第158回 現代に求められる教養 〜 人生の邂逅 〜

 順天堂大学 Zoom授業『がん医療科学』に赴いた。 教科書に『楕円形のこころ 〜 がん哲学エッセンス 〜』(春秋社)を用いて音読した。 今回の箇所は、「楕円形の精神で生きる:楕円形は懐が深い、尊いいのち、ほんものの教え、人生の目的を考える、多様性の統一、肝臓から学ぶ平和論」、「がん哲学を考える:あなたの細胞、がんは賢い、がんの姿、がん哲学の誕生」であった。 多数の真摯な質問があった。「先生は、何故、多数の本を書かれるようになられましたか?」との真剣な問いもあり、振り返ってみた。

 筆者の最初の本は『われ21世紀の 新渡戸と ならん』(イーグレープ刊 2003年)である。 思えば、筆者は、学会関係の広報誌の編集後記を 依頼され 3年間(2001〜2003年)にわたって 連載した文章が『われ21世紀の 新渡戸とならん』として出版された。 その編集スタッフと 最初に出会ったのは、 1999年であったようである。 1999年は、筆者が 今は亡き 原田明夫 検事総長と 出会った年でもある。 そして、2000年 国連大学で 新渡戸稲造(1862~1933)の『武士道100周年』記念シンポジウムを開催した。2020年の今年は「イーグレープ」から新刊の発行とのことである。本当に、不思議な人生の邂逅である。
1年間、ある新聞に 連載された『21世紀のエマオへの道 〜 先人の志を継承しつつ』の「単行本化」が、『がん哲学』(to be 出版、2004年3月7日発行)となった。「to be 出版」の語源は、「『何かをなす (to do) 前に、何かである (to be) ということを まず考えよ』ということが、(新渡戸稲造 先生の)一番大事な 考えであったと思います」(南原繁)から 誕生している。 その後、『現代に求められる教養 を問う 〜 新渡戸稲造、南原繁、矢内原忠雄、吉田富三に学ぶ 〜』(鴨下重彦 編 2005年3月7日発行)、『南原繁と現代 〜 今問われているもの』(南原繁研究会 編 2005年3月7日発行)も「to be 出版」の名で発行された。 3月7日は 筆者の誕生日でもある。

 今週、幻冬舎から 日本語版『明日この世を去るとしても、今日の花に~』の、韓国版(韓国の翻訳出版)の重版決定の 知らせを受けた。 驚きである。

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