第143回 「Union is Power」(協調・協力こそが力なり) 〜 現代社会に生きる「叡智」〜

 コロナショックの蔓延化の日々である。「泣くのに時があり、ほほえむのに時がある。 嘆くのに時があり、踊るのに時がある」の厳しい現実である。 今は、まさに「泣く時、嘆く時」であろう。 87年前の193333日に 三陸で地震の大災害があったと記されている。 その時、 新渡戸稲造(1862-1933)は 被災地 宮古市等沿岸部を 視察したとのことである。 その惨状を 目の当たりにした 新渡戸稲造は「Union is Power」(協調・協力こそが力なり)と 当時の青年に語ったと言われている。 まさに、今にも生きる言葉である。 時代の波は 寄せては返すが「人の心と 歴史を見抜く 人格の力出でよ!」。まさに、「今、ふたたび 新渡戸稲造 」の時で なかろうか!

 2020年は、新渡戸稲造 国際連盟事務次長 就任(1920年)100年周年である。 新渡戸稲造、台湾総督府に招聘されて 台湾に渡り、農業の専門家として サトウキビの普及、改良、糖業確立へと導く。 また、東大教授と第一高等学校校長の兼任、東京女子大学学長などを歴任した。 そして第一次世界大戦後、国際連盟設立に際して、初代事務次長に選任され、世界平和、国際協調のために 力を尽くしている。 世界中の叡智を集めて設立した「知的協力委員会」(1922年)には 哲学者のベルグソンや物理学者のアインシュタイン、キュリー夫人らが委員として参加し、各国の利害調整にあった この「知的協力委員会」の後身がユネスコである。 『新渡戸稲造 生誕150周記念事業「21世紀の知的協力委員会」』が 設立された(2012年)。筆者は、議長とのことである。 思えば、癌研時代、今は亡き 原田明夫 検事総長と、2000年『新渡戸稲造 武士道100周年記念シンポ』、『新渡戸稲造生誕140年』(2002年)、『新渡戸稲造没後70年』(2003年)を、企画する機会与えられた。 順天堂大学に就任して、2004年に、国連大学で『新渡戸稲造 5000円札さようならシンポ』を開催したのが 走馬灯のように駆け巡ってくる。 2020新渡戸稲造 国際連盟事務次長就任100年周年 記念事業」 時代的要請ではなかろうか!。 2020年は、新渡戸稲造著『武士道』出版120周年でもある。 

 新渡戸稲造記念センター長としての 筆者の新渡戸記念の~『言葉の院外処方箋』が、新渡戸記念中野総合病院のHPに、先週から、掲載された とのことである。 乞うご期待である。 第1回は「人生いばらの道、されど宴会」である。「ビジョン」は人知・思いを超えて進展することを 痛感する日々である。「進歩と保守の一致する所、旧と新との融合する所、そこに真醇なるものが生起する」(内村鑑三:1861-1930)の言葉が、現代社会に生きる「叡智」として身にしみる 今日この頃である。 2020年は、内村鑑三没90周年でもある。

このブログの人気の投稿

第2回 『何があっても、いつ、どこにあっても なくてはならない人に おなりなさい』

第108回 矢形 寛 先生の生涯 〜「火焔のうちにある 燃料の如く 自ら燃えよ!」〜

第381回 『よくみる よくきく よくする』〜 寄り添う いい言葉 〜