第58回 日本癌学会 『長與又郎賞』受賞講演 〜 広範ながん研究 〜

 第 77 回日本癌学会学術総会「極めたるで! がん研究」(2018年9月27日〜29日;学術会長:森正樹 大阪大学大学院 消化器外科 教授、大阪国際会議場 &リーガロイヤルホテル大阪 に於いて) に参加した。筆者はこのたび、「長與又郎 賞;2018 年度 受賞者」に選ばれた。
 長與又郎賞は、「日本癌学会の創立者にして 偉大な がん研究者 長與又郎博士を 記念して、日本癌学会に 長與又郎賞を設立する。長與又郎賞は、原則としてがんの臨床ならびに 社会医学に関連する 優れた業績を挙げた 研究者の功績を讃えるものとする。」とある。筆者の受賞理由は、「貴殿は発がん研究に立脚した 肝がん 腎がん 中皮腫などの優れた基礎研究と その成果の臨床応用 社会還元 並びに 患者に寄り添う がん医療の推進に貢献されました」と表彰状には、記載されていた。授賞式の後、壇上で受賞講演「環境発がんから 臨床応用に至る 広範ながん研究」の機会が与えられた。

 『日本の病理の特徴「総合的共同研究:一つの問題を 多くの研究者が 多方面を分担して 総合的共同研究に 努めつつある。 重大な問題に関して一教室、一研究所のみならず 全国の教室、研究所が 互いに連絡をとり 相寄り相助けて 問題の解決に努めつつあることは、我が病理学会の美風であります。 此の点は 誇りに足るところであります。」』(長與 又郎 1921年:日本病理学会総会会長の挨拶)と、今は亡き恩師、菅野晴夫 先生から学んだ言葉を紹介した。
 また、今は亡き アメリカ時代の恩師 Knudsonの『科学者の心得 5箇条』も語った。

『医療者の 2つの使命』
1.「学問的、科学的な責任」で、病気を診断・治療する→ 学者的な面
2.「人間的な責任」で、手をさしのべる→ 患者と温かい人間としての関係
『病気(がん)も 単なる個性 である』&『病気であっても 病人ではない』
『個性が 引き出される 〜 心に咲く花 〜』
を、発表の最後のスライドで提示した。

 早速、『本日は 誠におめでとうございました。また、素晴らしい ご講演を有難うございました。とても勉強になりました。長與又郎先生のことは、私も調べたいと思います。』と、温かい励ましの コメントをいただいた。


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