第229回  あくせくしない態度 〜 人生の意義と目的の『静思』〜

  2021年12月14日、武蔵野大学看護学部1年生(有明)の『病理学』の対面授業に赴いた。『癌細胞の病理』&『人間社会の病理』の相関を述べた。

【『がん学』 は「がん」に関しての学問で、『形態』 、『起源』、『進展』などを追求する学問分野である。当然がん研究者だけのものでなく、一般社会の人々の為の学問でもある。がん研究者が『がん』 をどの様に考えるかは、とても大切なことである。なぜなら『がん』に対する概念が世界観、人生観、ひいては日常の決断や行動をも時には決定するからである。「がん」の『起源』 と『進展』を学ぶことは、ある意味では人生の意義と目的の『静思』 へとも導くものと考える。これこそ、『がん研究者の社会貢献』 である。】と、

 また、『「最も剛毅なる者は最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なる者である」とは、「高き自由の精神」を持って医療に従事する者への普遍的な真理であろう。「他人の苦痛に対する思いやり」は、医学、医療の根本である。』と語った。

さらに、「偉大なるお節介症候群」(10ヶ条)を示した。

  1)「役割意識&使命感」

  2)「練られた品性&綽々たる余裕」

  3)「賢明な寛容さ」

  4)「実例と実行」

  5) 世の流行り廃りに一喜一憂せず、あくせくしない態度

  6) 軽やかに、そしてものを楽しむ。自らの強みを基盤とする。

  7) 新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する。

  8) 行いの美しい人(a person who does handsome)

  9)「冗談を実現する胆力」〜 sense of humor の勧め 〜

10)「ユーモアに溢れ、心優しく、俯瞰的な大局観ある人物」

そして、「医療者の2つの使命~」を挙げた。

1)「学問的、科学的な責任」で、病気を診断・治療する→学者的な面

2)「人間的な責任」で、手をさしのべる→患者と温かい人間としての関係

 真摯な学生の態度には、大いに感激した。 大変充実した講義であった。

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