第28回 『新渡戸 山脈 』〜『多面的な、高邁なる識見』〜

 Boston 在住の娘の2人目の子供(男児)に逢う為に、アメリカを訪れた。Wifeは、出産前後の介助で一足先に来ていた。アメリカ行きの飛行機のなかでは、映画『Darkest Hour : ウインストン・チャーチル / ヒトラーから世界を救った男』と『Wonder』を鑑賞した。『Darkest Hour : ウインストン・チャーチル / ヒトラーから世界を救った男』は、『第2次世界大戦初期、ナチスの勢力の拡大するなか、英国首相に就任したチャーチル、世界の命運を左右する決断を下す』と紹介されていた。『Wonder』は、『障がいがある 少年の葛藤と成長のドラマ 〜 生まれつき 顔に障がいがある 10歳の少年が、学校でのいじめや 偏見を乗り越え、家族や友だちとの絆を 深めていく。』と謳われていた。大いに、感動した。本当に涙なくして語れない。まさに、『Why vs How』 の学びの時でもあった。

 大変な状況にある『にもかかわらず (However) 』、『無邪気に、小さなことに、大きな愛を込める』『Wonder』の、主人公の姿には、大いに感激した。まさに、『人生の目的は、品性の完成である』の再確認となった。今回の旅には、『生きがいについて』(神谷美恵子著、 みすず書房)の本を持参した。新渡戸稲造の温もりを感じ育った神谷美恵子の、『同じ条件の中にいても、あるひとは 生きがいが感じられなくて悩み、あるひとは 生きるよろこびにあふれている。このちがいは どこから来るのであろうか』の文章を再読しながら、人生の静思の時となった。

 『新島襄の手紙』(同志社編 岩波文庫)の本も持参した。『新島襄の手紙』の「内村鑑三宛」の『金銭問題を気にする必要はありません。男らしさと献身が本物であれば、金は付いてきます。』、さらに、「勝海舟宛」では、『勝海舟の「お前さんは理想とする教育をいったい何年で成就させるつもりか」の問いに、「およそ200年」の新島襄の答えに満足し「それなら賛成してやろう」の返答』には、本物の胆力とは何かの、大いなる学びの時となった。まさに、時代は、真の『人間的』なるものを求めている。持参した本の3冊目は、『西洋の事情と思想』(新渡戸稲造著、 講談社学術文庫)である。『高邁なる識見』、『該博なる知識』、『崇高なる人格』、『多面的な、観察と識見』、『国際心』
などの言葉の学びである。まさに、『新渡戸 山脈』の『言葉の処方箋』である。


ボストンにて

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