第297 回 『共同体の理想像』 〜 異なる文化や社会を寛容に受け入れる 〜

 偶然に2023年2月7日号『クリスチャントゥデイ』で、筆者の2011年5月19日の、東大YMCAでの『がん哲学』セミナー記事を拝見した。


【国内で初めて『がん哲学外来』を開設した順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授の樋野興夫氏が19日、東大YMCAで『がん哲学』セミナーを行った。 セミナーでは『がん哲学』について、人間の体内細胞の変異から生じる『がん』という病気の『形態』『起源』『進展』が社会における人間関係・集団行動の過程に適用できることが説明された。】と記述されていた。

【『がん哲学』とは若き日から学び続けている南原繁(戦後初代の東大総長;1889〜1974)の『政治哲学』と吉田富三(元癌研所長・東大教授・佐々木研究所長;1903〜1973))の『がん哲学』をドッキングさせたものです。『がん哲学=生物学の法則+人間学の法則』です。『がん哲学外来』とは「生きることの根源的な意味を考えようとする患者と がんの発生と成長に哲学的な意味を見出そうとする『陣営の外』に出る病理学者の出会いの場」です。『がん哲学外来』の目的は、医師や家族などが自由な時間をもって患者とより深く対話していくことです。】と語った。 また【世界の国々が それぞれひとつの体の中のそれぞれの器官の役割を 成すように関係し合えば、平和な社会が出来上がっていくでしょう。 その中での日本の立場は『肝臓』であるべきではないかと思います『日本肝臓論』。『肝臓』という器官は 切られてもすぐに再生し、また異物に寛容な性質があります。 さらに、解毒・代謝作用があります。 日本という国自体も同様に 一部が機能しなくなったとしてもすぐに再生し、また異なる文化や社会を寛容に受け入れていく必要があり、しかも理念がしっかりしている。 そうなるとき世界に重用されるようになっていくでしょう。― そのような『社会のがん化』を防ぐ唯一の活路として『共同体の理想像』=『使命に燃える細胞集団』となっていくことが必要ではないでしょうか。― マイナス×マイナス=プラス! ― 一方、消極思考・マイナス思考の人同士が 会話をすることでもプラスのものが 生むことができるのです。】とある。

『あなたの隣人を、あなた自身のように愛せよ』(ルカ10章27節)の『善きサマリア人』が鮮明に蘇る日々である。

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