第412回 『本質的な見直し』 〜 目的は高い理想に置き、到達する道は臨機応変に 〜
2024年6月24日、新渡戸稲造記念センター in 新渡戸記念中野総合病院(中野区中野)から、恵泉女学園 (世田谷区の経堂)の理事会に向かった。 恵泉女学園の食堂で昼食をした。 食堂で、多数の生徒が 友達と楽しく 会話しながら食事をしている姿を拝見し 大いに感激した。
女子教育に 大いなる理解を示した新渡戸稲造(1862~1933:東京女子大学 初代学長)が、河井道(1877~1953:恵泉女学園 創立者)、津田梅子(1864~1929:女子英學塾 創立者)、安井てつ(1870~1945:東京女子大学 第2代学長)を援護した三人に共通するのは『種を蒔く人になりなさい』の実践であろう。
筆者は、2021年7月1日、新渡戸稲造から学んだ河井道が、初代学園長である恵泉女学園(創立1929年)の9代目理事長を拝命した。 新渡戸稲造の『優雅な感情を養うは、他人の苦痛に対する思いやりを生む。しかして他人の感情を尊敬することから生ずる謙遜・慇懃(いんぎん)の心は礼の根本をなす』が鮮明に蘇って来たものである。
河井道は自著『わたしのランターン』の終わりに『時がくると、それは別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。』と記述している。『恵泉の未来を語る会』が立ち上がる予感がする。
『目的は高い理想に置き、それに到達する道は臨機応変に取るべし』(新渡戸稲造)、『古いものには、まだ再活用される要素があるのである』(内村鑑三:1861~1930)の教訓が今に生きる。 医学生、病理医 時代の読書遍歴は、内村鑑三・新渡戸稲造・南原繁(1889~1974)・矢内原忠雄 (1893~1961) の著書であった。思えば、『人生邂逅=非連続性の連続性』である。
『すべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています』(ローマ人への手紙8章28節)の体験である。 まさに『本質的な人間教育の見直しの時代的到来』であろう。