第138回 「新渡戸稲造センター ニュースレター 第5号」 〜 『犠牲と奉仕』 〜

「新渡戸稲造センター ニュースレター 第5号(2020年4月1日)春号が送られて来た。 星野昭江 先生の編集力には、ただただ感服である。 理事長 & 病院長:入江徹也 先生の『「新渡戸稲造記念センター」創設1周年に寄せて』、伊勢崎市民病院 外科診療部長:片山和久 先生の『人生の邂逅 〜 不連続の連続性』、近畿中央病院 病理診断科:安原裕美子 先生の『新渡戸稲造記念センター 長 樋野先生へのメッセージ』、日本対がん協会 事務局次長の中村智志氏の『真理は 円形にあらず』の文章には、大いに感動した。筆者は、新渡戸稲造記念センター長として、『新渡戸稲造読書会 in 新渡戸記念中野総合病院』を記述した。


  入江徹也 先生の「新渡戸記念中野総合病院」の創立 「創立者:新渡戸稲造 (1862 - 1933) & 賀川豊彦 (1888 - 1960) (1932年) は、大変勉強になった。 新渡戸稲造は、1918年 東京女子大学の初代学長に 就任している。 第1回 卒業式では『犠牲と奉仕』:「全生涯を通じて 守るべき主義です」、『「犠牲と奉仕」という二つの精神が あってこそはじめて 動物が人間となること を感じます』(東京女子大学100年史より)を 語っている。 まさに、「個性と多様性」である。 因みに「樋野動物園」には、現在、既に、約60人(匹)が、入園とのことである。 驚きである。「多角的な性格から 現れ出づる多面的な、観察と識見」(新渡戸稲造)であり、これこそ、ユーモア(you more)の実践であろう。「色々な情報が 飛び交う 今、本物を見分ける方法」が 求められる 最近の社会的状況の中では、「新渡戸稲造 = 高邁なる識見と、該博なる知識と、崇高なる人格」は、時代的要請であろう。

 新渡戸稲造は、国際連盟 事務次長(1920 〜 1926)も務める。国際連盟 事務次長時代の新渡戸稲造が 設立したのが「知的協力委員会」である。 世界中の叡智を集めて設立した「知的協力委員会」には 哲学者のベルグソンや 物理学者のアインシュタイン、キュリー夫人らが委員として参加し、各国の利害調整にあった この「知的協力委員会」の後身が ユネスコである。 思えば、癌研時代、今は亡き 原田明夫 検事総長と、2000年『新渡戸稲造 武士道100周年記念シンポ』、『新渡戸稲造生誕140年』(2002年)、『新渡戸稲造没後70年』(2003年)、さらに 『新渡戸稲造 5000円札さようならシンポ』(2004年)を 国連大学で開催したのが 走馬灯のように駆け巡ってくる。「新渡戸稲造読書会 in 新渡戸記念中野総合病院」を「21世紀の知的協力委員会」にするのが、筆者の夢でもある。「自分の力が 人に役に立つと思うときは 進んでやれ」 (新渡戸稲造)の実践である。

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