第360回 『はしるべき行程』 〜 常に志を忘れない 〜
2023年11月16日『新渡戸稲造記念センター in 新渡戸記念中野総合病院』から、東京女子大学(Tokyo Woman's Christian University)の理事会に向かった。 2箇所の共通点は新渡戸稲造(1862-1933)である。
筆者は順天堂大学医学部定年退職後(現在 順天堂大学名誉教授)【2019年4月、東京医療生活協同組合に『新渡戸稲造記念センター』が設立されました。『新渡戸稲造記念センター』は、東京医療利用組合(現・東京医療生活協同組合)の初代組合長(理事長)である新渡戸稲造博士の志こころざしを日本の国内外へ広め、実践する拠点となります。『新渡戸稲造記念センター』のセンター長には、新渡戸稲造博士の専門家として本邦の第一人者で、新渡戸博士の志を継承して活躍されている樋野 興夫先生が就任されました。】との心温まるお招きを頂いた。
筆者は、【2003年に初版『われ21世紀の新渡戸とならん』、2018年に新訂版、2019年4月には 英語版『I Want to Be the 21 st Century Inazo Nitobe』が発行されることになった。 タイミング的には『新渡戸稲造記念センター長』就任記念ともなった。 驚きである。 ― 私に強い印象を与えた言葉は、『ボーイズ・ビー・アンビシャス』(boys be ambitious) である。 ― クラーク精神が新渡戸稲造、内村鑑三(1861-1930)を生んだことも知らぬまま、ぽっと希望が灯るような思いであったものである。 その後、新渡戸稲造・内村鑑三、南原繁(1889-1974)、矢内原忠雄(1893-1961)を静かに学んできた。 ― すべての始まりは『人材』である。『はしるべき行程』と『見据える勇気』、そして世界の動向を見極めつつ、高らかに理念を語る『小国の大人物』出でよ! ここに、『新渡戸稲造記念センター』の開設の歴史的意義があろう!】と挨拶したものである。
東京女子大学は1918年創立。 初代学長は新渡戸稲造である。 女子教育に 大いなる理解を示した新渡戸稲造が、河井道(1877-1953;恵泉女学園 創立者)、津田梅子(1864-1929;女子英學塾 創立者)、安井てつ(1870-1945;東京女子大学 第2代学長)3人を援護した。『最も必要なことは、常に志を忘れないよう心にかけて記憶することである』(新渡戸稲造)を実感する日々である。