第291回 試練に耐える ~ 内において取り返す ~

 2023年1月12日夜、『今、テレビで上杉鷹山の山形を放送しています。2013年 駐日米国大使に就任した長女キャロライン・ケネディが、父のジョン・F・ケネディが大統領就任の時、日本の新聞記者が「日本で最も尊敬する政治家はだれですか」と質問したら、ケネディは「上杉鷹山です」と答えたエピソードをしていました。』との連絡を頂いた。 驚きである。 

 2020年の【第124回「楕円形の心」〜『代表的日本人』の再確認と深い学び 〜】には、【― 今年は、山形県米沢でwifeとの講演が企画されている。 筆者は、テーマとして『21世紀の上杉鷹山の現代的意義』を語って見たいものである。 内村鑑三著の『代表的日本人』に「上杉鷹山」が記述されている。 英語版『代表的日本人』を「ケネディ大統領」は、熟読し『尊敬する日本人として「上杉鷹山」を語った。 そして、オバマ大統領が、ケネディ大統領のキャロラインを駐日大使に任命し、在任中に米沢を訪問した』と聞かされたものである。】とある。 今秋(2023年)山形県米沢で講演「興譲の精神 ~ 賢明な寛容 ~」を依頼された。 本当に、不思議である。

 『なせば成る なさねば成らぬ何事も 成らぬは人のなさぬ成りけり」は上杉鷹山(1751-1822)の有名な名言である。 内村鑑三 (1861-1930)の『デンマルク国の話』の「外に失いしところのものを 内において 取り返すを得べし」の言葉が甦った。 内村鑑三は、札幌農学校で新渡戸稲造(1862-1933)と同級生であり、アメリカに留学し、帰国後、いくつかの学校で 教鞭をとるが、いわゆる「不敬事件」が社会問題化し、一方、自身も病を得、教壇から去ることになる。 しかし 不遇をかこつ 何年かの間に 数多くの著作、論説を発表し、幅広い分野に 影響を及ぼした。 この時期に書かれた『Representative Men of Japan』(『代表的日本人』)は、新渡戸稲造の『武士道』とならぶ、世界のベストセラーになった。 まさに、「試練に 耐える人は 幸いです。」(ヤコブ 1章 12節)である。 

 2007年12月9日、CAJで読書会をスタートしたのが筆者の原点でもある。 今も、新渡戸稲造著『武士道』(1899年)(矢内原忠雄 訳)と 内村鑑三著『代表的日本人』(1908年)(鈴木範久 訳)の読書会を、毎月交互に開催している。 それぞれ3巡目であろうか?  「読書の重要性」と「継続の大切」を痛感する日々である。                                                                 

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