第334回 『真の国際人』 〜 すがすがしい思いになれるような 話ができる人物 〜

 2023年7月24日の朝日新聞の朝刊の1面に『減る女子大 問われる役割』、2面に『女子大活路を探る』に大きな記事が掲載されていて 筆者のコメント『卒業後に働き続ける女性が増え、一般職から総合職へという流れがある。 先輩のつながりや学部選択の広さなどの観点から、就職とその後のキャリアにも有利と考え、共学を選ぶ女性が増えた面はある』も、記載されていたとのことである。

 7月26日、千葉県の柏地域医療連携センターでの『がん哲学外来』に赴いた。【がんの悩みを病院の外で心おきなく話したい『がん哲学外来』は、がん患者、経験者、ご家族のための対話の場です。 樋野興夫先生と ゆっくり語り合ってみませんか?】と謳われていた。 3組の面談の機会が与えられた。 

 終了後 スタッフの皆様と、昼食の時を持った。【岡倉天心(1863-1913)と横山大観(1868-1958)が ニューヨークのブロードウェイを歩いている時のエビソード:ボストン美術館から招聘を受け渡米した際、街中で若いアメリカ人が『お前たちは何ニーズだ? チャイニーズ? ジャパニーズ? ジャワニーズ?』とアジア人に対する非礼な声掛けをしてきた。 それに対して岡倉天心は、流暢な英語で『我々は日本の紳士だ。 お前たちこそ何キーか? ヤンキー? ドンキー? モンキーか?』と切り返した。 一緒にいた横山大観は、すがすがしい思いになった。『誰かが何かを言った時、どう答えるか。 そこに一緒にいた人間が すがすがしい思いになれるような 話ができる人間になれ』】の話で大いに盛り上がった。

 筆者は、若き日から、英語で書かれ、日本の文化・思想を西欧社会に紹介した内村鑑三 (1861-1930)の『代表的日本人』(1894年)、新渡戸稲造 (1862-1933)の『武士道』(1900年)、岡倉天心の『茶の本』(1906年)を 繰り返し熟読したものである。 英語で、日本(人)を深く、広く、丁寧に 海外に紹介出来た人物は、この3人ではなかろうか!  この3人は『英語力と教養』を備えた 明治以降の 日本が誇れる人物である。『真の国際人のモデル: 内村鑑三・新渡戸稲造・岡倉天心』を痛感する今日この頃である。

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