第386回 『旧と新を融合する読書』 〜 真醇なるものが生起する 〜

 今日(2024年2月23日)は『天皇誕生日の休日』である。 筆者は2019年8月 日本病理学会中国・四国支部主催『第20回病理学夏の学校:病理学の原点に触れる』(奥道後 壱湯の守 に於いて)での特別講演『病理学の温故創新 〜 医学・医療の懸け橋 〜』の機会が与えられたことが、今朝、鮮明に想い出された。

 中国・四国の10大学から約120名の医学生の参加があり、熱心に聴き入る学生の真摯な質問に全力で対応した。 特に『学生時代における読書のあり方』についての核心を突く質問があり、【『毎日寝る30分前には医療と関係のない書物を読みなさいと言われ実践してきた。 筆者の若き日の『内村鑑三(1861-1930)・新渡戸稲造(1862-1933)・南原繁 (1889-1974)・矢内原忠雄(1893-1961)の4人の読書遍歴』を述べ『揺らぐ日本を思い、骨太に読み切る読書の習慣】を奨めたものである。『自らの生き方を見つめ直す貴重な夏の学校』となった。


 想えば、南原繁没30周年記念事業として、今は亡き鴨下重彦(1934-2011)先生らと月1回の『南原繁全集10巻の読書会』始めたのが、2004年4月15日であった。 早20年の歳月がながれた。 年1回公開シンポが企画されている。 筆者は、2004年にスタートした『南原繁研究会』【初代代表、鴨下重彦先生、東京大学名誉教授、国立国際医療センター名誉総長)、第2代代表、加藤節先生(成蹊大学名誉教授)】の3代目の代表を2019年 南原繁生誕130周年を祝し、仰せつかることになった。

【新渡戸稲造の教えに従って 自己の内面を深化させていくなかで、内村鑑三に出会った南原繁は『人間性の完成』を目指した。『良い先生・良い友・良い読書』は『人生の邂逅の3つの法則』である。『南原繁が何を為し、語ったのかの学び』は、今の日本国に於いて緊要な『偉大なる理想』】となろう。【新渡戸稲造の学びからみる『ぶれぬ大局観の獲得は 教育の真髄』であろう。『ビジョンは人知・思いを超えて進展する】ことを痛感する日々である。『進歩と保守の一致する所、旧と新との融合する所、そこに真醇なるものが生起する』(内村鑑三)の言葉が身にしみる、今年の『天皇誕生日の休日』となった。

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