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10月, 2021の投稿を表示しています

第222回 『教育の10か条』 〜 思いやり 〜

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 2021年10月25日、筆者は、理事長を仰せつかっている恵泉女学園の理事会、評議員会に赴いた。  新渡戸稲造(1862~1933)から学んだ河井道(1877~1953)が、初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。  『恵泉』誌を頂いた。  「『わたしのランターン』〜『種を蒔く人になりなさい』〜」は、好評にようである。  『恵泉』誌を拝読された方から、「感動しました」との連絡を頂いた。  特に『教育の10か条』に感銘されたとのことである(下記)。  涙無くして語れない!  ただただ感謝である。 「教育」: 10カ条 1) 世界の動向を見極めつつ歴史を通して今を見ていく 2) 俯瞰的に理を理解し「理念を持って現実に向かい、現実の中に理念」を問う人材の育成 3) 複眼の思考を持ち、視野狭窄にならず、教養を深め、時代を読む「具眼の士」の種蒔き 4) 自分の研究に自信があって、世の流行り廃りに一喜一憂せず、あくせくしない態度 5)軽やかに、そしてものを楽しむ。自らの強みを基盤とする。 6) 学には限りないことをよく知っていて、新しいことにも、自分の知らないことにも謙虚で、常に前に向かって努力する。 7) 段階ごとに辛抱強く、丁寧に仕上げていく。最後に立派に完成する。 8) 事に当たっては、考え抜いて日本の持つパワーを充分に発揮して大きな仕事をする 9) 自分のオリジナルで流行を作れ! 10) 昔の命題は、今日の命題であり、将来のそれでもある。  まさに、「本質的な人間教育の見直し」の時代的様相である。  新渡戸稲造は、「『最も剛毅なる者は最も柔和なる者であり、愛ある者は勇敢なるものである』とは普遍的に真理である。」と述べている。  「他人の苦痛に対する思いやり」は、教育の根本であろう。

第221回 人生というステージ 〜 新しい事をする 〜

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 2021年10月16日の秋田大学での第4回「日本メディカルビレッジ学会」にオンライン参加された、千葉県在住の息子さんが医師である お母様から、 『メディカルビレッジの3つの支え「医療介護支援・生活支援・旅立ち支援」というコンセプトが 現実のものとなっていくには、フラットな対話が今後さらに必要だと思わされました。  最後に 樋野先生がおっしゃっていた医療維新という言葉に 共感いたしました。』 との 大いに勇気付けられる 感動的なメールが届いた。  「見よ。わたしは新しい事をする。  今、もうそれが起ころうとしている。」(イザヤ43章19節)の『言葉の処方箋』も頂いた。  この度、『週刊現代』2021年10月23日・30号167頁(発売2021年10月18日)に 筆者の言葉が記載されていたと、森尚子 氏(目白がん哲学外来カフェ 代表)から記事が送られてきた。  また、福原俊二郎 氏 (柏がん哲学外来 スタッフ)からは、[樋野興夫先生の記事:順天堂大学名誉教授で新渡戸稲造記念センター長の樋野興夫氏が語る。  「所詮、私たちには死ぬときに畳一枚ほどの墓場しか残らない。  当たり前の話ですが、医者だってすべてを見通せているはずがありません。  全摘をしたほうがいいか、他の治療法を選んだほうがいいかは、確率論なのです。  100%の確信があって患者に治療方針を提示しているわけではない。  たしかに、がんを見つけるなり切ろうとする医者は大勢います。  それは日本に昔からある、『外科偏重』のあらわれでもある。  いつも医者が正しい道を示してくれるわけではありません。  患者も医者の言葉を鵜呑みにせず、ときには拒否することも必要なのです。  ※この樋野興夫先生の記事は、週刊現代30号の「小倉智昭氏の『決断』について考える…あなたは、医者の言葉をどこまで聞くべきか」の部分に掲載された文章です。]との親切なメールが届いた。  ただただ感謝である。  また、読者からは『「週刊現代」の記事を拝読いたしました。  樋野先生の言葉の処方箋「馬から降りて花を見る」を思い出します。  自分の価値観や考え以外の視点をもつことの大切さを考え、反省...

