた。 会場は満員であった。 生徒の真摯な姿勢には、大いに感動した。   4月9日は、順天堂大学保健医療学部 理学療法学科2年生の授業『病理学概論』を担当した。 教室には多数の学生が履修していた。 【『がん病理学』 は『がん』に関しての学問で、『形態』、『起源』、『進展』などを追求する学問分野である。 当然がん研究者だけのものでなく、一般社会の人々の為の学問でもある。 がん病理学者が『がん』をどの様に考えるかは、とても大切なことである。 なぜなら『がん』に対する概念が世界観、人生観、ひいては日常の決断や行動をも時には決定するからである。『がん』の『起源』 と『進展』を学ぶことは、ある意味では人生の意義と目的の『静思』へとも導くものと考える。 これこそ、『がん病理学者の社会貢献』である。】と説明した。  学生から筆者の故郷について質問をされたので、【今から1312年前、712年に編纂された『古事記』に登場する、医療の原点を教えてくれる大国主命の出雲大社から、8キロほど、峠を越えて美しい日本海に面した小さな村が、私の生まれ育った出雲市大社町鵜峠である。 隣の鷺浦地区と合わせて、鵜鷺(うさぎ)と呼ばれている。 713年に編纂が命じられたという『出雲国風土記』にも登場する歴史ある地である。】と答えた。  『古事記』の『因幡の白兎』に登場する大国主命の現代的意義については、【医療の発祥:『最も剛毅なる者は最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なる者である』とは、『高き自由の精神』を持って医療に従事する者への普遍的な真理であろう。『他人の苦痛に対する思いやり』は、医学、医療の根本である。】とさりげなく語った。 筆者は、島根県から遣島使(島根と全国との『人と文化の掛け橋』)を委嘱されているので、出雲大社については、講演会で紹介することにしている。 大変有意義な充実した貴重な授業『病理学概論』となった。

第395回 『患者・医療スタッフとの対話のモデルケース』 〜 『リーダーの胆力』 〜

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 2024年4月4日、OCC(お茶の水クリスチャン・センター)での『東京国際朝祷会』(8:30〜10:30)に招待された。【全国朝祷会の働きの中で、全国の各地域で週一度の朝の祈り会が、自主的に開催されていて、参加者は、教派、教団を超えた地域の信徒、牧師の区別なく共に祈りの課題を掲げて執り成しの祈り会です。 すべて自発的、自主的に皆さんが参加されています。―― 1957年大阪で始まり、現在、全国133会場で開催されています(毎週29会場、月2回16会場、月1回87会場、不定期1会場)。】と謳われている。  2002年 山崎製パン総合クリエイションセンター(千葉県市川市)に於いて、講演の機会を与えられた。『医師の2つの使命 〜 学者的な責任 & 人間的な責任 〜』の趣旨で語った。 飯島延浩 山崎製パン社長も出席され、大変想い出深い、一時となった。 飯島延浩社長と講演する機会が与えられた。『リーダーの清々しい胆力』を学んだものである。 会場は大盛況であった。  想えば、飯島延浩社長とOCCの隣のレストランで、『がん哲学外来・カフェ』について面談し、榊原寛(1941-2020)先生を紹介されたのが 鮮明に思い出された。   『お茶の水 がん哲学外来・メディカルカフェ in OCC』は、東日本大震災の2011年に創設準備がなされ、2012年に当時OCC副理事長であった 今は亡き榊原先生が始められた。 筆者は、2012年5月26日(土)にOCCでの第1回『お茶の水メディカル・カフェ in OCC』に出席した。  榊原寛先生の『お茶の水メディカル・カフェ』の案内文には、【『患者・医療スタッフ・専門家との対話を重視したサロン形式のカフェ』。提唱者は順天堂大学教授 樋野興夫先生。 OCCでの開設がモデルケースとなればと願っています。』】と紹介された。   今年(2024年)『12周年記念誌』が製本される。 『継続の大切さ』を実感する日々である。 当時、順天堂大学医学部教授であった筆者にとっては、『隣接するOCCとの繋がりは 不思議な人生の出会い』となった。

