第473回 ギブ・アンド・テイク(Give and take) 〜 小さなことに、大きな愛を込める 〜
2025年5月7日 新渡戸稲造記念センターから順天堂大学保健医療学部 診療放射線学科で『病理学総論』と『がん医療科学』の2コマの授業に赴いた。 教科書『カラーで学べる病理学』を音読しながら 約120名の学生と【循環障害:『出血』&『血液凝固と血栓症』&『塞栓症』&『虚血と梗塞』&『浮腫』&『ショック』】を学習した。 真摯な学生の姿勢には、大いに感動した。
『がん医療科学』では、筆者の『がん細胞から学んだ生き方 〜「ほっとけ 気にするな」のがん哲学』(へるす出版)を用いて【がん細胞が語る人間社会:『がんは身の内』&『生きている以上、がんは避けられない』&『がん細胞の動きは尺取り虫』&『がん細胞はギブ・アンド・テイク(Give and take)の実践者』&『進歩するがんの治療法』&『天寿がんの時代』&『がん細胞同士はバランスを保つ』&『楕円形の生き方』&『アダムとイブが伝えるもの』&『人間は120歳を超えられない』】、さらに【『がん哲学』での『言葉の処方箋』:『アスベスト・中皮腫外来に関わる』&『2008年、「がん哲学外来」がスタートする』&『「がん哲学」という名称』】の箇所を音読しながら進めた。 多数の質問が寄せられ、全力を尽くして返答した。
筆者の故郷は何処ですかと聞かれた。【島根県出雲大社鵜峠出身である。今から約1300年前、712年に編纂された『古事記』に登場する、医療の原点を教えてくれる大国主命の出雲大社から、8キロほど、峠を越えて美しい日本海に面した小さな村が、私の生まれ育った出雲市大社町鵜峠である。隣の鷺浦地区と合わせて、鵜鷺(うさぎ)と呼ばれている。 713年に編纂が命じられたという『出雲国風土記』にも登場する歴史ある地である。 鵜峠は、無医村で小学校も中学校も廃校になった。 現在では人口約30名、60%の空き家の鵜峠。 海辺に行き、日本海を眺めながら、『何故に、この母から この世に、生まれたのか ?』 & 『何の為に、この地で、生まれたのか?』を 深く静思したものである。】
授業とは『小さなことに、大きな愛を込め 高度な専門知識の習得 & 丁寧な観察力の修練の場』であると さりげなく語った。 学生の風貌には、感激した。