第186回 社会で生きるコツ 〜「新しいことを見いだすチャンス」〜
今週(2021年2月16日)、新聞記者の取材を受けた。 想えば、同じ記者から 2005年、筆者が 順天堂大学で『アスベスト・中皮腫外来』の開設、2008年『がん哲学外来』の開設の時も 取材を受けたものである。 不思議な出会いと 時の流れである。 「真のがん研究者」の基本精神は、「先楽後憂ではなく、先憂後楽であるべき」であると語ったのが、鮮明に蘇ってきた。 今回は、「コロナショックの蔓延化の日々、新型コロナウイルスの“ある”社会で生きるコツ」であった。 「コロナ疲れ」、「コロナ適応障害」という言葉も 広まっているようである。 『いじめ』問題が 指摘されている。 外面より 内面を重視し「愛を以てこれを貫く」訓練の時ではなかろうか!
1933年3月3日に 三陸で地震の大災害があったと記されている。 その時、 新渡戸稲造(1862-1933)は 被災地 宮古市等沿岸部を 視察したとのことである。 その惨状を 目の当たりにした 新渡戸稲造は「Union is Power」(協調・協力こそが力なり)と 当時の青年に語ったと言われている! 今にも生きる言葉である。 時代の波は 寄せては返すが「人の心と 歴史を見抜く 人格の力出でよ!」である。 勝海舟(1823-1899)の『世間の騒擾に一喜一憂せず「綽々たる余裕」』で「過度な不安の風貌」を示さず 「最善を尽くす胆力」が「真のリーダー」であろう! いつもと 変わらず 「ブレない人物の訓練」こそが、まさに「コロナ時代」の実践ではなかろうか!
筆者は、「日本国のあるべき姿」として「日本肝臓論」を展開している! 日本国=肝臓という「再生」論に、行き詰まりの日本を打開する具体的なイメージが 獲得されるであろう! 人間の身体と臓器、組織、細胞の役割分担と お互いの非連続性の中の連続性、そして、傷害時における全体的な「いたわり」の理解は、世界、国家、民族、人間の在り方への 深い洞察へと誘うものである! 政治的・経済的な問題と、人間の問題を 合わせて考える 時代には「はしるべき行程」と「見据える勇気」が大切である。 「1.幅の広さ 2.弾力性に富む 3.洞察と識見のひらめき」の学習の時でもある。 「コロナ時代を生きるコツ」は、「3年後、10年後、20年後に『もしかして あのときの苦難は、このときのため』と思える」ような、「新しいことを見いだすチャンス」かもしれない!