第220回 『青森の旅』 〜 『偉大なるお節介症候群』 〜

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 この度、環境科学技術研究所 理事長 島田義也 先生の招きで、2021年10月12日 「青森県六ヶ所村 地域家庭医療センター」で、2021年10月13日午前 「泊地区ふれあいセンター」、午後 「六ヶ所村文化交流プラザ」で講演の機会が与えられた。   スタッフの皆様の熱意には感激した。  多数の聴講者であった。  質問も多数あり、大変有意義な貴重な時であった。  島田義也 先生の真摯な姿には、大いに感服した。  島田義也 先生とは、長い付き合いで、筆者の『われ21世紀の新渡戸とならん』(2003年)を愛読され、当日も持参された。 涙無くしては語れない! 筆者にとって、青森県六ヶ所村は、初めての訪問であった。  新幹線 七戸十和田駅に 迎えに来て頂き、帰りも、七戸十和田駅へと、片道約1時間は掛かる運転を務めて頂いた佐々木聡子 氏、また、会場への移動の運転を担当して頂いた向井香緒里 氏には、ただただ感謝である。  早速、御2人には『偉大なるお節介症候群』認定証が授与された。 まさに「もしかしたらこの時の為」の実践であろう。  来年は、『Medical Village』の市民公開シンポジウムが企画される予感がする。 今回の『新幹線の旅 〜 東京 ←→七戸十和田 〜』、『車の旅 〜 七戸十和田←→ 六ヶ所村』から見る畑、森林の景色には、筆者の故郷が彷彿され、忘れ得ぬ『青森の旅』となった。

第219回  富士山が見える 〜 写真日めくり 〜

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 この度、新刊『写真日めくり (Daily readings & photo calendar) 〜 人生を変える言葉の処方箋 (Prescriptive Words to Change Your Life) 〜』(英訳付き)が、出版される運びとなった。 御茶ノ水の書店の販売コーナーの写真が送られてきた。  大いに感激した。  早速、新渡戸記念中野総合病院の理事長・病院長 入江徹也 先生から「毎日、日めくりで拝読しています。」との嬉しい、励ましのメールを頂いた。  10月16日『日本Medical Village学会』を 主催される秋田大学医学部 柴田浩行 教授と秋田大学医学系研究科 医学部学務課から、『第2部は 故郷の医療を考える 中高生の作文コンクールです。  応募作文より、最優秀賞(2名、うち1名「樋野賞」)、優秀賞(2名)、佳作(2名)を発表します。  受賞者には賞状をお渡しします。  樋野賞には賞状に「最優秀賞(樋野賞)」と記載させていただきます。  また、副賞として「最優秀賞(樋野賞)」には先生の近著である「日めくり言葉の処方箋」を、加えて受賞者全員に 野澤和之監督よりご提供のDVD「がんと生きる言葉の処方箋」を副賞として贈呈いたします。  さらに 応募者全員に参加賞(ボールペン)を贈呈予定です。』の連絡を頂いた。  大いに感服した。  歴史的大事業となろう!   本書が、台所に置かれ、出勤前などに毎日拝見されればと願う。 2021年10月5日 バス旅行『樋野先生と行く富士山が見える』ツアーが「クルーズバケーション」の高橋謙三 氏によって企画された。  筆者は、wifeと参加した。  本来は、『いい人生は、最後の5年で決まる』(SB新書)のベトナム語訳本が出版されたので、それを記念して『ベトナムの旅』であった。  コロナ流行で、海外旅行は、無理となり、内村鑑三 生誕160周年を兼ねて『北海道の旅』と変更されたが、それも中止となり、今回の旅となった。  山梨県の「グレープハウス」での 美味しい「ぶどう🍇食べ」は、大変有意義な時となった。  皆様との記念写真は、人生の忘れ得ぬ良き想い...

第218回 教育の原点 〜 長所を伸ばす 〜

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 2021年9月27日午前、 筆者がオーガナイザーを務める順天堂大学医学部の大学院博士過程の腫瘍医学『Tumor Medicine (Oncology)』の授業を行った。  到達目標は、「腫瘍学の系統講義と それに関連した演習・実習により、がん研究の基礎から臨床まで 一通りの知識について理解を深める。  Cancer is a heritable disorder of somatic cells.  The accumulation of mutations, which are likely to occur during continuous cycles of cell division, may eventually transform some cells through a multi-stage process.  In the cell, there is the oncogene and the anti-oncogene (tumor suppressor gene) that balance each other out.  Like so, two opposites constitute a fine balance to maintain stability in an organism.」と記載している。  筆者は、『イントロダクション』で、「オーバービュー・がん研究の歴史(分子生物学、ウイルス発がん、動物モデルなど)」を述べ、癌学事始:山極勝三郎(1863-1930)、吉田富三(1903-1973)、Alfred Knudson(1922-2016)について語った。  多数の質問もあり大変有意義な時であった。  終了後、筆者が理事長を務める恵泉女学園の理事会に向かった。  2021年9月28日『柏がん哲学外来』(柏地域医療連携センターに於いて)に赴いた。  個人面談、スタッフと2021年10月23日に開催される『柏地区がん哲学外来面談9周年記念集会』の打ち合わせで、大いに盛り上がった。  乞うご期待である。   2021年9月29日 順天堂大学医学部1年生の『M1文化の中の健康 〜 がん哲学 〜』(順天堂大学大学院 ...