第299 回 『未来への懸け橋』 〜 境界に立ち、隙間を埋める 〜

  【NHKスペシャル 立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む(2009/11/23)の再放送(2023年2月14日)】を拝聴された方から、多数の励ましの心温まるコメントを頂いた。 特に『樋野先生のお若いこと、九十九回病理学会を思い出しました。』には、筆者が、【第99回日本病理学会総会(2010年4月27日-29日)(京王プラザホテル):「広々とした病理学-深くて簡明、重くて軽妙、情熱的で冷静-」】の大会長を務めたのが、今回鮮明に想い出された。『病理の100年を振り返って』(菅野晴夫先生) の特別企画、特別講演「科学の一般性、物語の一般性『2.5人称の視点』が拓くものー」(柳田邦男氏)。市民公開シンポ(4月29日)『がん医療-時代は何を求めているか?』では、立花隆氏『がんと私』の講演で会場の熱気が、ひしひしと伝わって来たものである。 筆者は【『臨床医と患者・市民』との『懸け橋』として、現代は、如何なる領域・分野においても、『陣営の外』に出て、境界に立ち、隙間を埋める『懸け橋』が求められているのではなかろうか? 本当の『隙間』は『人間の幅』であり、人間の勇気ある一歩によって、渡れるものと感ずる今日この頃である。『広々とした病理学』は『悠々と謙虚』を生み『対立的な違いを対称化』し『未来への懸け橋』となることであろう。】と語ったものである。

 2023年2月15日、オンライン会議『日中医学協会 広報委員会』に出席した。 筆者は、機関誌『日中医学』の2020年度Vol 35『日中におけるがんの告知~がんゲノム医療時代を迎えて』を企画する機会が与えられ、テーマは【『日中の懸け橋』~「日中のがん告知の現状と相違」~】であった。 筆者は2017年、北京大学腫瘤病院で拙著『がん哲学外来で処方箋を』の中国語訳出版記念講演会(北京大学出版社主催)に招待された。 


 講演は、中国全土に、ネットで、同時放映されたようである。 北京大学腫瘤病院が作成された広報文章も、ネットで放映されたとの連絡を頂いた。『本書は「人生」の本質を探究し、「愛」の意味を追求するものである。――、きっと本書から専門的な知識や心の癒しを得ることができると信じる。』&『臨床医学または医学教育の重要な実践であり、――。医学の核心を示している。』との身に余る文章を主催者から頂いた。 ここに、『がん教育』の在り方の原点があろう!『日中の懸け橋』になれば望外の喜びである。


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