第394回 『人生の真髄=内から湧き出るjoy』 〜 『訪れる人を 温かく迎え入れる』 〜

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 2024年3月31日佐賀県佐賀市鍋島の佐賀バイブルチャーチ(牧師:入江喜久雄先生)での【イースター(復活祭)礼拝 & 『がん哲学外来カフェ』講演会】に招待された。 イースター礼拝(10:30〜12:00)は、題『もしかすると、この時のため』 & 講演会(13:00〜14:30)は、題『正論より配慮〜役割意識と使命感』であった。 韓国からの歯科医、台湾から、福岡県の看護師も参加されていた。 【《講師からの一言》『役割意識 & 使命感の自覚』と『練られた品性と綽々たる余裕』は『人生の真髄』である。 『他人の苦痛に対する思いやり』&『病気であっても病人ではない』は、根本である。 人間は自分では『希望のない状況』であると思ったとしても、『人生の方からは期待されている存在』であると実感する深い学びの時が与えられている。 『表面的なhappy』vs『内から湧き出るjoy』の違いの考察の時ではなかろうか! 樋野興夫先生をお迎えし『生きる希望』のメッセージをお届けいたします。】と紹介されていた。 『鍋島がん哲学外来・カフェ』が開設される予感がする。 佐賀が生んだ人物に関しては、【鍋島直正(1815-1871):肥前佐賀藩10代藩主。 藩校の弘道館を拡充し優秀な人材を育成し登用するなどの教育改革、農村復興などの諸改革を断行した。 大隈重信(1838-1922):政治家・教育者で、早稲田大学の創設者であり、初代総長を務めた。】と記述されている。. 【『真理は円形にあらず、楕円形である。一個の中心の周囲に描かるべきものにあらずして、二個の中心の周囲に描かるべきものである。— 人は何事によらず 円満と称して円形を要求するが、天然は 人の要求に応ぜずして 楕円形を採るはふしぎである。』(内村鑑三)また、勝海舟の奥さん(たみ)の言葉『悲しい時には 私達の所へいらっしゃい、一緒に泣きましょう、そしてあなたが 仕合せな時には 一緒に笑いましょう。さあ勇気をお出しなさい、—— これから先の長い年月のことは考えず、今日という日以外には 日がないと思って ただ毎日をお過ごしなさい』】は、『訪れる人を 温かく迎え入れる=がん哲学外来・カフェ』の原点でもある。

第393回 『喜んで愛を込める』 〜 人生の味 〜

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 2024日3月23日『お茶の水(OCC)メディカル・カフェ』(添付)の後、池袋パセラ本店での『カラオケ大会』に赴いた。 その前に『放映50周年記念特別 アルプスの少女ハイジ展』(東武百貨店 池袋店)に寄った(添付)。『アルプスの少女ハイジ』は、『涙とともに パンを食べた者でなければ 人生の味は分からない』(ゲーテJohann Wolfgang von Goethe、1749-1832)』を敬愛したヨハンナ・シュピリ(Johanna Spyri:1827-1901)の作品である。『アルプスの少女ハイジ』の現代的意義は『喜んで 無邪気に 小さなことに 大きな愛を込める。』であろう。  『カラオケ大会』には、40歳から90歳まで、幅広い年齢構成で、12名が参加された。 大いに感激した。今回は『がん哲学外来ながれやまカフェ代表 達磨インコ:春日井いつ子氏』が担当され、『とら(虎)三国浩晃氏』、『白イルカ(ベルーガ):細川護氏』、『むつごろう:西田千鶴美氏』、『聞き上手な・セキセイインコ: 末永佑仁氏、【スルメ3姉妹:『がん哲学外来あびこカフェ店長 ピグミーマーモセット 中野綾子氏』&『目白カフェ代表 春風のようなゴリラ & カバ 森尚子夫妻』&『食いしん坊のコツメカワウソ 戸田裕子氏』も参加された。  夕食しながら、3時間(17:00〜20:00)で、全員、自分で選んだ曲を熱唱された。 筆者は【『くちなしの花』&『おまえに』&『すきま風』】を歌った(添付)。 そして【『有楽町で逢いましょう』&『銀座の恋のものがたり』&『北の旅人』】を『達磨インコ』とジュエットする機会が与えられた。 『むつごろう』は、森昌子の『せんせい』(作詞:阿久悠、作曲:遠藤実)を歌われ、 ―― 慕いつづけた ひとの名は せんせい せんせい それは『樋野先生』 ―― 胸をいためた ひとの名は せんせい せんせい それは『樋野先生』 ―― そっと教えた ひとの名は せんせい せんせい それは『樋野先生』 と皆様で熱唱され、大いに盛り上がった。 涙なくして語れない! 『365日の紙飛行機』で終えた。『人生忘れ得ぬカラオケ大会』となった。