第126回 「過渡的日本の指導原理」と「新時代の形成力」 〜「がん哲学」の原点 〜

 埼玉医科大学での「小江戸がん哲学外来」に赴いた。「小江戸がん哲学外来」は、今は亡き矢形 寛 先生 が、2016年11月に開設された。大学の職員と奥様が、矢形 寛先生のご遺志を引き継ぎ継続されている。個人面談には、大学の職員と一緒に奥様も同伴してくださり、大変、充実した有意義な時であった。 某出版社から、取材を受けた。『「がん哲学外来」での活動を通して、がん患者やその家族の心のサポートを 続けていらっしゃいます先生に、がん哲学外来の目的や 対話をすることの重要性や、がんになっても 前を向いて生きるためには、がんを どのようにとらえ、受け入れたらいいのか、がんと ともに生きるために、本人の意識や、社会のあり方としては どんなことが求められるのか、などについてお話を お伺いできたらと思います。』とのことでった。

 土曜日の午後、『第5回 がん哲学外来メディカルカフェ「風林火團」』(山梨県立図書館に於いて)に赴いた。

 講演と個人面談を行った。 八ヶ岳、長野県松本市からも来て下さり、多数の参加者であった。 スタッフの熱意には、大いに感動した。 夕食会も楽しい一時であった。 甲府からの富士山も眺めた。「懇親会にもお残り下さり、親しく会話に応じて頂き、感謝致します。」との心温まるメッセージを頂いた。「がん哲学外来市民学会、日本地域連携システム学会、日本メディカルビレッジ学会」も 大いに話題となった。いつか、開催される予感がする。

 日曜日の午後は、東久留米がん哲学外来、読書会である。今回は、新渡戸稲造 著『武士道』の第16章『武士道なお生きるか』である。「過渡的日本の指導原理」と「新時代の形成力」の学びの場である。一方「我が国民が 深遠なる哲学を欠くことの原因は~我が青年の或る者は 科学的研究においては すでに世界的名声を博したるにかかわらず、哲学の領域においては いまだ何らかの貢献をなしていない ~ 武士道の教育制度において 形而上学の訓練を 閑却せしことに求められる。」ともある。筆者が、今から20年前に「がん哲学」提唱した、原点は此処にある。

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