第499回 『相手を思いやる心』 〜 『向上心のある虫』 〜

 2025年9月19日、病理組織診断業務を行った。【『病理学』 は 『形態』& 『起源』& 『進展』などを追求する学問分野である。 病理組織診断は、『風貌を診て、心まで読む = 人生の根幹を追求する』】でもある。 顕微鏡観察は、『細胞の病理と人間社会の病理 = 生物学と人間社会 = がん哲学』の原点である。

 今朝 『アスベスト中皮腫外来』を取材された新聞記者の方から連絡があった(添付)。【筆者は、クボタショックの2005年、順天堂大学の病院の外来で『アスベスト・中皮腫 外来』を開設する機会が与えられた。 そして、2008年1月順天堂大学の病院の診察室で、無料の外来で『がん哲学外来=患者さんや そのご家族と面談し、苦しみを和らげる』が開設された。】『不思議な人生の流れ』である。【『がん哲学外来』は『“がん”も単なる個性 〜 患者さんに寄り添い、対話を 〜』を実践し、『相手を思いやる心』&『患者に対する慈愛の心』の姿勢を貫いて『純度の高い専門性と社会的包容力 〜 病気であっても、病人ではない 〜』社会構築を目指す。】である。『医療者と患者の隙間を埋める = First Contact Team』の時代的要請を痛感する日々である。


 【『虫が虫の生態現象を、その住家である泥の立場からだけ論じる場合 それが学問的と呼ばれます。 しかし、『向上心のある虫』が 空に浮かぶ雲の立場から虫の生態を考察するとたん、学問的という形容詞は付かないのです』(1888年 新渡戸稲造:1862-1933)。 今も昔も勇気のある『向上心のある虫』は少ないようである。『何かをなす(to do)の前に 何かである(to be)ということをまず考えよということが(新渡戸)先生の一番大事な考えであったと思います』と語り、『日本の将来の命運』をかけて『なすべきことをなそう』と『洞窟』から出ていった南原繁(1889-1974)の『練られた品性』を静思して学ぶべき時ではなかろうか。 『洞窟の哲人 出でよ!』

 『人の一生は 始めがあり、中があり、終がある = 開いた扇のようである』。 【境遇の変化にあまりに一喜一憂すれば 心労となり、押しつぶされて『見上げても見飽きない楡(ニレ)の木』(新渡戸稲造)にはなれない。】


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