第52回 「心温まる 丁寧な返答」 〜 『非政治的領域からする 政治的発言』〜

 『新薬と臨床』(2018年8月号)を、編集者が持参された。特集『“対話”が生む力 〜 カフェという支援のかたち 〜 』 の「Vol.1 がん哲学外来メディカルカフェ」で、筆者の『File No. 152 医療の“隙間”を埋めるために 〜「がん哲学外来」10周年を迎えて 「がん哲学外来メディカルカフェ」の役割 〜』、「まちなかメディカルカフェ in 宇都宮 代表」の 平林かおる 先生(栃木県立がんセンター病理診断科)の『File No. 153 “まちなかメディカルカフェ”を開店して』および、編集部の『REPORT メディカルカフェの魅力とは? 〜 まちなかメディカルカフェ in 宇都宮 〜』が掲載されていた。「まちなかメディカルカフェ in 宇都宮」は、今年、開設5周年を迎えられるとのことである。その熱意には感動した。

 「東村山 がん哲学外来 メディカル・カフェ 4周年 記念会『〜個性を引き出す〜』」に招待された(東村山市民ステーション「サンパルネ」コンベンションホールに於いて)。第1部の、西原広史先生(慶應義塾大学医学部 腫瘍センター・ゲノム医療ユニット 特任教授)による基調講演『がんゲノム医療』は、「純度の高い専門性と社会的包容力」のある、最先端の医療の格調高い内容であった。会場からは、「真摯な質問」もあり、西原広史先生の「心温まる 丁寧な返答」は、参加者には、大変勉強になる「がん教育」の授業となったことであろう。筆者は、総括『病気も単なる 個性である!』の機会が与えられた。多数の参加者の笑顔には、大いに心が慰められた。第2部は、カフェタイム『お茶を飲みながら病気の不安や悩みについて対話のひとときを持ちませんか』が企画された。

 筆者は、第1部の後、第7回研究発表会(南原繁研究会 第172回)に赴いた(学士会館に於いて)。「立憲主義と代議制デモクラシー 〜 政治思想史的考察 〜」(加藤 節先生;成蹊大学名誉教授)と「災後日本の国家像 〜 内村鑑三、南原繁、石橋湛山を通して 〜」(三浦 隆氏;岩手県大船渡市議会議員)の講演を拝聴した。日々勉強である。特に、『非政治的領域からする 政治的発言』(丸山眞男)の言葉は、極めて印象的であった。まさに「余をして もし 外務大臣たらしめば」(内村鑑三)と、高らかに理念を語る『小国の大人物』(新渡戸稲造)よ 出でよ! の時代的到来である。「がん哲学の心得」の基本であろう。




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