第133回 軸にブレがない尺取り虫 〜「がん哲学」〜


 223日(日)午後、「がん哲学外来 花一輪カフェ 開所3周年 記念講演会」に赴いた(千葉県八千代市勝田台に於いて)。

 筆者は、第1部で、講演『がん哲学外来の原点=「病気であっても病人ではない」を考える』の機会が与えられた。 第2部は、『花一輪カフェスタッフによる「がん哲学外来への思いと使命」』であり、第3部は、『花一輪ミニコンサート「心に響く歌と朗読」』であった。 多数の参加者で、会場は満席であった。主催者の上田由紀子 氏を はじめスタッフの皆様の「胆力」には、ただただ 感服である。 終了後は、スタッフの皆様との夕食の時をもった。 次回の講演会までに『小冊子「花一輪カフェ」を製作しよう』との話で、大いに盛り上がった。本当に有意義な、楽しい一時であった。

 先日の「アエラ」を読まれ、次に、癌研時代の連載「内なる敵」(1992年)を読まれた方から、複数の感想が寄せられた。
「樋野先生の30年前の文章を読ませて頂き、ありがとうございます。 本の色が褪せていても、樋野先生の言葉には今でも命が宿っていると感じました。 軸にブレがない尺取り虫のように、樋野先生は がん哲学を成長させ続けて来られたことに、とても感動しました。」。 
「先生の若き日の医学癌論文は凄いです。凄いとしか言いようが有りません。 固い内容の中に聖書の箇所があちこちに挿入されています。 文語体で。 何度も何度もこれからも読み続けます。セピア色したコピーが泣かせます。」。
言葉の持つ力はすごいですね。良いもの正しいものは、時代を超えて普遍的だと言うこともよくわかります。― 樋野先生が信念をもって続けてこられたご活動は尊いものであり、いま、多くの人が救われている、という事実は間違いなく、言葉の持つ力や教育の力の素晴らしさを感じて感動しております。」 
 驚きである。1992年 月刊誌『いのちのことば』に、「内なる敵 〜 いかにして癌は起こるのか 〜」の連載である。これが、今の「がん哲学・外来」に繋がった。30年前の思いが鮮明に蘇ってきた。 人生邂逅の連続で、人生の不思議な出会いであることを、実感する日々である。



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